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狭くて暗い


ひとしきり笑った後に表情を引き締めると、私はジューイの肩を叩きながら説明した。


「いや、盲点だったわ。転生の加護で話すことは不自由しなくても、異世界語の翻訳までは手が回らないってことは私達も気づいてたのにさ、うっかりしてた。なっちゃんがそこに気が回らないのも当然だわ。あのね、オマワリさんっていうのは、警察官と同異義語なの、つまり警邏の人という呼び名のこと。個人名を指し示す呼び名じゃないの」


ジューイはヘナヘナ…と力尽きて倒れ込むとソファに茫然と腰かけている。


「俺てっきり誰か特定の男の名前なんだと…思って『オマワリさんが助けてくれるから、大丈夫です。だからジューイさんはもうご自分の世界に帰って下さい』って言われて真に受けて…そのまま帰って来ちゃった…」


すると、未来がものすごい勢いで飛び込んで来ると、スパーンとジューイの後頭部を叩いた。ものすごい音がしたけど…ジューイ生きてる?なんかテーブルに突っ伏してピクピクしてるけど?


「何故そこで簡単に引き下がるんだよ?!言っとくけど警官の巡回って担当地区の道路を見て回るだけだよ?!挙動の不審な人間がいれば、声をかけて職質…怪しい人かどうか聞くくらいはしてくれるけどっ!個人宅のドア前に張り付いて見守りなんかしてくれないのっ!どうすんだよっ!今頃なっちゃん家にモヤシが押しかけていたらさっ!あんた何してんのさっ!」


未来のすごい剣幕にジューイは顔面蒼白になっていた。


「確かに言葉の壁はあっただろうけど…ナツキが怯えているのは分かったんじゃないのか?もう少し話を聞き出して…」


とナッシュ様が言い掛けた時、部屋の戸口に誰かがやって来た。


「あの、失礼致します。ノリに話が…あ、ノリ」


護衛騎士団のミーツ兄さんだった。ノリはパタパタと走ってミーツさんに近づいた。


「明日交替で休暇になってね、ノリも良ければどこかに出かけないかと…ん?何かあったの?」


皆の騒然とした雰囲気で何かを感じ取ったミーツさんは静かに室内に入って来られた。


「ナッシュ殿下…?」


「うん、実は…異界でナツキがアオイの従兄弟に狼藉を加えられそうになってね、それを知りながらジューイの奴がこっちに戻って来てしまったんだ…。ナツキ自身がもう大丈夫だ…と言った言葉を真に受けてね」


ジューイはまたショボンと落ち込んだ。


ミーツさんはふむ…と言って顎に手を当てた。そして少し窘めるような口調でこう言った。


「ナツキは大人しく慎ましい女性だとノリに聞いています。そういう性格の女性は往々にして、迷惑をかける…重荷になる…相手の自由を奪う…こういう行為を厭います。それ故に自我を押さえ己を押し殺す行為を何度となくすることがある…と私の経験則から申し上げます。ナツキはそういう向きの性格だと思います。ゾアンガーデ中佐のご迷惑になっては…と心を押し殺して発言なさったのでは?」


ジューイは目を見開きミーツさんを見詰めた。ミーツさんはニッコリと微笑んだ。


「ここで諦めますか?それとも動き出しますか?決めるのはゾアンガーデ中佐です。私個人としてはここで動けない男は生きる価値なしだと思いますけどね」


ミーツにいさーーん!格好いい!やばいっ!ここに居る女子のハートをギュンと掴んだよ!ノリはうっとりしながらミーツさんの腕にしな垂れかかっている。こりゃノリは落ちたな…。いや、そんなことよりもっ!


