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土の中から埋蔵金?

激しい誤字間違いが多々あり、一人誤字祭り状態の浦です。

いつも心優しき皆様においっしっかりしろ!と誤字報告頂きまして

誠に誠に感謝しております。毎度すみません^^;


何を言っているのかなぁ~この皇子様はぁ!?


頬を上気させ満島ちゃん(幻術)の胸辺りをサワサワと触りながら…この変態兄弟の片割れはこちらを振り返った。隣のナッシュ様を見ると眉間に皺を寄せて考え込んでいる。


「う~ん、ガレッシュの魔力量も十分だし、召喚自体は可能だとは思う。ただ…前例が無い」


「前例?」


私がそう聞くとナッシュ様が頷いた。


「特定の人物を召喚…つまり異界から招くという方法を試したことはないはずだ。アオイの召喚も『異界の乙女』という誰かを招くという形で施した術だしな」


なるほど、すでに確定というかこの人!という分かっている相手をこちらに招くという意味ね。


「でもね、盛り上がっている所悪いけど…満島ちゃんはあげないわよっ!」


「な、何を…っ」


ガレッシュ様が満島ちゃん(幻術)を抱き寄せようとしてが体がすり抜けてしまい、よろめいていた。


「満島ちゃんはお婆様、咲子さんとお二人暮らしなのっ!満島ちゃんをこちらに呼んじゃったら、咲子さん一人ぼっちになっちゃうじゃない。ご高齢のご婦人を孫と引き離すって言うの?私は反対よっ」


「まあ待てよ…以前、アオイは図書館で異界の乙女に関する伝承記を読んだ、と言っていたな?あれになんと書いてあったのだ?」


急に核心を突いてきましたね?ナッシュルアン皇太子殿下。正直に言っちゃおうか、まあどうせ満島ちゃんは呼べないだろうし、あの子も来ないだろうし…


「コホン…乙女の召喚に関してですが、色々と条件が合わさる必要がある…と書かれてありました」


「条件?」


ガレッシュ様に頷いて見せてから、ミュージカル女優のミス○○○ンのように立ち上がり歌った!と言う訳ではなく…語った。


「こちら…つまり召喚する側の望む乙女と合致する女性が異世界に存在するとしても、双方の同意が必要になるのではないか…と伝承記には記されていました。つまり向こう、異世界の満島ちゃんがこちらに来たい!と思うとか…異世界を離れることに何の未練も無いなどの…条件が重ならない限りは召喚は成功しない…と書かれていました。現に一度召喚に成功した後、何度か別の術士で召喚を試みてみたと記載がありました」


「どうなったのだ?」


ナッシュ様にも頷いて見せて、レ・ミ○○○○が如く夢破れて…を歌いあげるように語った。


「3度召喚して、2度は何も召喚出来ず1度は乙女を召喚しましたが、乙女本人の希望により乙女の責務は放棄して召喚した術士と夫婦として、ひっそりと暮らしたとあります。つまり…満島ちゃんが行かねぇよ!と思っていたらガレッシュ様がどんなに望んでも呼べないと言う訳ですね」


私がそう言うと、ガレッシュ様は肩を落としてしょんぼりとした。だって事実だもの、曲げられないわよ?


「と、取り敢えず魔術師団のホーガンスに聞きに行こうか?」


とのナッシュ様の提案に従い、3人で魔術師団の詰所に行ったら副師団長のペッテルッカさんに怪訝な顔をされてしまった。


「ホーガンス師団長ですか?今日は婚姻式に出席した後、帰られましたけど?今はナッシュ殿下の婚姻とガレッシュ殿下の御披露目の祝賀期間で…緊急性のある業務以外は停止ということですが?当事者のご本人達が何を言ってるのですか?殿下方お暇なんですか?お暇なんでしたら、コレ、魔力を籠めるの手伝って下さいね」


おおぅ…この魔術師団における、フロックスさん的な方…もといヒエラルキーのトップはこの副師団長のペッテルッカさんなのだな…と今、判断致しました。


ペッテルッカさんは籐籠にいっぱい詰まった魔石を持って来て、ナッシュ様にドカッと手渡した。あまりに重いのかナッシュ様がよろめいたので、ガレッシュ様も一緒に支えている。


