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恐怖の実験

逃げて行ったラブランカ一味(私の中ではすでに悪党と同じ扱いだ)はコスデスタ公国に隣接する国境の町、ブラランデに陣営を置き、三ヶ国同盟軍と睨み合い状態らしい。何度か話し合いを…とこちらから伝令は出してはいるがこれまた(ことごと)く無視されているらしい。


その一方


白塗り一味がいない間に、勝手に…本当に勝手に、ユタカンテ商会がギーダロッテ仮店舗とかをいつの間にやら準備して、カステカート市場のお店の方々と共同出店を出している商魂凄まじいのには感服するばかりである。


白塗り一味と同盟軍が膠着状態の中…


「こちらの伝令に何かしてくれれば動けるのにな…」


と、超絶恐ろしい事をダヴルッティ様が言ったとか言わないとか…あえて深くは追及しなかった。


本日はグローデンデの森付近の討伐を行う予定だ。


午前中にデッケルハイン伯爵邸を出発して、一気にマジーの町まで転移で飛んだ。


「んぎゃあああああ!」


ついた早々、私は絶叫してナッシュ様に飛びついた!目の前にっくっ黒いアレがあああッ!


「出ましたねっ!イモゲレラドアンキー!」


カデちゃんはそう叫ぶとサッとヴェルヘイム様の後ろに隠れた。イモ?Gじゃないの?


「Gと同じ生態で尚且つ数倍デカくてものすごく飛ぶんですよっヤツラ!葵も気を付けて!」


イヤイヤイヤァァ!飛ぶのこれっ?めっちゃでかいよ!?黒くてテラテラ光ってるよっ!めっちゃ数いるしぃ!


「落ち着けアオイ。火で燃やせばすぐ討伐出来る」


ナッシュ様は私の頭にチュッと口づけを落として、サッと左手を前に出した。ブアッと魔力の気配が膨れ上がる。ものすごい熱量の火炎魔法が放たれた。しかも、結界?みたいな水槽…と言えばいいのかの中にビックG達が閉じ込められて炎に巻かれている。


炎に焼かれ踊るG…ヴィジュアルがヤバイ。吐きそう。周りを良く見ればガレッシュ様もルル君までもが炎でGを焼き殺している。Gは勿論、某殺虫剤でならやっつけれるが自分の手で叩け…と言われば無理だ。これも自分の手で叩いている感覚に近い気がする。


「火炎噴射型の殺虫剤ね…」


私がそう呟くとカデちゃんがぎゃっ…と小さく叫んだ。どうしたの?


「けっ決してナッシュルアン皇子殿下が殺虫剤と同等だとは思っておるっ…ませんよぉ!?」


動揺しているの?カミカミだし、どうしてしどろもどろなの?


Gは綺麗に焼き払われた。これも討伐の一環だ。アレは流石に食べれないよね?え?もしかして…ちょっと待って?ガレッシュ様、あなた手に何を持っているの?ソレ…こんがり焼けたGじゃな…い?


「あ~ガレッシュ様!それ僕も食べてみたいです!」


と、ザック君が呑気にとんでもないことを口走った!


「なぁ…何言ってるの!あんな汚いもの口にしちゃいけませんっ!ましてや拾い食いなんて行儀の悪い大人の真似なんてしちゃいけません!」


私がそう言ってザック君に説教をしていると、ガレッシュ様が小声で


「間接的に俺、すごく怒られてる?」


とジャックスさんに聞いている。ええっ!間接でも直接でも言ってあげるわよっ!


「食い意地汚い男の人は、女性から見たら幻滅ですよ!」


男性陣が押し黙った。カデちゃんと二人でサムズアップをする。


「違うよ~アレは魔術師団の研究員から討伐中に見つけた魔獣は各一体持って帰るように言われているんだよ、でも生け捕りって言っていたな…失敗した」


「生け捕りですか?」


私とカデちゃんがナッシュ様に怪訝な顔を向けた。ナッシュ様は頷くとガレッシュ様と笑い合っている。ガレッシュ様が話し出した。


「これは焼いちゃったから無理だけど、え~とガンドレアで魔獣が大量発生している原因を調査する為だって。魔術師団のおじさん達じゃマジーやグローデンデの森近郊は魔人も徘徊しているし危険だしね」


あらやだ…てっきり食べる為に持ってきたのかと思ったわ。素直にガレッシュ様に謝罪した。


「でも、そこらじゅうに落ちてる魔獣を食べるのは不衛生だからダメよ?いい?野生の動植物はどんな病原菌を持っているか分からないでしょ?もし、ザック君が食べたことによって重篤な病気になったら私はとても悲しいわ」


