断章 或る世界の終にて
初投稿です。いぇい。
「この世界は、誰かの想像に過ぎない」
どこかの世界の、行き詰まり
終末の胎動すらも聞こえなくなった街。
避けられない終末が明らかになってから、文明は遂にその果てを見出した。
ある者は神に祈り、そののち神を憎んだ
ある者は善を説き、そののち最大級の悪を為した
修道院は姦淫に溢れ、群集は生まれて初めての罪を謳歌した。
やがてしばらくの月日が流れた後、人々は終わりを受け入れ始めた。
ある者は神の庭に召されることを夢見た。
ある者はその最期に善を為した。
政府は動乱によりその機能をほぼ失っていたが、人々は安楽死できる薬を生産・配給するために立ち上がり、この世界最後の仕事を終えた。
人々はあらかじめ自分の人生を締めくくる日を定め、ベッドにて永遠の眠りについた。
一年前、街は屍肉に溢れていたが、今この街は一点の穢れもない完璧な静物画と化している。
「いやぁー、僕はさ、今の街の方が綺麗で好きだよ〜」
少年は無邪気に笑いながら、悪気なく言った。
「何言ってんだあんた…。」
はぁ、とため息を吐きながら、男は煙草を咥え直す。
「でも、次は間違えないんでしょ?」
「当たり前だ。そのための盟約は先ほど済ませたところだろう?」
「そうそう♪ 楽しみだねぇ〜。言っておくけど、並の覚悟じゃあ、心が先に死んじゃうかもよ。」
「分かっている。すべてを取り戻す戦いの前に、善悪など些細な戯言に過ぎん。」
「うんうん、それでこそ偉大なるボクのパートナーだよ〜。それじゃあ、行こっか。」
「ああ。」
地面に落ちた煙草の煙が透明な空に吸い込まれて、
全ては光に呑まれた。
わけわからんくて草となっているであろう皆様こんにちは。
これから長い永いお話書いていこうと思いますのでよろしゅうです。