異界の乙女のお披露目会
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「はい、不備発見っ!ここの試算間違っている!それと、参照指示の資料が見当たらないっ!次っ」
はいっ!と未処理再精査の箱に書類を放り込む。コロンド君は怯えたように私に書類を渡す。私は渡された書類に素早く目を通す。うん、問題なし。
「これ、決済は第一部隊のところだから持って行って、それと第二部隊のバーバンさんに、別の仕出し屋がうちも参入させてくれって嘆願に朝から押しかけて来たから、仕出し屋に見本の弁当を作って持って来いって言っておいたから…って言伝しておいて」
「りょ…了解です…」
そう言ってバーバンさんに渡す手書きのメモもコロンド君に押し付ける。なんと日本語で書いた文字がこちらの字に瞬時に変わるのだ、すごい魔法?神力?よく分からん。それよりも忙しい…
「あ、あの、アオイ様…第一部隊の副官が魔獣討伐の際に利用する宿屋が、宿泊料を値上げすると言ってきたのでどうにかしてほしいと…」
声を掛けてきたのは第一部隊の将軍閣下の補佐の青年だ。気弱そう…
「宿泊料の値上げに明確な理由、食材の価格の高騰、もしくは近くに同規模の宿泊施設が新規で出来ていないか…え~と討伐地の領主はどなたかしら?その領主に、最近の農産物の価格は安定しているか…後、悪質な商家が進出して来てないか調べるようにお願いして下さい。調べて一度私に見せて下さい。気になるようなら領主の方に、現地調査にお伺いしても構いませんか?とお伝え下さい」
一気に捲し立てると、何度も頷きながら補佐の青年は帰って行った。
「おい…朝からなんでそんなに…こう…迫力があるんだ?」
ジューイの顔を見る。つい目に力が入ってしまう。
「なんで俺を睨むんだよ…」
「…失礼」
朝からナッシュ様とフロックスさんは朝議があるとかで不在である。ジューイが副官だからついて行くものだとばかり思っていたが、どうやら未来の宰相様はフロックスさんらしい。まあ一番怖そうだもんね。
「あの馬鹿となにか…あったのか?」
馬鹿…皇子殿下にこうまで言い切るなんてジューイはすごいね。やっぱり伝家の宝刀係はジューイかな?今、コロンド君はお使いでいない…よし。
「昨日、ナッシュ様とお酒を飲んでいて、気が付いたらナッシュ様の寝台の中だった」
「っおい!!」
「続きがあります、落ち着いて。で…とりあえず確認したけどそういう行為はなかったと思う。でも…」
一旦言葉を切る。伝家の宝刀係に切ってもらう…つもりはないけど腹立つから言いつけたいっ!
「寝ている私の裸を見たらしいわ、あの変態…」
ジューイがフロックスさんばりの殺し屋さんのような目をしている。
「あっんの馬鹿がっ…」
「もう別にいいのよ…この年になって見られて恥ずかしいのは心の中くらいなものだし…」
ジューイは大きく息を吐いた。
「あいつは子供ん時から魔力がすごくてな…大抵の人間を魔力酔いにさせちまう。それでまともに女性との接し方を知らないままで大人になっちまった。すまん…」
ちょっと私から切り込んでみた。かわされるならそれはそれでいいと思いながら…
「ナッシュ様のご両親、皇帝陛下と皇妃様も魔力酔いをされるの?」
ジューイは数秒思案したが話を続けてくれた。かわさないでくれた。
「皇帝陛下は大丈夫だ、本人も高魔力保持者だし。ちなみに今、第三部隊にいるのは全員高魔力保持者だ。…で、皇妃様っていうと低い方だな。だから腹の中にアイツ居る時もずっと悪阻状態だったらしい」
一年間も吐き気とか…そ、それは皇妃様、御気の毒に…
「しかしなぁ…皇妃様は、なんかナッシュに当たりがきつくてな…従兄弟の俺から見ても許せんくらいだ…」
あれ?今なんか気になるワードがあったけど…従兄弟?