リュー君もザック君もコクコク頷いている。カデちゃんまで大きく頷いている。


さてそれから、魔獣を見つけては生け捕りにし…例によって如くザック君達がキャッキャッと騒ぎ、カデちゃんが怒り…を繰り返してグローデンデの森近くにやって来た所で


「もっ…森の近くに複数人の魔力を感じます!」


と、カデちゃんの声に皆が一斉に森の方へ意識を向けた。確かに、複数人いるけれど…


「マジーの町は立ち入り禁止にしてあるな?」


「はい、そのはずです」


ナッシュ様の問いかけにルル君が答えた。立ち入り禁止区域に侵入者…


「出ます」


ヴェルヘイム様とルル君ジャックスさんが瞬時に侵入者の前へ飛び出した。


「ここで何をしている」


ヴェルヘイム様が静かに問うた。


グローデンデの森の前に荷馬車を横付けして何かを運び入れている6人の男達…怪しすぎる。私達は木立の陰から観察をしている。


「ちょっと待って、アレ…倒れている人を荷馬車に運んでいる!」


カデちゃんのお兄様のアルクリーダ王子殿下の声に皆がギョッとして荷台の方へ意識を集中した。


確かに…複数人の魔力を感じるけど、おかしい。もしかして!


「魔力が弱いっ…怪我人か病人ですっ!」


カデちゃんの声にナッシュ様とガレッシュ様が瞬時に荷馬車の横に転移して中に入って行った。


「な…!?何をするっ!」


「やめろっ!」


その不審者達が大慌てで、荷台に取り縋ろうとしたのでヴェルヘイム様が一人を締め上げて拘束すると、残りの5人を睨みつけた。


「もう一度聞く、ここは三ヶ国協定で立ち入り禁止区域に指定している場所だ。民間人は立ち入り禁止だ。何用があってここに居る?」


ヴェルヘイム様に拘束されている男が急にガクッと倒れ込んだ。


「自害っ!?」


アルクリーダ殿下が飛び出すとその倒れた男の口に手を当てた。一瞬で男の周りに治療膜が形成された。


「残りの者も見ておれ!そう易々とは死なせんぞっ!逃げ遂せると思うな!」


アルクリーダ殿下の叫びと同時に、発せられた魔力でまたも空気中の魔力が呼応してビリビリ震えている。


か、かっこいい~!さすがキラキラ王子様!でも未だにお一人様なのよね?クリぼっちだったのよね?人生ってままならないわね。


「姫っ!こちらに来てくれっ!」


荷台の中からナッシュ様の焦った声が聞こえた。何かあったのね!私とカデちゃんは急いで荷台に駆け寄った。荷台の中には男性3人女性、1人が寝転がされている。


「かっ…体の中に魔素の塊が!?」


カデちゃんの叫びに私も仰天して魔力波形を診た。お腹の中に黒い塊が…呼吸と共に肺から体中に廻っているわ、待って?お腹の中に何か固形物が診えるわ?


「と、兎に角っ治療をっ!アル兄様っ!来て下さいっ!」


私も慌てて倒れている男性に近づいた。やっぱり、お腹の中に何か入っているわ。


「カデちゃん、お腹に…魔石が入っているみたい!」


「何だって!?」


「なっ!」


ナッシュ様が私の横に飛んで来た。私はカデちゃんと同じ魔術式を頭に思い描きながら、お願い助かって…と魔力を男性に向けて放った。


「治療ドーム!葵、出来ましたねっ」


カデちゃんはそう言いながら女性に治療膜を張って、もう一人の男性の治療にあたっている。アルクリーダ殿下はもう治療膜を張って…そして私の横に来て治療膜の状態を見てくれている。


「よし、綺麗な魔術式だね。しかし、お腹に魔石か、ということはこの方々はガンドレアの…」


アルクリーダ殿下はナッシュ様を見た。


「ロブロバリンド魔術師団長…の魔石か、腹部の魔石の術式は分かりますか?」


「う~ん、そうだっ。ヴェルヘイムなら分かるかも…」


アルクリーダ殿下は荷台から外へ出られた。ガレッシュ様も後に続いて降りて行く。


「ヴェルさんが中に入ると外の警護が手薄になると困るしね~」


本当にガレッシュ様は良く気が付く、流石SSS…同じSSSでも変態が絡んでないだけで爽やかで素晴らしい!どこかの某兄とは違うわね。


ガレッシュ様達と入れ違いで荷馬車内に入られたヴェルヘイム様は治療中の男性達を診ている。どう?分かります?


