表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女の召喚に巻き込まれただけです!  作者: 浦 かすみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/94

醤油>上司だった

グダグダと続いてます

誤字修正しています



 ナッシュ様と二人、王宮の料理場の食糧備蓄庫に走り込んだ、待たせていた料理長に平謝りをする。


 ナッシュ様も一緒に謝ってくれるので、料理長が仰天して逆に恐縮されてしまった。


「こちらが貯蔵庫です。足元段差がありますから気を付けて下さいね」


 料理長に案内されてひんやりとした氷室、大型の貯蔵庫内に入る。


 美容化粧品の原材料を保管する冷蔵倉庫がちょうどこんな感じだった。もしかしてこれもユタカンテ製かな?


「これが今回の討伐用に用意された食料になります。皇子殿下、品種確認されますか?」


「ああ、アオイも見てくれ」


 肉、野菜、乳製品……分からない品名はナッシュ様に聞きながら自分でもメモを取る。しかしこれを全部討伐地に持って行くの?移動している時に腐らない?


「生鮮食料品は腐りますよ?それにこの量はとても持って行けませんよ」


 料理長とナッシュ様はキョトンとした。何よ?物が腐るのは自然の摂理でしょ?


「なんで腐る?ヨジゲンポッケで運ぶから問題ないだろう?」


 ちょっと待て?今、非常に懐かしい名前が聞こえなかっただろうか?


「今、何で運ぶと言いましたか?」


「ヨジゲンポッケ」


「四次元ポッ!」


 私は悶絶した……いや、聞くまでもない。ユタカンテ製なのは間違いない。おまけに日本人の技術開発者なのも推察出来た。


「ヤバいウケルッ!○○えもんじゃないか!ポケットだよ~~最高っ!」


「え?どうした?何か」


「そのヨジゲンポッケってユタカンテ製ですよね?」


 料理長もナッシュ様も頷く。あ~おかしい〜てことは私とそんな年の変わらない人が作ってるのかも?


「話の腰を折ってすみません、でヨジゲンポッケってどういうものなんでしょうか?」


 するとナッシュ様が得心がいったように大きく頷いて、腰のウエストポーチを取り出した。


「ああ、そうか異界にはないよな。これは魔道具の一つだ、名をヨジゲンポッケと言って、先ほども言ったがユタカンテ製だ。総容量は五百メガン、時間停止、重量無効化の術法が施されている。今回はポーチにレイゾウハコと同機能がついた、え~と」


 五百メガンというと、一リアンが大体一グラムという感じだから、五トンくらいね!


 凄いな時間停止、多分そのポーチに入れている間、中の物が止まる。つまり腐らない?という訳ね。重力無効、重さがゼロか!いや~凄いね、ユタカンテのドラミン!とあだ名で呼んでやろう。


「あった、あった。これを使ってくれ」


 ナッシュ様はしばらくゴソゴソと持っていたヨジゲンポッケの中を探っていたが、中から黒色のポーチを出してきた。


 なんかオジサン用のポーチみたいね。もっと可愛いデザインのないの?自称お洒落番長の私が持つのは嫌だわ……


「とりあえず何か入れてみるか?」


 ええ!?いきなり生ものを直入れ?なんだか衛生面で気が引けるけれど仕方ない、何か包まれているモノ……牛乳の瓶を手に取ってポーチの口に近づけた。 


 あら、ちょっと?


「あの、明らかにポーチの口と瓶の大きさが合いませんけどこれ入るのですか?」


 ナッシュ様はクスクス笑いながら説明してくれる。


「最初見た時は私もそう思ったが、もう少し近づけろ」


 恐る恐る、瓶をポーチに近づけた。


 ギュン……と吸い込まれる力を感じて手を放すと、瓶が中に吸い込まれていった。


 わっこれ○○○モドア~!を出す時の絵とソックリ……あれ?ポーチが私の手の中で小さくカタカタ震えている。ば、爆発するんじゃないのぉ!?


「やだっ何?怖いっ」


 おもわず怖くなってナッシュ様の方へポーチを差し出した時、ポーチの口から牛乳瓶が中身を散乱させながら外へ飛び出してきた。


バシャーーン、ゴン……ゴン。


 牛乳も滴るいい男……ナッシュ様は無言だ。発酵物みたいな匂いがする。正直臭い。


「で……殿下っ!?大丈夫ですか!?」


 料理長が大慌てだ。


 大丈夫じゃないと思う。めっちゃ臭い……これ牛乳がチーズになってんじゃないの?


 ナッシュ様は無言で手を右に払った。何か魔法が発動する。ちょっと魔法陣が見えた!


