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図鑑が大活躍でした

もうちょっと昇格試験のお話が続きます。

ルル君は緊張を孕んだ魔力を発しながら、怪音を響かせて時折、口から炎を吹き出しているケッアルコアトルの前に静かに移動した。そういえばルル君が全力で戦う所を見るの初めての気がする。


ルル君の魔力と体の呼吸が整えられていく…今だ!と思った時、弾丸のような速さでルル君はケッアルコアトルの背後に回って、首筋に剣を振り下していた。何度かケッアルコアトルと切り結ぶ。口からの炎を避けながら、ルル君は懐に入り込んだ。お腹に剣先がめり込んだ。ドオオオンッ…ケッアルコアトルが倒れた。


倒れたケッアルコアトルから羽を二枚取って、ルル君は淡々と試験官に渡すと、顔色一つ変えずにナッシュ様の前にやって来た。


「終わりました、これで無事SSクラスになれました」


クールなルル君だけど目が爛々としているね、ナッシュ様がそんなルル君の頭を撫でている。


「よしっよくやった!早くSSSまで来い!」


ルル君はフニャーと笑った。これ嬉しいんだろうな~気持ちは分かるよ!


「ザック兄ぃ体、温かいよね~」


「羽って意外と固いんだなっ!」


「こ、こらーーっやめなさいっ!さ、騒いだらまた来ちゃうよーー!」


はい…いい雰囲気もぶち壊しね。お倒れになったケッアルコアトルの上にザック君、リュー君おまけにレオン君まで乗って、羽をむしったりお倒れになったケッアルの体を叩いたりやりたい放題だ。


あまりの暴挙に、とうとうアルクリーダ殿下が怒った。場の空気中に漂う魔力粒子まで殿下の魔力に呼応して震える。


「いい加減にしないかっ!今は試験中だぞっ!」


ひえっ怖いっ…放つ魔力に当てられそうだわ。子供達は流石にショボンとして、カデちゃんの側に戻って来た。


「まあ、これぐらいの年だと…害獣や魔物の大きさに興奮するのは仕方ないよ、なぁ」


側に寄ってきたザック君をナッシュ様はよしよし…と言いながら抱っこしている。まるで父と子のようだ。ナッシュ様はザック君を片手で抱っこしたまま、スラッと剣を構えた。


「あれ?アルクリーダ様の魔力に釣られて何匹か来ちゃったかな」


ひええええっ!3匹もケ…ケッアルコアトルが…私達の周りを囲んでいるわよっ!


カデちゃんがアルクリーダ殿下に向かって絶叫した。


「アル兄様の馬鹿っ!どうして呼び寄せちゃうのですかぁっ!?」


「し、知らないよっ!勝手に向こうが寄って来たんだからっ!」


ナッシュ様は試験監督官の2人の所まで行くとこう言った。


「1匹はジャックスの試験用にしますので、残りの2匹はお任せ下さい」


かっかっこいいーー何ーー?ちょっと見た?あれ私の旦那なんだけどーーーぉ?


興奮しました、すみません。ナッシュ様はザック君を抱えたまま跳躍すると、一瞬で手前のケッアルコアトルの眼前に舞い上がって眉間に剣を突き立てた。もう1匹はガレッシュ様が瞬殺している。凄い兄弟だね。3匹いたケッアルコアトルは残り1匹になっている。試験監督官のおじさんがサッと手を挙げられた。


「は、はいっでは試験を開始します!2人目ジャックス=ミラマさん!」


ジャックスさんはスラッと剣を抜いて、飛び上がろうとしていたケッアルコアトルに飛びかかかった。ケッアルコアトルが炎を吐いた。ジャックスさんが包まれる!大丈夫かしら…あっ!一度地面に落ちたけどまた飛び上がって風魔法で更に跳躍する!いけるいけるっ!ケッアルコアトルの背に捕まると剣を突き立てた。落下するケッアルコアトルから羽を掴み取ると、ジャックスさんは若干、息を乱しながら監督官に羽を渡した。