「はいコレ。殿下方がいると楽ですね~魔石の魔力補充が(はかど)って(はかど)って~あ、そうですアオイ様」


「はいっ何で御座いましょう!?」


流れるように名指しされたので、つい言葉使いがおかしくなる。


「フロックス大尉から調査の終わった魔石を、アオイ様にお譲りするとの事をお聞きしていましたが、今お渡ししましょうか?」


あ、あれね!ガンドレアの地中に埋められてた魔石ね。


「はい、お願いします!」


ペッテルッカさんは大ぶりな西瓜ぐらいありそうな布に包まれた物体を持って来て、私が座っているソファの前のテーブルにドンッと置いた。因みに隣では皇子殿下2人が、せっせと魔石に魔力を籠めている。


「これです。重いので殿下に持って帰って貰ったほうがいいですよ」


すっごく物言いもフロックスさんに似てますね…顔は丸っこくてリスみたいな感じだけど…


「あの…この魔石は売ればどれくらいになります?」


私は魔石の相場価格が分からない為に売る時に買い叩かれてはイカン!と思い専門家に聞いておこうと思った。念の為、念の為~


ペッテルッカさんは、魔石を目を細めて一瞬見詰めた後に呟いた。


「金貨1000枚というところでしょうか…」


「「い、1000枚枚っ!?」」


私とガレッシュ様の声が重なった。


「それぐらいするよぉ~純度の高い魔石だよ?」


お坊ちゃん殿下は黙ってなさいよっ!ちょっとぉ!?この西瓜くらいの大きさの石が金貨1000枚だってぇ!?大体だが日本円で7~9千万円くらいの価値ではないか!?


「俺は自分の魔力で賄えてるし、必要ないから売り場で値札見たこと無かったよ。魔石ってすごく高価なんだね」


本当にね…庶民の味方、ガレッシュ様の言う通りよ。


「これは純度が高いですからね、良く使う物…例えば水洗の水や調理器具などに使っている魔石は粗悪…とまではいきませんが、それほど純度が高くなくても利用できるのですよ」


な~るほどね、しかしこれどうやって使うのだろう?


「この魔石はこのまま使うのですか?」


ペッテルッカさんは少し微笑んだ。魔法や術に関する話題は楽しそうに答えてくれる。


「これはもっと小さな魔石…それこそ小指の先くらいの魔石に加工しても一個で、そこの魔石の50個分の働きをしてくれるくらい純度の高い魔石なのですよ。それを埋めて放置しておくだなんて…恐ろしい」


そうだった…この魔石、土に埋めていたのを掘り起こしてきたんだった。徳○の埋蔵金ばりの大発見よね。


「そう言えばこの魔石が魔素の発生源だったのですよね?発生する術はもう危険は無いのでしょうか?」


するとポワーーッと神気が漂い…シャンシャン…という鈴の音が響いてきた。そして気が付くとエフェルカリードが机の上に立っていた。


「もう魔素の塊は無いわよ!私が祓ったもの!」


「こらっテーブルの上に乗らない!でも魔石の中に何か入れる、え~と魔法陣だったかしら?難しい技術なのよね?」


エフェルカリードを抱き寄せて膝の上に座らせると、ペッテルッカさんを見上げた。ペッテルッカさんはエフェルカリードにうっとりとした目を向けてから(幼児性の…とかではないはず)私達を見た。


「魔石の中に何かの術式が組み込まれていたのは確かです。魔素が発生…となると先日カステカートで発覚しました、転移魔法が組み込まれた魔石の件から察するに、空中の魔力の粒子を吸収する魔法と、蓄積して放出するカステカートのデッケルハイン閣下が編み出した術式を悪用された…ガンドレアのロブロバリント公の件が思い当りますね」


「ロブロバリント公か…やはり生きているのかな」


「恐らくは…」


ナッシュ様とペッテルッカさんは二人共考え込んでいる。するとガレッシュ様が「あ…」と小さく叫んだ。何か思い出した?閃いた?何かしら?皆がガレッシュ様に注目した。


「これの中に術式を描いた魔法陣が組み込めるのだろ?だったらっさっきの幻術魔法の魔法陣入れてっ可愛いレイナの幻術を常に発動出来るよね!」


アホか…このエロエロ変態弟皇子めっ!