 一瞬で牛乳が消えた!匂いも消えた!何これ?魔法だよね。私も使いたい~出来るかな?


「頭、痛い。治療は流石に無理」


 あ、さっきのゴンて音、牛乳瓶が頭を直撃したのか。どれどれ?イタタ、たんこぶ出来てるね。


「イタッ!触るなぁ痛い。なんだあのヨジゲンポッケは、買ったばかりだぞっ不良品か?」


「ユタカンテに問い合わせしましょうか?」


 料理長がオロオロしながらそう聞いて来た。ナッシュ様は顔を顰めながらこう言った。


「不良品なら持って行けば交換してくれるんじゃなかったか?」


 私はピカンと閃いた。ユタカンテ商会?お店か事務所があるのか?見てみたい!


「わたっ、私が交換してきます!ユタカンテ商会ってどこにありますか!?」


「カステカート王国のアンカレドだけど」


 ちょっ……それ輸入品なのぉ!?外国はすぐは無理じゃない。街に出たらショップに売っていると思ってた。


「すぐに行けないことも無いけど、許可がいるから今日は無理だな。明日は討伐の前日だし、事前会議があるしな。アオイは軍服の採寸だろ?行けるとしたら一月後だな、イタタ」


 軍服の採寸初めて聞いたけど、そうかこの服コロンド君の予備だもんね。一月後か、まあいいか。


 料理長が治療術士を呼びに行ってくれたので、待っている間、貯蔵庫内をウロウロする。


 すると棚の奥から懐かしいような何かの匂いがした。フラリと近づいて大きな瓶に入っている、それは……顔を近づける。間違いないっ!


「しょ、しょ、醤油だぁぁぁ!うわーーんやっと見つけたぁ!ここにあったんだぁ!」


 私が泣きながら叫ぶので、ナッシュ様がすっ飛んできた。すぐに抱き寄せられる。


「どうしたっ!?何か虫でもいたのか!?」


「違うんですぅ~私の異界の国のちょ、調味料があったのですぅ~~」


 泣きながらなんとか説明をして、ナッシュ様の腕にすがる。


 懐かしい匂い、だめだっ思い出してしまう!ナッシュ様が私の背中を優しく撫でながら醤油の瓶を見る。


「ああ、ソーナか、うちの特産だな」


 と、言った。


 ……なんだと?特産?今、特産と言ったか?衝撃で涙も引っ込んだ。


「特産ですってぇぇぇ!?何故もっと早く言わないのですかぁぁぁ!」


 不敬がなんだっ!たんこぶがなんだっ!首を締め上げて頭を揺すってやる!


「ぐえぇぇ、イタタ!もうっなんだ、イタァくるしぃ」


「これは私が異世界、日本で食していた定番調味料っ日本人の心の友っどんな料理にも対応可能の万能調味料なのですよぉ!これがあれば料理のレパートリーは無限っと言っても過言ではないスーパー調味料ですよ?どこの特産なのですかぁ!?早く教えなさいっ!?」


「うち……シテルンの特産品だ」


シテルンッ!嘘でしょう!?魚も獲れて、醤油もあるの?やだーっ!嬉しすぎるっ!


「シテルンッすぐに視察に行きましょう!」


「どうしたんだ?イタタ。うん、いずれは視察に行くけどついて来てくれるのか?」


「はい、もちろんですっ!絶対付いて行きます!」


 ナッシュ様はニヤニヤしている。


「視察中ずっと夜も一緒だけど付いて来てくれるのか?」


「はい、勿論です!」


 ……ん?嬉しすぎてハッキリ聞いてなかったけど、何か言ってたっけ?


「またですか……」


 貯蔵庫内の温度が急激に下がっていくっ!


 食品達に霜が降り始めて、料理長が慌てているのが目の端に映る。もうすでに睫毛が凍り始めていて、閉じるたびにシパシパ音がする。


 雪女だーーーっ最近こればっかりだぁ!