「ジューイってナッシュ様のイトコなの?」
「んぁ?言ってなかったっけ?皇帝陛下の妹が俺の母親…ってやばっ!母上で思い出したわ…乙女のお披露目会、アオイも出るんだろう?」
「あ、はい。そう言われてますけど」
「ニルビアさんじゃ準備が難しいだろうからって…うちの母上達が屋敷で支度して上げるから来いだってっ…え~と昼前には迎えを寄越すから…だそうだ」
ジューイは懐からメモを出すと読み上げた。ジューイのお母様で、しかも皇帝陛下の妹!そう言われてみれば…ナッシュ様とジューイの二人の気安さと確かに二人並ぶとどこか似ている!
「自分の親のことで言うのも変だが、姦しいけどいい人だぜ~うちの親。妹も兄貴も付いて行ってくれるし、うちの家の連中に守られてりゃ怖いもんはねぇな」
ジューイ基準だけど良い家族さん達な気がするな…
チラリと置時計を見た。11刻前…お昼前に仕事片付けておかなくちゃ~書類を捲って確認していく。よしっ不備なし。と決済精査済みの箱に書類を入れた時に…
「お兄様っ!迎えに来たわよ!」
ババンッと扉が開いて、アッシュグリーンの髪に菫色の瞳、誰がどう見てもジューイとナッシュ様の血族だと思われる派手めの美女が立っていた。
「リリアンジェ、静かにしろ」
「ジュー兄様、御機嫌よう!噂のアオイ様ってどち……ら?」
ぐるりと辺りを見回して、美女…リリアンジェ様が私を見た瞬間小さく悲鳴を上げた。
「や…やだーっ!お兄様こちらの方どなた?あなたっ新しく配属された方よね?お名前はっ?」
この既視感あるやり取り…思い当る節がある。すでにジューイが吹き出す寸前の顔をしている。
「ぉ…お?リリアンジェ来てたのか?」
そこへ朝議を終えたナッシュ様とフロックスさんが戻ってきた。リリアンジェ様がナッシュ様を顧みた。
「ナッシュ兄様!私、今日のエスコートはこの方にして頂きたいです!」
リリアンジェ様は私をビシッと指差してそう宣言した。いや…女の子同士腕組んで入って行くのも斬新で面白いかもね……ははは。
「ご、ごめんなさいませ…」
男性陣、皆に大笑いされてリリアンジェ様は真っ赤になって項垂れている。
「いえいえ宜しいのですよ?昨日もメイドの女の子に間違われましたしね、はは」
自分で言って自分でダメージ受けてるよ、私っ。
とりあえずお昼前になりますので…そろそろ…とリリアンジェ様を促した。
こうやってジューイ、ナッシュ様、リリアンジェ様と並んでいると三人ご兄弟みたいだね。俄然ジューイのお兄様が気になります。間違いなく美形の美丈夫だしね。
ジューイはお披露目会は参加しないそう。呼ばれてもないのに何故行かなきゃならん!と鼻息は荒かった。
お迎えの馬車の中ではリリアンジェ様から異世界についての質問攻めだった。特に美容やお洒落に関する質問が多かったが、フフフ…私は専門家だぞっ流れるような受け答えでリリアンジェ様を大興奮の坩堝にお連れした。
ジューイのご実家、ドアンガーデ家でお母様、お父様、お兄様が総出でお待ちしてくれていた。
やっぱり!と言ってはなんだがジューイ兄、レデュラートお兄様はジューイからマッチョ部分をひいた感じの美丈夫様だった、素敵だよっお兄様っ!
