第9話
ジョブと職
ミクとアキ二人のステータスを改めて載せるとこうである。
・氏名:ミク ヨコヤマ ・LV:5/1000
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:平民LV5/70 2:剣姫LV0/1000
・基本ステータス
HP:30/(30→10300) MP:5/5 SP:7/7 腕力:30/(30→10300) 知力:12/12
俊敏:30/(30→10300) 器用:30/(30→10300) 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」 ???
〇ユニークスキル:???
〇通常スキル 「身体強化」
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:なし
・氏名:アキ ヨコヤマ ・LV:5/1000
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:平民LV5/70 2:魔法師LV0/1000
・基本ステータス
HP:30/(30→10300) MP:30/(30→10300) SP:7/7 腕力:5/5 知力:12/12
俊敏:30/(30→10300) 器用:30/(30→10300) 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」 ???
〇ユニークスキル:???
〇通常スキル
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:なし
これをもとに、アドバイザーが総評した結果は、以下の通りであった。
「ミクさん、アキさんともに、
第一職にジョブ「平民」、開眼すれば第二職に上級職である「剣姫」「魔法師」のジョブをお持ちになるので、悪くはないステータスだと思います。
先ほど少し言いました開眼というのは、この世界では職が解禁されることを言います。
ここで、第二職といってもわからないでしょうからこの世界における職について簡単に説明いたします。
人属においては第一職と第二職といわれるものが存在します。
第三職以上持っているものは歴史上存在しておりませんでしたが、
ヒデトさまは現在第五職まで所持しているため、規格外であるということがうかがえます。
規格外の人の話は置いといて、ここでは通常、この世界の常識を知っていただきます(笑)。
ここでは5つの職に関する決まりを紹介します。
一つ目、
通常、この世界の人々はジョブを基本的に一つしか持たず、
二個以上のジョブがある人は例外的であり、その存在は有能な人材である。
また、複数のジョブを保持しているものは、そのジョブは上級職である。
二つ目、一つのジョブを職の一つに設定するとジョブが職として機能するという決まりがある。
そのためジョブを複数所持していても、すべてのジョブを同時に使えるというわけではない。
これは、例えば今回のように、
「剣姫」や「魔法師」といった二つ目のジョブを持つミクさんやアキさんですが、
現状、職を一つしか持っていないすなわち、第一職しか持っていないので、
ジョブを二つ持っていたとしても使えないのが現状です。
ですので、二人の第二職を開眼し、ジョブを設定することが当面の目標となります。
三つ目、大多数が所持する一つ目のジョブは、特別に家柄によって変わるという特性を持つ。
具体的には一般の人々は「平民」、侯爵や貴族の息子など家柄豊かな家系に生まれると「貴族」を授かる。
また、人属でありながら枠にはまらない常人ならざる者に関しては例外とする。
四つ目、一つ目のジョブにより新たに職を開眼する確率が異なっており、
「貴族」の者の方が「平民」の者より開眼する確率が高く、
また、「平民」は極めてその確率が低い。
五つ目、本人LVは、基本的に職のLV上限が関係しており、職の中で最もLV上限の高いジョブに依存する。
ただし、人属でありながら枠にはまらない常任ならざる者に関しては例外とする。
四つ目、五つ目の決まりによって、
第一職「平民」を持つものは基本的に第二職を開眼することがほとんどできないため、
「平民」のLV上限70が通常人属の最大レベルといわれています。
このことを人属の最大レベルが70ほどとおっしゃっていた創造神アテネ様は、
転生の時間の関係上このことを正しく述べることができなかったと嘆いておられました。
なお、「平民」という職の中で、
自分ができる仕事として門番であったり、ギルドの受付など様々な仕事が存在します。
以上5つが職に関する決まりです。
何かとめんどくさい決まりではありますが、ミクさんやアキさんには関係ありません。
ご主人様がEXスキル「智慧」の創造・編集・解体を使うことで、
二人のステータスを自由自在に変更することができます。
ただし、あまり強すぎるものを与えてしまうと慣れるのに時間がかかるので、
少しずつ加えていくというのをお勧めします!
他に、ステータスについてでは、
スキルなどについている???については、第二職を開眼した際に発揮されるようです。
あ、あとご主人様も気になっていたと思いますが、二人に
EXスキル「ハーレムの加護」と言われるものが付きました。
これは、ただのハーレムではなく、
ご主人様のハーレムの一員になったからこそついたEXスキルだと思われます。
効果としては、ハーレムの主人に尽くせば尽くすほど
尽くした者のステータスが上がるというものです。
これで大方の総評は以上になります。
長い語りを聞いていただきありがとうございました!