「ナッシュ様が負傷されたと聞いて急いで来てみれば……こんな暗がりでイチャイチャ、ああそうですか、新手の嫌がらせですね?これでも妻子持ちなのですが、帰りが遅いと言われて拗ねられて、なんだか忙しいのかな?と思っていたのも、すべて私への嫌がらせなんですね」


 私はナッシュ様を突き飛ばすと、醤油……ソーナの瓶を守ろうと抱き込んだ。


「ナッシュ様はどうでもいいけど、この瓶だけは壊さないでぇ!」


 雪女、フロックスさんの吹雪がナッシュ様を直撃した。


 ソーナの瓶は無事だった。


 ソーナ瓶からとりあえず、一瓶分ご自宅用に持ち帰りさせて頂いて早速その夜料理に使った。

 

 モロンのバターソーナ炒めと塩ゆでモルのソーナとバターサラダ、鳥となすびみたいなピュルの野菜とニンニクソーナ炒めを作った。


「美味い!何これ!?あのソーナってこうやって使うの?」


「まぁぁ、すごいですよっアオイ様!このゆでモルのサラダ美味しゅうございますね」


 ホントおいひぃ……自分で作っておいて、また泣きそうだ。


「おそらくですが、シテルンの海産物で、カツオという魚に似た魚類とワカメに似た海藻があるはずなんです。ってか絶対に見つけてみせますが、その食材が手に入ればもっと、もっーーとお料理の品目が増えます。それでですね〜シテルンでこれを特産にした食品を開発して海沿いの宿場をもっとお洒落な……」


 私が構想中の大型海沿いリゾート計画をぶちまけて、熱く熱く語りその夜は更けて行った。


   


 異世界生活五日目だ。


 ベッドの上で伸びをする。当たり前だが横に変態はいない、いないからといって寂しいとかそういうのでは断じてない。決してない。


「おはようございますニルビアさん」


「おはようございます、アオイ様」


 結局、私に対する、様呼びは直してもらえなかった。そういえばコロンド君も様呼びしてるわ。あんまりに自然だから注意するの忘れてた。でも呼称なんてなんでもいいのよね?その人が呼びたい名前で呼べばいいんだし。


 今朝もキノコのバターとソーナ炒めを朝から作り、ついでにキノコとモロンの和風パスタも作る。スパゲッティに似たパゲッテーナという麺類があるので代用させてもらう。


 ご飯があればなぁ〜ニンニク醤油チャーハンとか出来るのに、どこかにあるかなお米。ああ、卵かけご飯食べたいっ!早くお出汁を手に入れようっ出汁巻卵焼き食べたい。


 パスタ調理はニルビアさんにお任せして私はクッキーを焼くことにした。小さくて一口で食べれるサイズで、ナッシュ様に執務中に食べて頂く為に。


 あの皇子殿下、甘いお菓子好きなのよねぇ~仕事しながら常にモグモグやってんのよ?コロンド君が毎日皇宮の料理場から焼きたてクッキーを大量に頂いて来るんだけど、ほぼ一日で食べきっちゃうのよ。


 しかも足りない時は自分で仕入れてくるし、どんな胃袋してんのよ?そのくせ太らないらしいし、世の中の女子を敵に回す所業だぜ。ぐぬぬ……


 兎に角、大きなクッキーじゃ仕事の邪魔になるしね。かなり大き目のガラス瓶の中に小さく焼いたチョコクッキーを詰めていく。これだけあれば二日くらいは大丈夫かな?

 

 そして、昨日ナッシュ様に教えてもらった腐敗防止の魔法をゆっくりと掛けていく。


 大丈夫、大丈夫、見せてもらった魔術印と同じものが描けている。記憶力はいいんだぜっ!術が成功した時の輝きを感じる。


「で、出来たぁ!」


「出来たか?」


 おいっビックリするじゃないか。またいきなり横に立って。


「おはようございます、ナッシュ様」


「おはよう、アオイ!それ何?今食べていい?腐敗防止の魔法かけてたね、大成功だね~腐敗防止が出来れば時間や、逆に腐食の魔法も使えるらしいけど、もの腐らせる魔法なんて攻撃しか使えないよな~」


 クッキーを食べたそうにしているナッシュ様に、家で食べるように焼いた木の実入りのクッキーを皿に入れて渡した。


おいっ立って食べるなっ皇子だろう、行儀が悪いな。


 それにしても腐食、腐らせる?


 まてよっ醤油に続いて新たな可能性を感じる食材があるじゃないかっ!


「お味噌に納豆!」


 ああ、感動でむせび泣きそうだ。正直、麹製作は未知の領域だけど失敗したって次がある、手を出さなきゃ何も始まらないっ!とりあえず米を手に入れてからが勝負だ!まてよ、醤油があるなら麹があるよね。その辺はうろ覚え記憶だけど、味噌の発酵に使えないかな?


 ブツブツ唸りながら一人思考に陥っていると、後ろで忍び笑いが聞こえた。


 振り向くと朝日を浴びてナッシュ様が私を優しく見つめていた。


 神々しい、朝から目つぶし攻撃か?