「俺…行く!行ってナツキを守ってくる!」


「よしっ!」


ナッシュ様が私の手とザック君の手を掴んだ。


「皆、詰所まで行くぞ!」


わわっ?!と、一瞬暗転したと思ったらもう第三の詰所前だった…。皆転移してついて来てるね…。ジューイが詰所に駆け込むと机の上の魔法陣に手を当てた。


「頼むっ!もう一度俺をナツキの所に送ってくれ!」


魔法陣が魔力を吸収しているが…術が発動する感じがない。ジューイは更に魔法陣に魔力を入れ始めた…。すごい魔力が流れて行く。


「いかんっ!吸収が早いっ…ガレッシュ!お前も魔力を貸せ!ジューイ、私達の魔力も使え!」


ガレッシュ様とナッシュ様が魔力譲渡をジューイにしている。私も微々たるものだけど…とナッシュ様の体に手を置いて、魔力を流していく。おおっお腹の子も渡している!するとザック君も未来もノリもミーツさんも…皆ジューイに渡し始めた。


「皆…ありがと…」


珍しい…ジューイが半泣きだ…。やがて魔法陣が輝き出して術が発動し出した。お願いっ!ジューイを無事になっちゃんの元に送って!


視界が急に明るくなった…。何だろ?しばらく目を開けられなくて瞑っていると頭に何かゴツンと当たった。なんだろ?ギュ~ッと上から押さえられているみたい。


「いたた…なに?」


恐る恐る目を開けると目の前は暗い…が異常に狭い空間に居ることは分かる。なんだここ?と思って左手を動かそうとすると、何かに掴まれてグイッと引っ張られた。


「大丈夫か?アオイ?」


ん?掴んでいるのはナッシュ様だ…ん?ヨイショ…とナッシュ様が私を抱きかかえてソコから降ろしてくれた。アレ?ここどこ…。暗いけど…ぼんやりと常夜灯の明かりがある。ん?常夜灯?急いで周りを確認した。


「ここ…」


「なっちゃんの家よ」


ノリが私の側に立っていた。えええええ?!と言う事は…。


「どうやら皆で異世界に来てしまったようだな…しかし、何やら外が騒がしいな…」


ナッシュ様の声にガレッシュ様が対魔人用の防御障壁を張ってくれた。


ゴンゴン…と鈍い音と共に複数人の声が扉…玄関扉の向こうから聞こえる。ガレッシュ様がスッと動いて扉の前に移動した。未来も後に続いている。


「おいっ居るのは分かってるんだ!早く開けろ!このまま押し()ってもいいんだぜ!」


こ、この声は!?ノリと顔を見合わす。


「ぼんくらだ」


「モヤシ…」


鷹宮学だ!やっぱりなっちゃん家に押しかけて来ていたんだ。しかしなっちゃんの姿が見当たらないけど…。どこにいるの?


未来は静かにチェーンを外すと鍵を開錠した。そしてガレッシュ様とジューイに目配せをしている。皆が頷いた。


未来達は扉を開けると一気にマンションの廊下に躍り出た。ガレッシュ様とナッシュ様で、ぼんくらのボディガードと思しき男達を一撃で沈めている。6人いたが一瞬で無力化していた。


未来はオロオロしているぼんくらにグーパンチをお見舞いすると、そのまま倒れて恐らく失神していると思われるぼんくらモヤシを、ヒールで何度も踏みつけていた…。


「コノヤローふざけんなっ!ストーカーめ!このっ!このっ!」


因みに…まだ対魔人用の障壁はされたままである。傍目から見たら何もない空間で一人で転んで気を失っているように見えているはずだ…。幸いにも誰も廊下に出て来て、この珍現象を見ている人はいない。


未来は散々ぼんくらモヤシを踏みつけて気が済んだのか…室内に戻って来た。


ナッシュ様達も戻って来た。また施錠をしっかりとした。


ジューイは室内をグルリと見渡すとお風呂場に行った。皆も後に続いた。そして浴室に入ると浴槽の蓋を持ち上げた。


「きゃあああ…っ!」


叫び声を上げた…ナッちゃんが居たーーー!これが、なっちゃん?!


ジューイがなっちゃんを抱き上げた。


「大丈夫だっ大丈夫っ俺を見ろ!ごめんな?来るのが遅くなって、もう大丈夫だから」


最初、恐怖でジタバタしていたなっちゃんは魔術障壁の中に入ったことで、私達が居ることに気が付いたみたいだった。


涙を流しながら茫然としてこちらを見ているなっちゃんは、栗色の髪に青みがかった大きな目の陶器のような肌を持つそれはそれはとてつもない美女だった…!