「魔術式は初めて見るな…うむ、これは吸収魔法か?珍しい術式だ。広範囲の魔力粒子が…」


おぉーいぃ?なんだか難しい術式の話を始めちゃって、ナッシュ様とアルクリーダ様はうんうん頷いているけど…私は??だわ。フト、カデちゃんと目が合った…チベットスナギツネみたいな目をしているわね。さてはカデちゃんも??なのね


「かなり魔素を吸い込んでいらっしゃるので…短時間では治らないと思います」


「じゃあ、一度連れ帰ったほうがいいよね?外に居るガンドレアかもしれないヤツラのこともあるしね」


とか、私とカデちゃん先輩が話していると、魔術式のお話が終わったのかヴェルヘイム様は、荷馬車を出て行かれた。ナッシュ様が私とカデちゃんの所に来た。


「意識のほうはどう?」


ナッシュ様に問われたカデちゃんは頷いてから話し出した。


「かなりの魔素が体内に残っていまして、魔核になる寸前です。完治には時間がかかります。今すぐ入院設備の整った施設への搬送が必要です」


ナッシュ様は私とカデちゃんを交互に見ながら頷いた。


「了解した。一度ガンドレアの治療術医院に帰ろう」


あれ?そう言えばエフェルカリードはどうしたのだろう?


荷馬車から降りて周りを見るとグローデンデの森ギリギリの所に子供達とエフェルカリードが立っている!あ、あんな森に近づいて危なくないっ!?


「大丈夫だよ~魔人はともかく、魔獣類はエフェルカリードを避けてるからさ~」


とのガレッシュ様の言葉に、そうだった…と思い出した。最初にエフェルカリードを召喚?した時にもエフェルカリードが出現した後、帰り道に魔獣の姿がほとんど見られなくなってて…魔を祓う剣の凄さを実感していたのだった。


私はエフェルカリードに近づいて行った。森の方をジッと見ているわね…何か見えるのかな?


「ママ…魔素なんだけど…」


「うん、なぁに?」


「森に漂っている魔素は、この世界の魔力の根底に繋がっているの。だから、森の魔素を祓うことは出来ないわ」


根底に繋がる?どういう事だろう?


「え~とね、つまり祓うことは可能だけど、魔を祓ってしまうとこの世界の人が魔力を使えなくなるの」


「ええっ!?それは困るよ…エフィ!」


横に一緒に立っているリュー君とレオン君が叫んだ。そうだよ…この世界の人にとって魔力とはなくてはならないものだよね。


「でもね…森から感じる魔素の気配とは別に、もっと暗くて怖い魔力の塊が視えるの…」


「暗くて怖い魔力?それはまた別の魔素なの?」


エフェルカリードは私を顧みてコクリと頷いた。


「これは世界の根底とは繋がっていない、え~と人工的な魔素…だと思う」


人工的…というと人間が作ったってこと?ちょっと待ってよ…まさか…


エフェルカリードはゆっくりと指差した。指差した先にはアルクリーダ殿下が抱きかかえている人がいる。先程、倒れていた女性の姿が…


「あのお腹の中の黒いのと、同じ魔素が町のアチコチに漂っている。魔素の霧…を見てみないと断言出来ないけど、黒い霧も人工的なものだと思う」


眩暈がした…ちょっと待って?じゃあ魔素の霧は人工的に、誰かの手によって流されていたっていうことなの?


「エフェルカリード…それ本当なの?」


ザック君の震えるような声で意識が浮上した。こりゃいかん!


急いでナッシュ様に事情を説明しに走った。そこからは大騒ぎだった。侵入者と患者様を連れ帰り、まずは侵入者6人を三ヶ国同盟軍の拠点(現ガンドレア城)に連れて行った。倒れている方々はヴェルヘイム様とカデちゃんにお任せした。


城に居た同盟軍の方々も大騒ぎになった。取り急ぎ侵入者の尋問を行うことになったのだが…何故か、あのアイドルっぽいフィリペラント王子殿下が尋問係に名乗り出ていた。しかも皆、反論もしない。