「はい、確かに。ジャックス=ミラマさんSSクラスに昇格です」


ジャックスさんがドカーッと後ろにひっくり返る。怪我でもしているのかしら…慌てて近づいて魔力を視る。


すると後ろに立っていたアルクリーダ殿下が、チョンッ…と指先でジャックスさんの体に触れた。ブワッとジャックスさんの体が虹色に光り、一瞬でジャックスさんの魔流が元に戻った!しかも魔力が浄化されたみたいに廻りが綺麗になっている。


「お疲れ様です、頑張りましたね」


ひゃああ!この癒しの魔法はすごいね!と、私が思っていたら試験監督官の治療術士さんもそう思ったみたい。


「うわわっ!すごいですっこれがシュテイントハラルの最高峰ーーっっ!」


興奮して大きい声を張り上げすぎたのね。ロイエルホーンより大きい肉食獣のバンバガデランガとかいう8メートルくらいある猪?が走り込んで来て追いかけられたわ。笑いながらナッシュ様とガレッシュ様が退治してくれたけど、一瞬死ぬかと思ったわ…


「ケッアルコアトルも生命力がすごいからあれぐらいでは死なないんだよ?2~3日で元気に元通りさ」


へぇ~と、バンバガデランガの体を解体しながらのガレッシュ様の薀蓄に耳を傾ける。


このビッグ猪もどきは、お肉が貴重且つ大変美味らしいので、食材用と売買用に皆で分けて持って帰ることになったのだ。解体係はガレッシュ様とルル君とジャックスさんだ。私とカデちゃんは切られた固まり肉を麻袋に腐敗防止の魔法を使いながら詰めていく。この麻袋もポッケと同じ作りで5tまで入る。今二つ目だ。10t近く体重あるのねこの猪…


ナッシュ様はまだザック君を抱っこしている。ザック君、マジでお父さんにしがみ付く子供状態になってるね。私はソッ…と二人に近づいた。


「アルクリーダ様が怒ったのも分かるよな?」


ナッシュ様の問いかけに、コクコクッ…とザック君は頷いている。ザック君、泣いているのかしら…ナッシュ様が私に気が付いて、ザック君の頭を撫でながらこちらに笑顔を向けた。


「よしっ…もう大丈夫だな。アオイ特製の上手い菓子を貰おうか~」


ナッシュ様の腕から降りてゆっくりと地面に足をつけたザック君に、私はポッケから出したバスケットの中から包み紙に包んだモノを渡した。


「ふふっ開けて見て~」


私がそう言うとザック君はゆっくりと包み紙を開けた。中には揚げたてアツアツのドーナツが3個入っている。味はプレーン、蜂蜜、シナモンだ。バスケットにも時間停止と腐敗防止魔法をかけている。


表情を曇らせていたザック君の顔が笑顔になった。私が頷くとザック君は、ドーナツを一つ取り出してパクッと口に入れた、たちまち破顔する。うんうん、今日のドーナツも美味しく出来た自信作よ!


「あーっザック兄ぃお菓子食べてるーーっ僕も食べるーー」


「ずるーいぃぼくもー」


リュー君とレオン君がワーッとザック君を取り囲む。3人はドーナツを取り合いながらキャッキャッ騒いでいる。良かった…元気になったね。あら、アルクリーダ殿下がザック君に近づいたよ、ちょっとドキドキするわ。するとザック君が元気よく頷いているのが見える…更に良かった。


「仲直りされたみたいですね。アル兄様も怒っても根に持たないタイプなのでね」


カデちゃんがホッとしたように笑顔で子供達を見ている。お母さんの顔だね。


私達は残りのお肉を麻袋に詰め終わると、最後の難関、ガレッシュ様の昇格試験のお目当てのさらまんだ…正式名称サラマンダーの生息地に向けて出発した。そして半刻ほど歩いた後にお昼になったので、皆で大きな木の洞の中に入り昼食を頂くことにした。