ちなみにお兄様の奥様は只今妊娠中で動けないので「座ったままでごめんなさいね~」の絶賛悪阻中だった。お腹の子はかなりの高魔力保持者らしい。
「悪阻は辛いけど…疲れたなぁ~と思うとお腹の中から回復魔法かけてくれるのよ!優しい子でちゅね~」
とお姉様は笑っている。
すごいねっお腹の子!ちなみにさっきからナッシュ様に纏わりついているのがご長男のディラード君8才だ。やだ、皇子殿下に跳び蹴りとかしてない?
そして「アオイ様素敵っ!」と出会った途端、抱き付いてこられたのがそんなご兄弟の母上、カッシュブランカ=ドアンガーデ様だ。ブルーブラックの髪に菫色の瞳、ぶっちゃけ実子よりナッシュ様に瓜二つだ。
「こんな素敵な方を何故もっと早くこちらにお連れしないのですかっ!聞いてますかナッシュッ!」
確かに姦しいでもお可愛らしい。私、こんなマダムも大好きですよ。
「立て込んでおりまして、ご挨拶遅れまして失礼致しました。アオイ=タカミヤと申します。ナッシュルアン皇子殿下の政務補佐の任を拝しております。本日は格別なるご配慮頂きましてありがとうございます。短い時間ではありますが、ドアンガーデ公爵夫人とご一緒出来るお時間をとても楽しみにしておりました。どうぞ宜しくお願い致します」
私が淑女の礼でご挨拶すると、カッシュブランカ夫人はワナワナと震え…何故かナッシュ様の手や肩を扇子で叩いた。
「イッ…イタッ!なんですか!?叔母上」
叩かれるナッシュ様が面白いのかディラード君が更に跳び蹴りをし掛けて来る。流石にレデュラートお兄様が怒っている…カオス…
「騒がしくてすまないね…」
お父様、ジュリード=ドアンガーデ様が渋いオジサマスマイルで私に笑いかけた。…これは…っ!私は枯れ専ではないはずだがなかなか…心ときめくね!
それから若いメイド達に取り囲まれるようにして客室に連れていかれ、湯殿で徹底的に体を洗われた。皮膚が一皮剥けそうだった…
「お肌がプルプルですわ!いいわぁ~」
「見て!この体っ出てるところは出ていて女性の憧れですわよ~」
「きゃあ!この爪どうなってますの!?」
「あ…それは異世界の美容法でつけ爪とネイルアートといって爪に絵をかく技法なのよ」
私の爪に若いメイドが群がる。そりゃ私は会社の広告塔だったもの…体は商品さ、抜かりはない。
ネイルアートが世の中に無いのなら商売始めてみようかな…とかつらつらと考えて、色々体を弄られている時間を潰す。
雑誌とか読みたい感じだ…ヘアーサロンに来ている気分だ。この苦しいコルセットさえなければ…
「ぐえっ…」
コルセットは締めたことはある。中世ヨーロッパをイメージした企画舞踏会とかで、それらしい衣装で来てくれ…と言われてね。しかし本場?のコルセットは違いますね…すごい締まる…ぐぐぐ。
「よしっドレスは完成ですわ!」
メイド達の歓声が上がる。それからメイクと髪をセットしてくれる。支度中にミニケーキとサンドウィッチを頂く。あ、このパストラミかな?ハム美味しいね!
数時間かかった御仕度がやっと終わったよぉ…これで終わりではなく、ここから本番だけどすでにグッタリしている。鏡の中にはちょっと攻撃的なメイクに戻った私が居る。よーーしぃ舞台に立ちますかぁ!