「ハリウッドーーー!」


「本物だ!」


私と未来が興奮して叫んだことでなっちゃんはビクンとしながらも、やっと状況を理解し始めたみたい。ノリが急いでなっちゃんの側に近寄った。


「なっちゃん、怪我は無い?大丈夫?」


「ノ…ノ…ノリさぁんん…。ぅわぁぁ…」


なっちゃんはジューイに抱きかかえられたまま号泣を始めた。男性陣に室内では靴を脱げ!と未来が指示をして、皆で号泣するなっちゃんを見守った。


「ごめんな~ナツキ怖かったろ?良く頑張ったな~」


ジューイの腕の中でなっちゃんは泣きながら何度も頷いている。ノリが背中を摩りながら


「転移魔法陣でジューイさんをなっちゃんの所へ送ろうと魔力を使ってたら、皆で一緒について来てしまったみたいなの…うふふ、大勢で押しかけてゴメンね」


と、優しく話しかけている。やがてなっちゃんは落ち着いてきたのか…服の袖口で涙を拭いてから私達を見た。ジューイが腕を離すと、居住まいを正して部屋の絨毯の上で正座をした。私達も向き合う。


「葵さん、未来さん、ナッシュルアン皇太子殿下、ガレッシュルアン皇子殿下、ミーツ副騎士団長、改めまして…ナツキ=サガミと申します。危ない所を助けて頂いてありがとうございました」


礼儀正しい…お辞儀をするハリウッド女優!なっちゃんは慌てて照明のリモコンで室内の明かりを点けた。当たり前だが私達は驚かないがナッシュ様達は「わあっ…」と叫んでいた。只の明かりです…。


「眩しい?!光魔法か?」


「違うよ~明かり。これがデンキだよ」


ガレッシュ様に説明をする未来をなっちゃんは嬉しそうに見詰めている。照明の光の下で見てもハリウッド女優ナツキの美しさは輝いている。


「なんだか、夢みたいです。写真では拝見していましたけど、動いてお話されている皆様にお会い出来るなんて…本当に感動です。あ…實川社長にお知らせします?」


あ……あのおば様達のフィーバー(仮)にリアルで付き合わなきゃならんの?


「俺、未来のご両親に会ってみたいよ~」


おいっ呑気だな…ガレッシュよ。あんたも邦子(未来母)に姫抱っことか騎士の礼のポーズとかやらされるんだよ?分かってんのか?


まあ…いいか。私がやらされる訳じゃないし…実害は男共だけだ…。


「いいよ~呼んでみて」


と私は軽い気持ちでなっちゃんに言った。


言ってしまった…。すぐに後悔することも知らないで…。


なっちゃんは實川のおじさまと未来のお父様にメッセージを送った。


「ご飯時ですし、お返事はすぐじゃないかもですね。あれ…?」


なっちゃんのスマホから着信をつげるメロディーが流れた。当然、ナッシュ様達はざわついた。


「な、何だ?この音…」


「どこからだ…」


「只の呼び出し音よ、あのなっちゃんの持ってる小さなアレから聞こえてるの。念話の異世界仕様のようなものよ」


と私が説明するとナッシュ様とガレッシュ様が、へぇ~!と感嘆の声を上げた。


「魔力で動いている訳じゃないのだろう?念話は魔力量が少ないと受けれないし、感じ取れないんだよ」


ガレッシュ様の説明に今度はこちらがへぇ~と言う番だった。なっちゃんは急いで画面を見ている。


「社長からだわ…はい、相模です。はい、はい、今私の目の前にいらっしゃいます。代わります…葵さん、實川社長です」


なっちゃんからスマホを受け取る。情けないけど手が震えてしまった。


「おじ様、葵です」


『葵ちゃんっ?本当に葵ちゃんなんだね?ああ、ああ…良かった。本当に良かった…。今私は仕事中でね、美園に連絡しておいたからね。皆さんとこっちに来ているってどなたと一緒なんだい』