「おっそれいいな!常に色っぽい姿が…イタッ!」


賛同しかけたナッシュ様の頭を思いっきり叩いた。旦那だろうが皇太子だろうが知った事かっ!


「そぉんな馬鹿で下品な目的の為にお高い魔石を使うなんて大馬鹿のすることですっ!もっと人の役に立つ回復魔法や治療魔法を入れる方が健全ですっ!」


ナッシュ様、ガレッシュ様、ペッテルッカさん3人がポカンとして私を見ている。な、何よ?


「今、何と言った?」


「え?あの魔石に…回復魔法とか治療魔法を入れる方が有効的でしょう?だって触れば体が元気になるなんて有難いじゃない?そうそう、異世界にね触れば病気が治るってご利益のある石って結構あってね~」


「あ~あるね!後ぉ頭が良くなるとかもあるよね!」


「あ、学問の神様とかね!」


エフェルカリードが思いついて教えてくれたので、嬉しくなって答えているとナッシュ様にガバッと肩を掴まれた。


「それだ!」


「何が?」


「あの魔石に回復魔法を入れておけば…触れば回復する…そうだな?」


「そうだけど?」


ナッシュ様はペッテルッカさんを顧みた。


「今まで魔石の活用法と言ったら攻撃系の魔法にしか着目していなかったが…そうかっ回復系の魔法陣で…魔力さえ籠めていれば常に回復魔法が使える!これは良い!おいっ早速魔石に回復の魔法陣を埋め込むぞ!」


「はいっ殿下!」


口を挟む間もなく…私が頂けるはずだった推定時価9000万円の金塊…もとい魔石はナッシュ様とペッテルッカさんに持ち去られてしまった。


「あ~俺の可愛いレイナがぁ…」


「満島ちゃんはガレッシュ様のものじゃありませんっ!てか、私の9000万円がぁ。ああ、事業失敗して大損失が出た気分よ…」


私とガレッシュ様はしょんぼりした。そうだ、この際だから…


「もう、さ~召喚してみたら?満島ちゃんが来てくれるとは到底思えないけど…伝承記にも召喚失敗した術士がどうこうなったとか、危険なことは書いてなかったし…召喚してみなさいな」


「義姉上…今、大損して自棄になっているね?まあ試してみたいのは勿論だし、召喚してみるよ。本物に会える希望はあるしね」


そうかなぁ~?おばあちゃん子の満島ちゃんが咲子さん残して、こっちに来てくれるとは思わないけど?


大損ショックで気分が落ち込み、更に妊娠による魔力酔いの波がやって来たので、そうそうに離宮に戻り…夕食時まで仮眠を取ることにした。


浮かれた旦那は放置しておこう、どうせ新しい実験を魔術師団で行いウキウキしているに違いないんだから。


夕食前にデッケルハイン一家が帰って来て、出店の戦利品を出してキャッキャッ騒いでいる居間へ私は顔を出した。


「あ、葵っ騒いでごめんね!疲れてた?」


カデちゃんがサッと近寄ってきて、さりげなくお腹を診てくれている。


「大丈夫ですね、あ~あのね〜海鮮チップスと魚の干物を手に入れたのですよ!」


カデちゃんは祭りを満喫出来たようだ。良きかな良きかな~


戦利品の海鮮チップスを頂きながら今日あった事を皆に話していると…あれ?皇子殿下兄弟がジャックスさんとジャレット君と一緒に帰って来た。


「すっかり忘れててさ~明日の凱旋の順路の再確認してきた。全部隊の警邏が巡回に当たるからさ」


お仕事でしたか、どちらのも兄弟もオツカレです。


そして…


幻術魔法で出してみた異界のミューズ、満島ちゃんを皆が見てみたい!と言うので再度ヴェルヘイム様お手製の魔法陣で、満島ちゃんの幻術を映し出して見ることとなった。


「違うっ!こんな服じゃなかった!し、しかも…何?顔に着けてるアレなに?あんなのしてなかった!」


私が幻術で映し出した満島ちゃんはパソコンに向かう瓶底眼鏡の満島ちゃんだった。映し出した途端、ガレッシュ様から激しいクレームがきた。私はガレッシュ様をキッと睨みつけた。


「当たり前でしょう!?子供達もいるのにあんなに刺激の多い満島ちゃんの裸体をさらけ出すなんて出来ませんっ!?」


「ら、裸体だって!?」


「何だと!?」


「ちょ…それ見たい。」


おいおいおいっ!男共よっいい加減にしなっ!?本人?の許可なしにエロイ写真とか見せてるみたいでしょう?