後でカデちゃんに聞いてみた。その時カデちゃんはまたチベスナみたいな目で遠くを見ていた。


「ああ…あれは、フィリペ様が適任なのですよ、ええ…ええ、彼ほどの適任者はいませんよ」


なんだろう?あのキラッとしたフィリペラント殿下も腹黒っぽい感じだったけれど、適任てことはS属性なのかな?…こわっ…


ナッシュ様とガレッシュ様、ルル君とジャックスさん…そして私とザック君の6人はガンドレアの冒険者ギルド横にある治療術医院に出向いた。


「お邪魔しまーす!」


ナッシュ様が元気良く挨拶をして術医院に入って行くと、奥の診察室から小柄な女性が小走りで出て来た。


「あ…おひ…」


何かをモゴモゴ言いながら淑女の礼をとっているその女性を見て驚いた。あらぁ!?


「カデちゃん?」


「…?」


その小柄な女性は顔を上げた。あ…れ?カデちゃんじゃない…けど、似ているこの魔力波形は…


「どうしたの?マディ?」


艶やかな女性の声がしてその声の主を見ると…うわ~~!綺麗ーー!


私くらいの身長でメリハリボディの持ち主で、魔力の発光(後光)とそのご尊顔の美しさでこの部屋の眩しさが3倍くらいになったよ!うわ~この人何者?


「あら?殿下!あら…ん?まあ…この方…そうなの~」


その美女はススッと近寄って来られると私の目の前に来られた。カデちゃんに似ている女性も近づいて来た。この方達もしかして?


「カデちゃ…カデリーナ様のご親戚の方ですか?」


私の目の前に居る美女と小柄な白雪姫(勝手に命名)は目を丸くした後二人同時に破顔した。ま、眩しいっ!遮光遮光~


「そうなのよっ初めまして!フォリアリーナ=ダヴルッティと申します」


「マディアリ…=ロ…=シュテ…と申……」


す、すみませんっ?フォリアリーナ様のお名前の後の、ダヴルッティ…ってもしかしてダヴ様の奥様なのぉ!?それと…カデちゃんの…ご親戚?の女性…マディ…の後何ておっしゃいました?めっちゃ小声で聞こえないよ!?


取り敢えず王族筋の方には違いないので急いで淑女の礼をとった。


「マディ!またそんな小声で…はっきりご挨拶なさいな。ああ、堅苦しいのは抜きにして!私とアオイは一歳しか違わないのだしね~この子はカデリーナの妹のマディアリーナよ。私は従姉妹ね」


この白雪姫がカデちゃんの妹のマディアリーナ姫様なの!?これはめっちゃ可愛いわ…危なかったわね。胸糞のアイザックのおっさんに嫁がされてたら、どえらいことだったわよ。本当に無事で良かったわ。


「殿下、ポルンスタ爺の先読み、当たっていたようね」


フォリアリーナ様が魅惑的な微笑を浮かべた。ポルンスタ?てトリプルスターの確か…予言だか未来が見えるとかのおじいさま?


ナッシュ様は照れたような締りのない顔をして私の方をチラチラ見ながら


「お蔭様で~」


とか訳の分からない返事をしている。そこへビュンと音がしそうなほどの勢いで、キラキラした小さい生き物が飛び込んで来た。それは小さい男の子だった。


「ザック!久しぶり!」


きゃあああ!かわいいぃ!?


キラキラプラチナブロンドの髪にコバルトブルーの瞳、陶器のような肌の超美少年がザック君にじゃれついていた。美少年達のじゃれ合い…


これは、一部のなんとか女子が歓喜する構図じゃないかしら…それにしてもとてもきれいな子ね、あら?この子…チラリと私の隣に立つフォリアリーナ様を見る。私の視線に気が付いて微笑まれた。


「ええ息子なの、7才よ。ルーブ…主人にそっくりでしょ?眩しくて困るわ~」


いやいや~フォリアリーナ様の美貌の後光と魔力のキラキラもなかなかよ?