おじ様の声…懐かしい。涙が零れてまともに離せない。するとノリが電話を代わってくれた。


「お父様、実莉です。うん私も一緒。ええ、そうよ、ナッシュ殿下とガレッシュ殿下、未来さんとジューイさん、ミーツさんも一緒…うん、うん勿論よ。ええ…はい。あら?切れちゃったわ…」


ノリはなっちゃんにスマホを渡そうとした。するとまた呼び出し音が流れる。ノリは画面を見た。


「あら…未来さんのお父様ね…」


なっちゃんは慌てて電話に出た。


えっとね…この後親から兄弟まであの集合写真に写っていたメンバーから次々電話がかかってその度に電話に出て…話して正直疲れたわ。


最終的に美園おば様が今から行くから、その場で待機!と言いつけてきたので大人しく皆で待つことにした。しばらく、異世界の話やぼんくらモヤシの話をしていたらなっちゃんがあっと言って声を上げた。


「あ、私ってば忘れてて…皆様何か飲まれますか?」


すると未来がガバッと立ち上がった。


「なっちゃん珈琲ある?飲みたい!」


と立ち上がりかけた時にパトカーのサイレンが聞こえた。も、もしや…さっきの騒ぎ…誰か通報したのかな…。


「な、何の音だ…こっちに近づいて来るな?」


「敵襲でしょうか?」


おいおいっミーツさん物騒な発言だよ…まあ見つかったらヤバいのは確かだ。


「誰かが先ほどの騒動を警察…警邏に通報したのでしょう?ジューイさんが気にしてたお巡りさんが来ますよ~」


と、未来がニヤニヤしながらジューイを見た。ジューイは顔を赤くしながら未来を睨んでいる。


暫くすると、複数人の足音と共に結構な金切り声が聞こえた。この声は…。美園ママだ!


「まあぁ!この男っうちの娘にストーキングしていた男ですわっ!この男のせいでうちの娘は病んでしまってぇぇ…今度は娘の友達にまでストーキングなんてぇぇ…」


「ナツキ、未来とノリの母上にモヤシに押しかけて来られたとだけ伝えておいで、いいね。私達の姿は魔法で他者には見えないようにしているから。心配しなくてもいい」


ナッシュ様に言われてなっちゃんは真剣な顔で頷くと一同に頷いてみせてから玄関口に歩み寄った。周りから見えないことをいいことに、皆後からくっ付いて行って一緒に外へ出た。


おお、お巡りさん(警官)二名と美園ママと邦子(未来ママ)のマダム二人がいる。


「おば様達…」


なっちゃんが静かに扉を開けると美園ママと邦子が二人してなっちゃんに抱き付いた。


「なっちゃん!大丈夫?」


「怖かったよね~もう大丈夫よ!パパも一緒に来てるからこの馬鹿は処理してくれるからね!」


邦子はそう言いながらなっちゃんの背中を撫でている。パパ…片倉芳蔵氏のことだろうか、芳蔵はどこに行った?


「あ、父が来ましたよ。外でもう一人の警官と話していたのかな?」


未来がそう言ったので見ると、芳蔵(未来父)ともう一人の警官が急ぎ足でエレベーターから降りて来るのが見えた。芳蔵氏、生で見ると一層厳ついね…。その筋の親分に見える…。あれ、おおー!後ろに未来の弟、賢吾君もいる~!爽やかで格好いいね!


「那姫ちゃん大丈夫かい?皆、ご苦労」


警官全員が芳蔵に向かって敬礼をした。芳蔵の指示の元、ボディガードとぼんくらモヤシは連れて行かれた。


ぼんくらモヤシは最後まで悪態をついていた。


「ふざけるなっ僕を誰だと思ってるんだ!奏雅の鷹宮学だぞっ!」


自分から身バレをして捨て身のギャグかな?私がスマホ持ってたら、奏雅のストーカーがまたストーカーで逮捕。とか、呟いて写メ撮ってSNSにあげてやるところだわ。


と、思ってたらお隣の部屋から女性が出て来て、スマホをぼんくらモヤシに向けて回しながらなっちゃんに向かって「通報したからね!」と言いながら笑っていた。なっちゃんも笑顔で返している。


「よくもうちの実莉に!」


美園ママはまだ叫んでいる鷹宮学の前に立つと、突然持っていたハンドバッグで殴った。すると邦子が加勢とばかりに、ぼんくらモヤシのふくらはぎ辺りを蹴り上げた。嘘だろ…?