男性陣は玄関ホールで既に待機していた。
「お待たせ致しました」
私は階段を優雅に降り、微笑みながら登場した。
「アッ…アオイッアオイ!素晴らしいよっ」
しまった…また変態の興奮を煽ってしまったようだ。ナッシュ様がにじり寄ってくる。しかしにじり寄ろうとしたナッシュ様はリリアンジェ様とカッシュブランカ様に弾き飛ばされた!文字通り飛ばされた!床に転がる皇子殿下っ!立てるかっ!?…皇子殿下ダウンッダウーンッ!……しまった格闘技の中継のようになってしまった。
「素敵ねーーー!ナッシュ兄様ってアオイに似合う物を選ぶ美的感覚だけはありますわ!」
「本当ねぇ!審美眼だけは私に似て持ってるみたいね!」
ああすごい…ある意味、自社の社長より圧力のあるお局様達を見ているようだ…
「お母様見てー!?アオイの爪先素敵よっ!」
「んまぁああ!?花が爪に描かれているのねっ!」
元気だなぁ……
お局…じゃなかった、カッシュブランカ様達に連れ出されるように馬車に押し込まれる。男性陣は別の馬車だ。またも馬車内で異世界のお洒落の話で盛り上がる。さあ、お城に近づいてきたよ~今日は城壁がライトアップされてるみたいね、魔法かな?
馬車を降りるとナッシュ様がスッと横に来た。
「お手をどうぞ」
変態だけど、ワイルド美形には違いない。私は優雅に微笑み返してナッシュ様の差し出した腕を取った。
リリアンジェ様はレデュラートお兄様にエスコートされている。
そういえば、リリアンジェ様はご結婚はどうされてるのかしら?イヤ…余り詮索するのはいけないよね。おひとり様にはおひとり様の矜恃があるのだ。
「アオイ…本当に綺麗だ」
どうしたんだ…さっきお母様達に吹っ飛ばされた時に、頭でも打ったのか?いつもハァハァ言わずにこれぐらいの感じで接してくれたらいいのに。ナッシュ様は過剰に触ることもなく紳士的にエスコートして行く。
お披露目会場はたくさんの人で溢れていた。私達が入った瞬間、一斉に目が向けられた。これは…ミュージカル女優の本領発揮する時だなっ!と判断し、お姫様を演じながらナッシュ様の横に立ち続けた。
「アオイ、あなたの立ち姿は素晴らしいわね」
静かに私の横に来られたカッシュブランカ様が、扇子で口許を隠しながらそう仰った。思わず苦笑が漏れる。
「私が生まれた家は非常に厳しかったので…慣れました、慣れなくてはいけなかったので致し方なくです。ですが…今、お褒め頂ける姿を見せることが出来ているのならば、無駄ではなかったのですね。嬉しいです」
カッシュブランカ様が背中をソッと摩ってくれる。お顔を見れば慈愛の籠った目で微笑まれている。眩しいけど、美しい…
「異界の乙女が入られます」
私は気を引き締めた。沢田美憂……そうだ、彼女はこんな晩餐会なんて初めてではないだろうか?大丈夫かな?皆の視線が王座に注がれる。入って来た…私はその時、思い出した。
沢田美憂は「舞台女優」だった。
そうだ…会社でも完璧に女優を演じていたではないかっ…おそらく緊張で手足は強張りまくりだろう。でも動きはスムーズで隙がない。こちらの世界に来て3日…とても社交マナーを覚える時間などなかっただろう。付け焼き刃だろうとは思う。確かに少しぎこちないが…立派だ。皇帝陛下が宣言をして会がスタートした。沢田美憂は非常に可愛らしかった。まさに異界の乙女に相応しい、初々しさを出していた。
「あの子が異界の乙女ね…」
「まあ…顔は可愛らしいけど…魔力が濁っているわ。あまり清廉な心根の方ではないようよ」
リリアンジェ様とカッシュブランカ様の言葉に、そうか…と思い当たる。この世界は魔力がある。おまけに魔力が視える人がいる。女優の演技で欺けないのだ。
「どうした…疲れたか?」
