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46話 ネクロマンサー

 包囲を強引に突破したラグナは気絶したブレイディアを抱きかかえながら銀色の光を纏い森の中を一心不乱に逃げ続けた。幸いにも亡者たちは足が遅く引き離すことには成功したが――。


「くそッ! こっちにもッ!」


 行く先々に亡者たちは現れラグナの行く手を遮った。そして再び囲まれる。ブレイディアを左腕だけで抱え直すと右手で『月錬機』を取り出し剣に変える。直後、飛びかかって来た怪物たちを展開した『月錬機』で次々と切り裂いていくも――。


(……駄目だ。斬撃はまったく意味がない……)


 斬っても斬ってもすぐに再生し向かってくる亡者たちによってラグナは防戦一方の状態に陥っていた。攻撃を避けながら少年は思考を巡らせる。


(『月光術』を試してみるか? ……いや、もしそれでも駄目だった場合俺は一時的に『月光』を失うことになる。その時に一斉に飛びかかられでもしたら……『黒い月光』を使えば強引に突破してダリウスまで逃げることも出来るかもしれないけど……そんなことをすればコイツらがダリウスまで追いかけてきて町の人たちに危害を加えるかもしれない……)


 歯噛みしたラグナは攻撃という手段を捨て、足に力を入れると木の上に跳びあがった。そして木を足場にして移動し始める。だがそんな少年の前に突如飛翔する謎の物体が現れ動きを止めさせられた。


『ケケケ。無駄無駄。木の上を移動しようと意味ないぜ』


「な……鳥……の死骸……!?」


 飛びながら現れたのは亡者たちと同じような鳥の骸。それが流暢な言葉を話しラグナの動きを止めたのだ。


『周りをよく見てみな』


「……周り……? ……ッ!」


 言われた通り見てみるといつの間にか飛び移ろうとしていた木に亡者たちがよじ登っていた。別の木にも同じように亡者たちがよじ登り、退路さえ塞がれる。そのうえ下にも無数の死体たちが蠢いていた。


『ケケケ。な? 言った通りだろ?』


「……お前はいったいなんなんだ。この死体もお前が操っているのか?」


『俺っつーか、俺を動かしているご主人が亡者どもを操っているのさ。ご主人の名はワディ』


「ワディッ!? ……そうか……あの男が……」


 ラグナは以前森の館で見たレインコートの男を思い出した。


『ほお。どうやら知っているみたいだな』


「……『ラクロアの月』の構成員でフェイク直属の部下だろう」


『その通り。フェイク様直属の部下にして三人の部隊長の中の一人。人呼んでネクロマンサーのワディ』


「ネクロマンサー……死霊術師か……なるほど。つまりワディの『月光術』によってお前たちは動いているわけか」


『そういうことだぜ、ケケケ。ま、それがわかったところでてめえらに勝ち目なんかねえがな。そんなことより大人しく死んで俺らの仲間になろうぜぇ? 皆もそれを望んでるよなぁ?』


 その言葉に亡者は狂声をあげ賛同し、ラグナは顔をしかめる。そんな時だった。腕の中で気絶していた女騎士がもぞもぞと動き始める。


「……ん……あれ……私……寝ちゃってたの?」


「ブレイディアさんッ……! よかった、目が覚めたんですねッ……!」


「うん……眼、覚めたよ。でもなんで私寝ちゃってたんだっけ……あ、そうか。そうだった。なんか変な幻覚を見ちゃったんだよね。いや~、たぶん森の不気味な雰囲気にあてられちゃったんだろうね。あんな気持ち悪いもの現実にいるわけが――」


『『『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』』』


「――現実だったぁああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!?? 嫌ああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!??」


 周りを取り囲む亡者たちの狂笑を聞いたブレイディアは絶叫し再び気絶しそうになる――。


「いや、違いますブレイディアさん! アレらは以前話したワディっていう『ラクロアの月』の構成員の『月光術』によって作られたものです! ブレイディアさんの想像してるのとは違うものですよ!」


「え、げ、『月光術』……? ほ、ホントに……?」


「敵が言っていた事なので間違いないです」


 ラグナが骸の鳥の方を見ると、ブレイディアもまた同じ方を向き取れかかった目玉と目が合う。


『よお! てめえが噂のブラッドレディスかい? なんだよ、見た感じただのクソガキじゃねえか! 大した事なさそうだな、ケケケ!』


「ムキィィィィィッ!!! 何コイツムカつくッ!!! ウザい鳥はジョイだけで十分なのにッ!!!」 


「ジョイが聞いたら怒りますよたぶん……」


「もうあったまきた! 幽霊とかじゃないならもう怖くないもんね! 二人でとっちめてやろうラグナ君!」


「は、はい! わかりました!」


「よし! そうときたらまずこの状況から脱出しないとね! 〈イル・フライア〉!」


 怒りで恐怖を克服したブレイディアは『月光』を纏うと同時に『月光術』を使用しシャボン玉のような空気の膜を作り出すと、ラグナと共にその中に入り空へと浮かび上がった。百メートルほど上がったところで二人は話し合いを始める。