試験監督官のお2人はご一緒を頑なに拒否された。公平を期すための規定がありますから!とかなんとか…思わずギルド規定の冊子を見てしまった。そこには試験合格の為に賄賂や金品の授受をした場合厳しい罰則がある…と書いてあった。賄賂?になるのかな昼食って、まあいいか…


さて、お昼も気持ちよいくらいに召し上がられたメンズ達を引きつれて湿地を抜けてとうとう、山岳地帯に着いた。しかしさっきからカデちゃんの顔色が半端なく悪いです。怖いのかな…


「カデちゃん怖い?大丈夫?」


カデちゃんはもはや青を通り越して真っ白な顔色だ。唇の色…紫色よ?思わず手を握ってしまった。


「いえ…さっき葵からお借りしてサラマンダーの項目を見たのですがサラマンダーの全長が20シーマルと書いていて…そ、それ…に、その…寿命が長くて…その、更にご長寿になると、その首が増えるって…」


首がふえ…ん?なんだって?私は山道を登る足を止めて、ポッケの中から『超危険!世界の魔獣害獣大図鑑☆改訂版』を取り出して主に高山に住む害獣の項目を捲った。


「あ…あった…え~と…サラマンダーは長寿な生物として有名ではあるが、稀に特異なほど寿命の長い個体がいる。その個体の特徴は……頭部が…複数個付いており…頭部の数が多いほど…長寿で知能が高く…これが…後に生き延びると…ドラゴン種に変容する…と言われている」


首が複数個……複数だって!?そ、そそそれってっそれってぇぇ!


「ヤマタノオロチじゃないのさ!?」


「いやぁぁ~やっぱりっ!?そうよね?葵っどうしようっそんなの、私、見るの怖いわっそんな想像上の神話の生き物なんて…」


「いや待ってよ…ここは異世界よっ私達の居る世界とは構造が違うものっ。きっとヤマタノオロチもそんな恐ろしげな生き物…ましてや剣を吐き出すような神話の生き物であるはずがないわ!」


……


「なあーーんて声高に叫んでた2刻前の自分を引っぱ叩きたいね」


私は目の前で高温の有毒ガス?を吐き散らかしている、怪獣を唖然と見上げていた。


ヤマタノオロチではないけど、なんていうか怪獣なのよ。もはや、ケモノの類ではないのよ。某都市に殴り込みをかけに来る二足歩行の生き物に通ずる大きさで、なんたら光線とか口から出して来るのよ…


あまりの怖さにナッシュ様の張ってくれた3重物理魔術防御の中から怖くて出れないよ…私と一緒にザック君も防御壁の中に入っている。思わずザック君を抱き締める。


「大きいですねサラマンダー…頭が5個ついてますね」


「ザック君っアレを直視しちゃダメよっもしかすると石化の魔法とか使ってくるかもしれないわっ!」


見たら石にしてくる某怖い3姉妹を思い出す。それに見たら呪われるかもしれないじゃない!


「その防御壁の中に居たら大丈夫だ。心配はいらん…問題はガレッシュだな、攻めあぐねているな」


確かにガレッシュ様は先ほどから5個の首から出される謎の光線に阻まれて、なかなか背中の鱗のある部位に手が届かない。


「別に…殺さなくても鱗だけ取れればいいのよね?」


私の問いにナッシュ様はガレッシュ様から目を反らさずに頷いた。


「このサラマンダーは貴重な5つ首だしな…後、数十年…いや数百年すればドラゴン種になる…かもしれん。すでに絶滅したドラゴン種の原種を殺す訳にいかないしな」


ナッシュ様はいやに歯切れが悪い。


「かもしれない…って分からないの?」


「一応ドラゴン種誕生の概要が書かれたであろう古文書は、遺跡で発見されているのだが…何せ1000年以上前のもので…誰も…読めん…ん?」


ナッシュ様と思わず顔を見合わせた。私…読めるんじゃないかしら!?