「あ、葵~お助けした皆様はなんとか持ち直しましたよ」


と、言いながらカデちゃんが奥の廊下から歩いて来た。その後をリュー君とレオン君が付いてくる。


「良かったぁ~あの魔素?だかの塊は見るからにヤバげだったものね」


「そうそう、その魔素の塊といいますか魔石なのですが…どうやら魔素を吸収する術式を組み込んでいるようです」


「魔素を吸収!?そんなことをしたら…体内で巣食って…魔核になってしまうではないかっ!」


ナッシュ様が声を荒げたので、ガレッシュ様がナッシュ様の肩を優しく撫でている。


「そのことだが…」


と、ヴェルヘイム様が若い男の子と女の子…共に治療術院の制服を着ているからスタッフさんかな?とゆったりと歩いて来た。手に何か箱を持っている。


「二人の力も借りて、何とか魔石を体内から取り出せた。これを魔術師団に渡して来る」


二人…と言ってヴェルヘイム様の横に立つ栗色の髪の可愛い女の子はニッコリ微笑んでいる。横の優しげなモスグリーンの髪色の男の子も大きく頷いている。


「すごいっ…メルリンちゃんが魔石を体内から取り出したのですか?」


女の子…メルリンちゃんというらしい(名前も可愛い)が可愛く小首を傾げてカデちゃんに向かって微笑んだ。


「ロイットが魔石の周りに障壁を張ってから、空間転移の術式をかける方法で手伝ってくれたのです。原理はタクハイハコの転移の応用ですよ?」


男の子はロイット君というらしい。グリーンの瞳が綺麗ね…魔力波形もすごく綺麗ね。


「ヴェルヘイム様が基本の術式を教えてくれたから出来たんだよ~それはそうと、患者さん達、意識が戻ったよ?」


おおっと!それは是非ともお話を…という事でナッシュ様とヴェルヘイム様が病室に入られた。私達は外で待機だ。


そして皆様で雑談を始めた。その話のお蔭で分かった事がある。ルル君もジャックスさんもメルリンちゃんとロイット君と顔見知りだということだ。


「私とロイットはマジーの町に住んでいたのですよ~当然ルルお兄ちゃんも知ってます。あ、リリアは元気?」


「元気…一の季から城勤めが決まって張り切っている…」


ルル君がボソボソと答えている。ロイット君はジャックスさんと話している。


「マジーの町どうでした?まだ魔素が流れてきてました?」


「俺らが行った時は大丈夫だったぜ…ああ、なんでも瘴気の霧…あれは人工的に作られたモノだって、おチビが祓ってくれるらしい?とか…で…あれ?お嬢~!おチビいないぜ?」


と、ぼんやり皆の話を聞いていた私はジャックスさんに話しかけられて…え?となって周りを見回した。


おチビ…エフェルカリードのことだ。ジャックスさんはこう呼んでいるけどエフェルカリードは怒ったりしない。エフェルカリードはルル君もジャックスさんのことも結構好きみたいね。何故かジューイにはライバル心むき出しだけど。


「またぁいないの~?ガレッシュ様、知ってます?」


と、ガレッシュ様の方を見て息を飲んだ!


マディアリーナ様とガレッシュ様二人で何かをお話しているのだけれど、二人の周りがっ…な、何アレ?ものすごく魔力の粒子がキラキラしている!?眩しいぃぃ!


「うふふ…二人の魔力が混ざり合って綺麗ね…」


びっくりした…いつの間に私の背後に立っていたの?フォリアリーナ様?


「フォリ…」


「リアて呼んでね!気さくに話してね!」


本人がリアでと言っているからいいか…リアにグイッと腕を引かれて診察室?らしき一室に押し込まれた。何なに~?


「ガレッシュ様ってナッシュ殿下の実の弟御なのよね?」


「あ、うん…カデちゃんが診断してくれたから間違いないと思うけど…」


「じゃあ、いつかは第二皇子殿下…として皇族に入られるのよね?」


「あ~それは年明けに発表が決まってて…」


リアの目がギランと輝いた。どうしたの?


「よしよしっ問題ないわね!魔力波形もすごく綺麗だしっ魔力量もナッシュ様ばりにすごいしっ」


何の問題がないの?


「もうっ!何を呆けているのよっ当然マディとガレッシュ様の二人を恋仲にする為じゃない!あら?そういえばガレッシュ様は未婚なの?」


リアは一人で突っ走っていた。なんだろ?この私と年齢が変わらないのに強引にお見合いを斡旋してくるおば様のような圧は…


すると、廊下にナッシュ様とヴェルヘイム様が出て来られた。あ、事情聴取が終わったみたいね。私達はナッシュ様の所へ行った。ナッシュ様もヴェルヘイム様も非常に難しい顔をしている。


「どうやら彼らは…人工的に魔人化するような人体実験を受けていたようだ」


集まって来た皆から小さい悲鳴が上がった。人体実験…振って湧いた恐ろしいワードに皆が顔面蒼白だ。


しかし魔人化ってどういうことよ!?


そ、そういえばエフェルカリードはどこ行ったのぉぉ?


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