「……さて、とっちめてやろうとは思ったけど……本音を言えばこのままダリウスまで逃げたい……でもそういうわけにもいかないよね」


「はい。たぶん敵も俺達を追ってきますから」


「だね。それにワディって確かフェイク直属の部下で階級は部隊長だったよね? なら色々と知ってるはず。とっ捕まえてラフェール鉱山で何やってるか聞き出そうか。私得意なんだ、悪人から情報を聞き出すの。グフフフ」


「そ、そうですね……」


 以前ブレイディアがモックに拷問まがいの事をしていた過去を思い出したラグナは顔を引きつらせた。女騎士はそんなことには気づかず余裕綽綽と言った具合に得意げに呟く。


「ま、とにかく先に術者を見つけよう。ここからなら安全に森全体を見渡せ――」


「待ってくださいブレイディアさんッ……! あそこッ……!」


「――え……どうしたの――って……んなッ……!?」


 二人が驚いた理由。それは東の空にあった。飛行する四つの巨大な物体がこちらに向かって来ていたのだ。飛行する物体の正体――それはワイバーン。しかし普通のワイバーンとはやはり違い、所々腐敗した場所があるゾンビのような翼竜であった。


「ちょ、あんなのまで操れるのッ……!?」


「ブレイディアさんッ……! あのワイバーン何か吐き出して――」


 ラグナが言うや否や四体のワイバーンが吐き出した炎の玉が空気の膜にぶつかり爆ぜる。その途端二人を守っていた見えない障壁はあっさりと崩れ去り騎士たちは空中へと投げ出された。


「うわああああああああああッ!?」


「きゃああああああああああッ!?」


 叫びと共に爆風で吹き飛ばされた二人は別々の方向に落下した。落下の途中、ギリギリのところで『月光』を呼び出せたブレイディアは新型の『月錬機』に光を吸わせ武器にするとトリガーを引く。すると剣が鞭のように変化し木々に巻き付いた。地面に激突する刹那の瞬間、寸でのところで鞭にぶら下がった小さな騎士は冷や汗をかきながらゆっくりと地面に降り立つ。その直後、ラグナが飛ばされた方角から爆音が聞こえて来たため血相を変えて走り出そうとしたが――。


「…………」


 ――眉を顰め周囲の木々や草むらに目を走らせた後、動きを止めたブレイディアはポケットから携帯を取り出し電話をかけた。


『……は、はい……ラグナです……』


「ら、ラグナ君無事ッ!?」


『え、ええ……なんとか……』


「よ、よかった……さっき凄い爆発音が聞こえて来たからあのワイバーンたちが君の方に追撃しに行ったのかと思ったよ」


『ああ……アレは敵の攻撃じゃないので大丈夫です。ブレイディアさんの方こそ大丈夫ですか?』


「うん。落下途中で新型を展開させたから平気。……ごめんねラグナ君。私があんなに高く飛び上がったせいで……」


『ブレイディアさんのせいじゃないですよ。あんなのがいるなんて俺も予想してませんでしたし。それよりこれからどうし――ッ!? そんなッ……!? あんなものまで……ぐッ!』


「ラグナ君、どうしたのッ……!?」


『ブレイディアさん、こっちは危険ですッ……! 来ないでくださ――』


「ラグナ君ッ……!?」


『…………』


「応答してラグナ君!」


『…………』


 しかしそれ以降携帯から返事が来ることはなかった。その数秒後、拳を握りしめ歯噛みしたブレイディアを嘲笑う声が空中から聞こえてくる。


『ケケケ。空中に行っても無駄だってことが身をもってわかっただろう? ああ、そんなことよりラグナ・グランウッドを急いで助けに行かなきゃだよな? ほら遠慮せずに行けって』


「……だったら私の周りを死体で取り囲むのやめてくれない? 不意打ち狙いで隠れてるのバレバレなんだよ」


『ほお……流石は副団長殿。見た目通りのガキじゃねえわけだ』


 羽ばたく骸の鳥の言葉に反応するように木々や草木の間から隠れていた無数の亡者たちが現れる。さらに空中からは例のワイバーン四体まで現れ空への逃げ道を塞ぐように飛び始めた。


『さあショータイムだ。言っておくが、ご主人が操る化け物は全部再生能力を持ってる。どんなに攻撃しようが無駄だぜ。つまり何やっても無意味ってことだ。亡者共に血肉を貪り食われて死ぬか、ワイバーンのブレスで消し炭になるか。お前はどうやって死ぬんだろうな。どんな結末がお望みだい? ケケケ』