「アオイ…今度は遺跡発掘に行くか?」


「それは遠慮するわ。暗くて何か出そうな怖い所は苦手なのよ、古文書は読んでみるけれど…」


ナッシュ様はニヤッと笑った。そして前を向く。


「私が居れば怖くないだろう?」


本当に絶対の安心感よね。でも遺跡なんて暗い所のイメージがあるものこの変態皇子と一緒に行って、別の意味で恐ろしい目に合わされそうだわ…


ガレッシュ様は風魔法と水魔法と氷魔法を同時に読み込んで放っている。3つ同時なんて凄すぎる。ルル君やジャックスさんはアルクリーダ殿下の防御壁の中でこの戦いをみている。横顔を見てもお2人共興奮してるのがよく分かる。


やがて3つ重ねた魔法の上に腐食の魔法を重ねて…なんと口元を腐らせるという荒業が成功したのか、謎光線を出していた口が1つ腐り、2つ腐り、と時間はかかっているが…なんとか3つの口を黙らせることに成功した。そして、サラマンダーの体の後ろに回り込んだ!


「やっやったーーー!」


皆の歓声が上がった!思わず監督官のお二人も手を叩いて歓声を上げている。ガレッシュ様はボロボロで魔力切れ起こしそうな感じだった。ガレッシュ様は手に持った青光りする大きな鱗をドカッと試験監督官の前に置いた。


「はいっ…確かに!ガレッシュ=ゾーデ=ナジャガル様っSSSクラス昇格です!おめでとうございます!」


ナッシュ様はフラッと私の前からいなくなると、まだ謎の光線を放っているサラマンダーの前に立った。


「すまんな…貴重種よ。アオイ、このサラマンダー癒せるか?」


私はザック君と恐る恐る近づいた。謎の光線は時々防御壁に当たっているけど、問題ないみたい。


『イタイ…イタイ…』


あれ?何か声が…と思ってもっと近づく。すると…


『クチガイタイ…コノニンゲン…ナンダ…ユックリネテタノニ…』


ああ!間違いないっ!このサラマンダーの声だわ…そうか、図鑑にも書いてたじゃない…首が多いと知能が高くなるって…


「カデちゃんか、アルクリーダ殿下っ…治療出来ませんか?私じゃこの腐食を抑えられません」


と、言うと殿下が慌てて近づいて来られて、まだ暴れているサラマンダーの体に触れられた。


「落ち着いて!今治療するからっ!」


私がそう叫ぶと、皆さんがギョッとして私を見た。な、何よ?


『チリョウ…?ケガヲナオスノカ?』


サラマンダーが首の1つをこちらに向けた。こ、怖い…私の横でザック君がかっこいい、とか言ってるけど…


「そうこの方治療術士なのよ!今怪我を治すからっ!それと鱗を取ってごめんなさいね!どうしても必要だったから!」


サラマンダーはジッと私を見詰めた。ひえええぇ…爬虫類の目だわ…しかも超ビッグサイズ…


『イカイノマヨイゴカ…コレハメズラシイ…ハヨウチリョウシテクレ…』


私は大きく頷いて、アルクリーダ殿下を見る。


「アルクリーダ殿下、治療をお願いします」


殿下はハッとして、我に帰られると治療魔術をかけ始めた。すると…


「カデッ!お前も手伝え!大きすぎて私の魔力じゃ補えないっ!」


そう言ってカデちゃんを呼ばれた。カデちゃんは何度か、木の根っこに足を取られながらもリュー君とレオン君2人に支えられて、サラマンダーの側にやって来た。


「あ、暴れたりしないのかしら…?」


「大丈夫よ。知能は高いみたいだし、言葉も通じたから…」


そう私が答えると、カデちゃんは私とサラマンダーを交互に見てから呟いた。


「そうか…葵は異界の迷い子でしたね。どんな言語も操れる…そうか…サラマンダーとも喋れるのですね」


サラマンダーがニューッと顔をカデちゃんの方に向けた。ひぃぃぃっ…とカデちゃんが悲鳴を上げる。もちろんチビッ子達は満面の笑顔で近づいて来たサラマンダーに大興奮だ。


『コレモマタメズラシイ…イカイノマヨイゴ…ダガ…ヒジョウニメズラシイ…モシヤ…イカイノカミナノカ…シンリキガトテモオオイ……』


異界の神様?え?カデちゃんが?中身は渋いおば様だけど…それだけじゃないの?