「この変質者めっ!」


邦子がドカッともう一回蹴った所で「おっ奥様達やめて下さいっ…」とマダム二人は警察官達に取り押さえられていた…。怖えぇぇ…。


ナッシュ様やガレッシュ様がチラチラと私と未来を見ている。言いたいことは分かっているよ。異世界人全員がこういうタイプだとは思わないで欲しい。なっちゃんやノリのように慎ましやかな大和撫子も中にはいるのだから…。


「邦子ぉ…やると思ったよ…」


未来は頭を抱えている。いや、未来さんは鷹宮学を足で踏みつけてなかったっけ?流石、親子だね…。


ひと騒ぎの後…


ガレッシュ様は障壁を解いた…が、私は慌てて消音魔法だけは部屋全体にかけた。未来も重ね掛けしてくれている。ナッシュ様が不思議そうな顔でこちらを見たけど理由はすぐに分かるさ。


「きゃあああああ!」


「素敵ーーー!」


思った以上の雄たけびに、お腹の子もびっくりしたのかビクンと体を動かした。


美園ママと邦子は自分達に一番近い所にたまたま居たガレッシュ様に突撃した。私は未来に庇われるように大型冷蔵庫の横に移動した。なっちゃんはもうすでに冷蔵庫の横に避難している。素早い…。なっちゃんはニッコリ微笑んでいる。


「私二回目ですから、慣れてます!」


「賢吾賢吾!早くっ写真よ!」


「やだっガレッシュ殿下素敵ですわ!はっミ……ミーツさぁん!」


ああ、男達の少し後ろに潜んでいた?ミーツさんが美園ママに見つかってしまった~!美園ママが動いたと同時にジューイが素早く私達の隣に来た。ザック君は窓際のベッドの隅に逃げている。こちらも素早い。


「やっぱ強烈だな…」


ジューイの言葉は実感が籠ってますね…。


皇子殿下兄弟とミーツ兄さんは邦子と美園ママに散々抱き付かれ、賢吾君に写真を撮られ、案の定…騎士の礼をさせられ、挙句に連絡してあったのか実奈美、由梨、佐代里のお姉様達が合流してしまった後も同じことをまたさせられていた…。ほら見ろよ~こうなると思ったんだよ~。


散々撮影会をさせられて、ガレッシュ様は義息子枠で片倉家にお泊りすることになった。ミーツさんは当然義息子枠で實川家である。私とザック君とナッシュ様も實川家にお邪魔することになった。


「じゃあな~」


なっちゃんの隣で手を振ったジューイにナッシュ様は怪訝な顔をした。


「ジューイは私達と一緒に来い」


「何でぇ?!」


「当然でしょう?前から気になっていたけど、なっちゃんと二人きりなんて…許しませんよ!」


私がそう言うとジューイはパクパク口を開けて何かを言い掛けたのですかさず、ヨジゲンポッケからメモ紙を取り出して朗読した。


「俺は女には困ってないんだ!そんな見たこともねえ女なんか来たって知るもんかっ!…女性に不自由していないなら別に異世界でも困ってないでしょ?なっちゃんから離れなさい」


ジューイがものすごい目で睨みながら渋々私達の傍に来た。なっちゃんは困ったように、少し眉毛を下げている。すると、ジューイがまたなっちゃんの側に戻った。


「やっぱ俺、ナツキの側にいる…アオイに蹴られようとも…今はナツキは心細いはずだから…」


おや…?ジューイ…一言余計だけど良い事言うわね…。


「確かに、葵ちゃんの心配の通り、未婚の男女が一つ屋根の下に居るのが気になるのは理解します。だったら、ジューイさんもなっちゃんも家に泊まれば問題ないわね!はい、解決!」


美園ママの提案で無事解決しましたね。


ジューイ、あんた命拾いしたよ。このまま言い続けてたら未来に顔が変形するほどぶん殴られてたからさ…。



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