フッと腰に手が当てられた、横でナッシュ様が少し顔を寄せてきた。今日は変態臭は感じない。少し笑いながら頷いた。
「大丈夫です」
そう…今、私はひとりではない。不本意だが…へんt……ナッシュ様が居る。
私達が呼ばれた…挨拶に向かう。いるいる…リディックルアン皇子殿下と沢田美憂の横に立つ女性…彼女が皇妃様なのだろう。若い…二人の皇子の母親とは思えないほど童顔?というのか少女みたいな感じの方だ。
「父上、母上ご無沙汰しております。本日はご挨拶を兼ねてお伺いしました」
「よいよい、堅苦しい挨拶はよい。おおっそなたが異界の乙女と一緒に来られた方か!」
近くで見るとますますナッシュ様にそっくりの、ものすっごいイケオジ様だっ!今日はイケオジの祭りかいっ!?祭り会場は王城のここだね!枯れ専ではない私でもぐらつくほどのおじ様皇帝様ですっ。
私は皇帝陛下の前で淑女の礼をとった。
「異界より参りましたアオイ=タカミヤと申します。本日は陛下にまみえて恐悦至極でございます」
皇帝陛下がゆるりとナッシュ様と私の前に来られた。
「よいよい!頭を上げられよ~これはこれはナッシュとお似合いの二人で素晴らしいではないかっ!なぁクリッシュナ?」
と…皇帝陛下は皇妃、クリッシュナ様?を顧みた。クリッシュナ様はと見れば…あらら?これは?なんともジットリした目でナッシュ様を見た後
「そうですか?私にはよく分かりませんわ…」
と、まさによく分からない返事を返してきた。
こりゃアカン…イヤ何がって、異世界で王族と呼ばれる方やアッパークラスの方々と会ってきた私の目から見ても、上に立つ者のする仕草じゃないことは明白だ。思わず横目でナッシュ様を見る。
む…無表情だ。
ナッシュ様が5才でこの人を見限った気持ちが分かったよ…子供でも呆れるレベルだね。
そして私は沢田美憂に目を向けた。そして…ああ、と非常に残念な気分になった。
この期に及んで沢田美憂は私をこれでもかっ!!とマウンティングしてきていたのだった…
なんだその眼は…もはや会社で会った時のように隠したりしないらしい。そして口角を上げながらこう言った。
「クリッシュナ様、気になさる必要はありませんよ。私だって何故彼女が呼ばれてもないのにこの会に来て…しかも勝手に異世界に、しかも私に付いて来たのか分からないんですもの」
カッ…と体が熱くなった。一瞬、体が強張ったが強張った瞬間…隣のナッシュ様から魔力を感じた。他人の魔力ってこういう風に感じるんだ。ブワッと魔力で体が押し上げられそうだ。
「ナッシュッ!」
ナッシュ様の後ろからレデュラートお兄様の短い叱責が聞こえた。すると、ハッと身じろいだナッシュ様から魔力が霧散して行く。私は空いている方の左手でナッシュ様の腕を摩った。トントンと軽く叩く。
「大丈夫ですよ」
ナッシュ様は驚いたようにこちらを見て、少し微笑んでくれた。大丈夫よ?私は女優だからね!
それに少し分かりかけたことがある。沢田美憂はこちらを怪訝な目で見ている。彼女は魔力を感じないのだ、見えないのだという事を…だってこの会場に居る人達が、先ほどのナッシュ様の魔力にあてられて倒れている人続出、だからだ。隣の皇妃様も座り込んでしまったし…私も、この私ですらも眩暈がしている。これが魔力酔いか…これはきついね。
「みんな、どうしたの?」
と呑気に聞いてくる沢田美憂に、私は聞き返した。
「何って魔力酔いよ…ナッシュ様がちょっと…すごい魔力を放出しちゃったのよ…」
「す、すまん…アオイお前もやられたか?」
「今回は流石にね…」
沢田美憂がますますキョトンとした顔をした。
「え?魔力…私、異世界人だから魔力ないわよ?鷹宮さんも…そうよね?」
ど、ど、どどういうことよ?私…普通にありますけど?