私の思考は、治療を開始するカデちゃんの声に中断された。


「あ、えっと…じゃあ治療しますね~」


「僕もお手伝いするよ~」


「ぼくもー」


すごいっ、計4人のシュテイントハラル直系の癒しの術がサラマンダーの体を虹色の膜で包んでいく。


「すごいーーーーすごいですよーーー!」


試験監督官の方がまた大興奮だ。腐食されていたサラマンダーの口は段々塞がって行く。そして、完全に傷が癒えると虹色の膜はパチンと割れて消えた。


『シンリキガスゴイ…サスガイカイノカミダ…』


異界の神…また言ってる。聞いてみようかな?


「あの…彼女は異界の神様なのでしょうか?」


するとサラマンダーは5つ首をニュッとカデちゃんに向けて少し首を捻っている。意外に滑稽な感じだ。


『ワタシニハソウミエルガ…ハテ…カクシンハナイノ…タダコチラノ…ソコニオル、オトコノカミトハマタチガウチカラダトイウコトハタシカダ…』


男の神…アルクリーダ殿下よね…うん、色々と謎だわ。


「もう大丈夫なのか…アオイ、なんと言っているんだ?」


ナッシュ様に聞かれて、ああ…と思い立つ。


「もう傷は癒えまして?」


『モウダイジナイ…シンリキガココチヨイノ…ソコナコドモノチカラカノ?ヨイカミニナロウテ』


「まあ!ちょっとリュー君、レオン君っ!このサラマンダーさんが良い力を持っているだって!二人を褒めてくれてるわよ~」


「うそっ!本当!?」


「サラマンダーに褒められたぁ!」


チビッ子はガバッとサラマンダーに抱き付いた。ちょ…ちょっ…さすがに馴れ馴れしすぎないっ!?


『ソコナオトコ…スコシマエニウロコヲトッタオトコダナ…コンカイノオトコトシンゾクカ?ヒトニシテハツヨイマリョクダ…』


「そ、そうだ…何度も鱗を頂戴してしまってすみませんっえ~と、必要にかられて…今後お休みの所をお邪魔することもあろうかと思うのですが…どうか怒らずに人が訪れた折に2枚ずつ頂けないでしょうか?」


こわごわとサラマンダーにお願いしてみると、5つ首は静かに首を下げた。


『アトデチリョウシテクレルナラ、カマワンガノ…シカシワタシトテ、イツマデモココニハオランカモシレンシナ…ジュミョウガアルノデ…モウセンネンハイキタシノ…ソロソロミマカルヤモシレン…』


1000年だって!?ご、ご長寿…いや待てよ。


「あのそれだけご長寿だと、その…ドラゴンに変容するのではありませんか?」


サラマンダーは目を細めた。


「ウゥム…ソウハイワレテオルノ…ワタシモクワシクハシラン…マワリニワタシホドイキテイルサラマンダーハオランシノ…」


そうですか…う~ん。


「でも出来る限り長生きして欲しいです!そうして変容したら現存するドラゴン種の復活になりますしね!」


サラマンダーは目を細めるとサラマンダーによじ登ろう(!)としているザック君に目をとめた。


『コレハ…マジンノミコデハナイカ…コレマタメズラシイ…ナガイキハスルモノダナ…』


マジンノミコ…まじんのみこ?魔人の巫女?魔神の皇子?


どれもこれも恐ろしい意味合いよっ!?どういうことよっサラマンダーさんっ!


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