「――周りの奴ら全部片づけた後ラグナ君と合流してアンタのご主人様をぶちのめす。それが私の辿る結末だよ」


『へえ、そいつは楽しみだねえ。ま、無駄な努力だろうけどな。ケケケ。それじゃあお前ら――やっちまいなッ!!!』


 骸鳥の声に反応した亡者たちは一斉にブレイディア目がけて襲いかかって来た。女騎士は鞭を振るい応戦しながら心の中で独り言ちる。


(……ラグナ君……『来るな』って君は言ったけど……そういうわけにはいかないよ。必ずそっちに向かうから無事でいてね)


 ブレイディアは少年の無事を祈った後、敵の殲滅に集中した。




 一方、時間を少し遡りブレイディアと引き離された空中での出来事。ラグナは落下しながら思考を巡らせていた。


(……このままじゃマズイ。『月光』を纏っていたとしてもこの高さから落ちたら流石に軽傷では済まないだろう。何とかしないと……イチかバチかやってみるか……)


 ラグナは身に纏っていた銀の光を輝かせると、地面に剣を持っていない左手を向けタイミングを計った。そして体が地面に激突する五メートル手前で唱える。


「〈アル・グロウ〉ッ……!」


 その瞬間、手から巨大な銀色の光弾が地面に向けて放れた。直後銀色の玉は着弾と同時に爆ぜ、その衝撃によって地面に激突する寸前で再び空中に舞い上がる。その後近くにあった木にぶつかると仰向けに倒れた。痛みをこらえ咳き込みながらも骨に異常が無い事を確認したラグナはゆっくりと立ち上がる。


「……いつつ……でもなんとか無事だ……」


 一息ついているとポケットにしまった携帯から着信音が聞こえて来た。取り出してみると相手は先ほど不本意にも別れた女騎士。


「……は、はい……ラグナです……」


 その後二人は互いの無事を報告し合っていたが――。


「――それよりこれからどうし――ッ!?」


 ラグナが言葉を切った理由――それは前方から聞こえて来た地響きが原因だった。それからすぐに大きな足音を立てて棍棒を携え額に白い角を生やした巨大な鬼――オーガと呼ばれる魔獣が現れたのだ。死体たち同様腐敗した五メートルほどの赤いオーガが十匹ほどこちらに向かって走って来たのをその眼で捕えたラグナは思わず呟いてしまう。


「……そんな……あんなものまで……ぐッ……!」


『ラグナ君、どうしたのッ……!?』


「ブレイディアさん、こっちは危険ですッ……! 来ないでくださ――」


「グオォォォォォォォォォォッ!!!!!」


「ッ……!」


 だが言い終わる前にオーガの投げた棍棒が高速でラグナに向かって放たれる。銀の光を纏い寸前でかわしたラグナだったが、携帯は投擲された棍棒によって貫かれ粉々に破壊された。棍棒はその後木々を粉砕しながら進み巨大な岩に激突する形で動きを止めた。その威力に慄きながらもさらに飛びかかって来たオーガたちを次々とかわした少年は森の奥へ逃げるように走り始める。


(……どうする……ッ!? 普通のオーガだってベテラン騎士が十人以上で討伐するのに……もし追ってきているオーガたちがあの亡者同様再生能力を持っているなら俺一人で倒すなんて普通の方法では無理だ……さっき囲まれていた時と同じ……いや、それ以上に厄介な状況だ……さっきの投擲の威力から察するに筋力は生前の状態とおそらく変わらないはず……あんな腕力で攻撃を受けたりしたら『月光』を纏っていたとしても……)


 自身がひき肉になることを想像したラグナは身震いすると、手袋越しに左手を見つめた。


(……これは俺にとって最後の切り札……十数分しかもたない以上、術者を見つけるまでは使いたくなかった……けどそんなことを言ってる場合じゃないな……今はとにかくこの状況を切り抜けないとッ……!)


 覚悟を決めたラグナは立ち止まり銀の光を消すと『月錬機』を箱状に戻した。そして『黒い月光』を発動させオーガたちを迎え撃とうとする。凄まじい速度で地面を踏み鳴らし追随してきていた鬼たちはすぐに少年のいる場所まで到達するものと思われたが――。


「……え……」


 『黒い月光』を発動させる前に少年と鬼たちの間に割って入るように紺色のリュックを背負った見知らぬ二十代半ばほどの白髪の女性が木々の間から現れ戦場を横切ろうとしたのだ。先頭にいたオーガは興奮したように鼻を鳴らすと突然現れた邪魔者に向かって棍棒を振り下ろそうとした。ラグナは反射的に銀色の光を再び纏い、機械の箱を再び剣に変えると惨劇を防ぐべく走り出したが――その前に鮮血が飛び散る。