ご主人様、大好きです!」
いつものくだり化してきたが、このメイドさんを彷彿させるしゃべり方は、
童貞を卒業したヒデトであるがくすぐられるものがある。
しかし、ステータスを編集・創造できるとは本当にチートである。
ヒデトは、ギルドにつくとすぐ、二人を呼び止めて椅子に座ってもらった。、
こうしてステータス変更を開始する。
無詠唱でEXスキル「智慧」の創造・編集を発動させてできたステータスがこうなった。
まずは、ミクである。
・氏名:ミク ヨコヤマ ・LV5/3000
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:剣姫LV5/1000 2:秘書LV5/1000
・基本ステータス
HP:10300/10300 MP:10300/10300 SP:7/7 腕力:10300/10300 知力:EX
俊敏:10300/10300 器用:10300/10300 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」「大剣聖の加護」「従者の神の加護」
〇ユニークスキル:「指揮指令」「無限記憶・定着力」「偽装」
〇通常スキル 「身体強化」
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:なし
秘書として働いてもらうため、「指揮指令」「従者の神の加護」「無限記憶・定着力」を付けた。
あとは、ヒデトのジョブによってなせる恩恵といったところだろうか。
次は、アキである。
・氏名:アキ ヨコヤマ ・LV5/1000
・年齢:20歳 ・性別:女 ・種族:人属
・ジョブ 1:魔法師LV5/1000 2:調理師LV5/1000
・基本ステータス
HP:10300/10300 MP:10300/10300 SP:7/7 腕力:10300/10300 知力:10300/10300
俊敏:10300/10300 器用:10300/10300 幸運:EX
・スキル
〇EXスキル:「ハーレムの加護」「大賢者の加護」「料理の神の加護」
〇ユニークスキル:「食料庫」「無限記憶・定着力」「偽装」
〇通常スキル :「調理術」「身体強化」
〇習得済み魔法:なし
〇習得済み剣技:なし
もとからそうであったが、料理人として料理をふるまってほしいと考えたため
「食料庫」「料理の神の加護」「無限記憶・定着力」を付けた。
後は、ヒデトのジョブの恩恵である。
やっと、ステータスの設定を終えて三人は
ここはひとつ体を動かしたいということで、ギルドを出ることにした。
本来の目的であったクエストだが、特に掲示板にもよさそうなものがなかったのだった。
体を動かすための行先は、先のアイネの森ではなく、
ダンジョンがあると言われている「ギルバートの森」だ。
ダンジョンでバトってやろうというわけだ。
理由は至極単純といっても3つある。。
1つは、ミクとアキのLV上げである。
このままでは、どんなにいいステータスを持っていても、
ヒデトがいないと自分で身を守ることができないということで鍛え上げることにしたのだった。
2つ目は、剣技や魔法の習得である。
ヒデトは、魔法は、実際に見たものや発動がわかるもの以外は基本的に習得できないという、
この世界の理を知っている。
これは、アドバイザーに聞いて分かったことだが、剣技も一緒らしい。
しかし、思い出してほしい。
ヒデトは剣技「サンドストーム」を使えているではないか…。
これは、どういうことかとアドバイザーと議論して出した結果、
ヒデトにおいては、剣技や魔法は、どうやらEXスキル「創造・編集・解体」の対象内になるというのだ。
つまり、「サンドストーム」は想像したことによって創造され剣技として具体化・具現化したということらしい。
創造神アテネの言っていたあらゆるものに魔法が該当するとは思っていなかったので、
内心この結果には驚いたものだ。
まあ、魔法もあらゆるものの中に含まれて入るが、つくづくいかれたチートを付けてくださったものである。
三つ目は、先のスタンピードの発生源とされるダンジョンの調査である。
というわけで、これら3つの目的のために、
今からギルバートの森のダンジョンへ向かおうとしていたのである。
ミクとアキにそれぞれどんなステータスに変更したのかを口頭で教えるヒデト。
さすがに、少し理解するのには時間がかかったが、
スキル「無限記憶・定着力」によってか
二人は自分のステータスについてそうそう時間がかかることなく理解した。
そうして、二人は自身に「身体強化」を施せるようになり、
三人がそろって「身体強化」を施す。
こうして早く移動できるようになった一行は、
結果的に、通常どんなに走って頑張っても1時間ほどかかる行程を、
わずか10分程度で走り終え、無事ギルバートの森のダンジョンに到着したのだった。
ダンジョンとは
魔物、モンスターが生み出される巣窟のことである。
これは誰かといわず、誰しもが知っていることであるが、
実際にダンジョンの近くに行くと、
索敵に10万を超える赤いアイコンが表示されている。
「これが、ダンジョンか…。」
ヒデトは少し汗ばんだ緊張した表情を見せる。
入る前からこれで大丈夫なのか少し心配するところではあったが、
ダンジョン経験者がいて助かった。
ミクがヒデトに
「ヒデトなら全然大丈夫だよ!」
と励ます。
アキも
「ヒデトさんなら、ここのボスにも負けないと思います」
と声高らかに告げるのだった。
極めつけはアドバイザーの脳内での声であった。
「ご主人様は、このダンジョンを跡形もなく消し去ることができます。
ボスに至っては木の枝で倒せるでしょう。」
と。
すこしダンジョンを初めて体験するということで身構えていたヒデトであったが、
どうやら全く問題ないらしい。
さあ、ヒデトたちはいよいよダンジョンへの一歩を踏み出す。