「でも幻術でしょ?本人じゃないからいいじゃない?」


ナッシュ様の呑気な言い方にイラッとしたけれどカデちゃんがまぁまぁ…と取り成してくれた。


「瓶底眼鏡じゃ私もお顔が分かりませんし…その…眼鏡外したお姿見たいですよ~?」


仕方ない…くっ…満島ちゃん…こんな異世界で辱めることを許しておくれ…っ。


「「「おおーーっ!」」」


今度はあの慰安旅行で酔った後、お布団の中にいる満島ちゃんだった…。ん?


し、しまった!?よく見れば寝転んでいる満島ちゃんの浴衣から半乳が見えているではないか!?


「やばい…」


「兄上…」


「こらーーーっ子供は見ちゃいけません!」


慌ててザック君の目を塞いだ。カデちゃんもリュー君の目を塞いでいる。皇子殿下兄弟と共に、ヴェルヘイム様も…ジャックスさんも…ジャレット君も…食い入るようにミューズの半乳を見ているようだ。なんて光景だ。


「レイナ、寝姿も美しい…」


ガレッシュ様のその言葉の後にタイミングよく、満島ちゃんが笑いながらコテンと小首を傾げた。満島ちゃんの巨乳がタプンと揺れる。ものすごい…エロだ。


「いいなぁ~巨乳美人ですね、満島ちゃんてっ」


カデちゃんはと体を見ると、まない…失礼、平たい一族の様だった…うん。


「兄上、やっぱり俺、レイナを召喚したいよ…会いたいよ…」


「うん、ガンバレ…」


ガレッシュ様の呟きにジャックスさんとジャレット君が目の色を変えた。


「なんですそれ?召喚?召喚てあの、お嬢を呼んだ例の術のことですか?」


「召喚魔法!?も、もしかしてこの大きな胸のオネエ…あわわ…来てもらえるんですか!?」


なんだか言い方がイヤらしい気がするわね。


「男の子って…ヤラシイですね」


カデちゃんがGを戸棚の隙間に見つけたみたいな顔をして男達を見回した。激しく同意である。


さて今日はカデちゃんにもお料理を手伝ってもらって、天ぷらにした。


皆ヴェルナ飲んで酔っ払ってていいなぁ…私は果実水で我慢だ。一年も禁酒が続くのか…子供が出来たのは嬉しいけど、これはこれで辛いわぁ。まだ悪阻が来ていないだけマシかな、クスン。


エビのてんぷら美味しい。これもしばらくは食べれないかな。


翌日晴天なり。


昨日に引き続き純白のウエディングドレスを身に纏い、白い薔薇のブーケを持ってオープンカーならぬ、白馬に牽かれた馬車に乗って、城下を颯爽と凱旋して回った。


見よっ!ミュージカル女優の真骨頂だぁ、笑顔の仮面を張り付けたまま見事に凱旋を終えた。噴水の広場での打ち上げ花火(魔法)も上手く稼働していたようで大満足である。


ガレッシュ様のお披露目も同時に行われたが、誰がどう見てもナッシュ様と同じ顔だから疑われることなく、『奇跡!26年間行方不明だった弟殿下発見される!』の演出はバッチリ上手くいったようだった。


「アオイ、疲れてないか?少し座るか?」


ナッシュ様…ありがとね。そう話しながらも腰を支えてくれている我が夫は優しいのだった。お腹の赤ちゃんよ、あなたの父上は情けない所もあるけれど優しい人だから、安心して生まれて来ておくれ。


お腹の魔力がクルンと動いたような気がした。


返事してくれたのかな~?


なんてね。


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