 ――間に合わなかった――そう思い一瞬絶望したラグナだったが――。


「グァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!??」


 ――絶叫し血しぶきをあげながらバラバラになったのが攻撃したオーガであることに気が付く。そして女性が紫色の光を纏い、いつの間にか紫色の刀を手にしていたことにも遅まきながら気づいた。その後女性は咆哮をあげ次々と襲いかかってくる鬼たちを目にも止まらぬ速さで切り伏せる。一秒後――そこには十体の鬼の肉片が散らばっていた。女性は剣についていた血を払うように一振りすると、地面に突き立て纏っていた光を消す。その後着ていた茶色いロングコートのポケットからハンカチを取り出し返り血を浴びた顔や青いズボン、黒い靴を拭い再びポケットに戻した。


 ラグナはたた呆然とその様子を見つめていたが、不意に肉片が再生するのではないかと思いバラバラになった死体をもう一度見たが――。


(……再生しない……どういうことだ……さっき亡者を攻撃した時は切った傍からすぐに再生してたのに……このオーガには再生能力はなかったのか……? それとも――)


 ラグナはもう一度背中越しに女性を見つめた。


(――彼女が何か特別なことをやったのか……? ……いづれにしろ、話を聞かないことにはどうしようもないな。あのオーガたちに襲われたってことは少なくとも敵ではないはずだし……)


 ラグナは『月光』を消し『月錬機』を箱状に戻すと女性に近づいて行った。


「あの……すみません。俺は王都の騎士団に所属しているラグナ・グランウッドという者なんですが……少しお話を聞かせてもらっても大丈夫ですか……?」


 声と共に誰かが近づいてくる気配を感じ取った女性もまたこちらを振り返った。だが振り返ると同時、少年の顔を見るや否や青い瞳を大きく見開きその白く美しい顔を驚愕に染める。そしてそのまま時が止ったかのように動かなくなってしまったのだ。ラグナは女性の反応を見て首を傾げた。


「……? あ、あの……差し障りないならまず貴方のお名前から聞かせていただけないでしょうか……?」


「……ク――」


 ラグナの問いかけに対して女性は泣きそうな声で一言つぶやいたが、すぐに口を押さえ苦しそうな顔でうつむいてしまう。


「……ク? えーっと……クが付くお名前……なんでしょうか?」


 ラグナが心配そうな声で聞くと、女性は驚いたように顔をあげようやく会話に応じてくれた。


「…………私のことを覚えていないのか……?」


「え……どこかでお会いしましたっけ……?」


「……本当に、覚えて……いないのか……?」


「は、はい……お会いしたことはなかったと思いますが……」


「…………」


 ラグナの困惑した様子を見た女性は少しうつむき難しそうな顔で考え込んだ後、再び顔をあげた。


「…………いや、すまない。どうやら人違いだったようだ。私の名は……レスヴァル。突然変なことを言って本当に悪かった。……君が昔の友人にそっくりだったものでね。早とちりしてしまったみたいだ」


「そ、そうなんですか。それであの……失礼ですが、レスヴァルさんはどうしてこんなところに?」


「……私は魔獣の討伐から荷物を届けることまで幅広くやってる個人経営の『何でも屋』でね。ダリウスに荷物を届ける依頼を受けていたのだが……列車が落石で動かなくなっていたためこうして徒歩で向かっていたんだ。その途中で怪物たちに襲われこうして森の奥に入って来てしまったというわけさ」


「そうだったんですか……それは災難でしたね」


「……ああ。ところで君は王都の騎士と言ったが、どうしてここに?」


「実は……わけあって任務で俺もダリウスに向かっていたんです」


「……そうか。そして君もまた私と同じように被害に遭ったわけだ」


「ええ。……一つ、聞いていいですか? さっき貴方はオーガをバラバラにしましたけど、もしかして何か特別な技術か何かで倒したんですか? それとも普通に?」


「特別な技術? ……ああ。なるほど。特別な技術というのはもしかして怪物たちがもってる異常な再生能力を無視して私がオーガを倒したことを言っているのかな?」

     

「……やっぱり、倒せた理由があるんですね。あの……どうやって倒したか教えていただけませんか?」


「別にかまわないが――」


 レスヴァルは剣を引き抜き再び『月光』を纏うと森の奥に目をやった。すると続々と亡者たちが現れ始める。


「――口だけで説明するより実際にやってみせた方が早そうだ。よく見ていてくれ」


「わ、わかりました」


 レスヴァルの言葉に頷いたラグナは固唾を飲んでその戦いを目に焼き付けようとした。  


 不気味な森の奥深くで出会った女性剣士との出会いにより少年は微かな希望を見出し始めていた。  

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