「なんでしょうか?」


「いや何、アオイはやっぱりいいなと思ってな」


 変態臭はしないけど、どことなくエロエロしいと思うのは私の心が荒んでいるからか?


その後……朝食に出したきのこパスタも大好評だった。美味しい、やっぱり日本人には醤油だよ。ナッシュ様達は違うけどさ。


 朝、ナッシュ様と詰所に向かいながら今日一日の予定をメモを取りながら確認する。すっかり上司と部下の立ち位置だ。


「朝の朝議にはアオイも参加しろ」


「わた「上司命令だ」


 ぐぬぬ……変態のゴリ押しを止めた途端、今度は上司のゴリ押しかいっ!それにさっき渡したクッキーの瓶を撫でまわすのヤメロ!


「そんなもの早く仕舞って下さいよ」


「そんなものとはなんだ!アオイの手作りだぞぉ~ジューイに自慢しよっ」


 なぁにがそんなに嬉しいのか朝から上機嫌だ。浮かれる大人、痛々しい。


 そして宣言通り執務室に入った途端、皆様に手作り朝食を食べたとか~これがおやつのクッキーだとか~すっごいテンションだよ、どうしたの?皇子殿下はもしかして醤油、ソーナに変な薬でも入ってたのかな?私は全然大丈夫だけどさ。


「コロンド君おはよっ!これクッキー焼いたので後でミンテ君とドレンシー君とで召し上がってね」


「おはようございます、アオイ様。わあ!クッキーですか~頂きます」


 朝から素敵な笑顔ね。あらもしかしてホットミルク飲んでるの?バニラエッセンス入れてるのね。少し飲みやすいでしょ?飲む子は育つ!よ。


 ミンテ君とドレンシー君はコロンド君と同期の男の子達だ。昔からの仲良しで今も同じ第三部隊にいる。


 今回の討伐遠征はドレンシー君が参加でミンテ君とコロンド君は詰所待機だ。皆で遠い所に行ってしまっては、魔獣や魔物退治に出れる人がいなくなってしまうらしい。


 第一、第二の方々も王城の内勤業務をしてくれているけどね。


 こと討伐に関しては私は完全に素人なので、諸先輩方の意見に従う、郷に入れば郷に従えだ。


 朝、確認した朝議に必要な書類を手に持つ、その反対の手でナッシュ様の手にあったクッキーの瓶を取り上げた。


「あぁ!何するんだっ!私のクッキーっ!」


「私のではありませんっ。朝議にクッキーを持って行く馬鹿がどこに居ますかっ!」


「ここにいるぜぇ~」


 ジューイがナッシュ様の後ろからナッシュ様を指差した。


「ジューイ!仮にも皇子様ですよっ指で差したりしてはいけません」


「何気にアオイの言い方の方が不敬な気もするけど」


 小声のフロックスさんの呟きなんて聞こえないねっ。さあキリキリ働けっ!


 今回の朝議は第三部隊の討伐関連の確認なので、第三部隊の幹部が全員参加だった。


 何故私が?幹部でもないけど?


 しかし理由はすぐに分かった。真面目に聞いているのはフロックスさんだけで、ジューイは居眠り、ナッシュ様はヨジゲンポッケから出したお菓子(隠し持っていたようだ)を貪るのみ。


 アカン……こりゃアカン。


 私とフロックスさんだけでもしっかりせねば


 討伐に必要な手続きと必要な部材、武器、消耗品とその他魔獣、魔物の大量発生に備えて各部署への連絡確認、フロックスさんと軍部の保管係の方々と話しながら確認していく。選抜神セブン、本当に七人しか行かないけど大丈夫なのかと言えば、実はそこでお菓子を食っているアホが相当強いらしい。


 正直、他の隊員はナッシュ様の話し相手だけしてればいいとか。


「第一も第二も討伐に向かう時は百人単位の大所帯ですが、うちは殿下がいてくれますからね~少数精鋭で行けるんです」


 と、いうのを朝議の後にコロンド君に聞いた。


 もしかして一騎当千ていうのかな?一応キリッとした顔のままお菓子はまだ食べているけど、私にはとても強くは見えないね。


 そんなことを考えながら、置時計を見て時間に気が付いた。


 いけないっお昼前に、軍服の採寸があるんだった。


「軍服の採寸に軍部の詰所に行ってきます」


 今日お昼はお弁当を持って来ている。折角だからモルとモロンのソーナ炒めと、きのこバターのサンドウィッチと果物のジャムを挟んだサンドウィッチ。後、葉野菜のソーナサラダ、致し方なくナッシュ様の分もだ。


 自分だけ持って行こうとこっそり作っていたら、見つかってしまって、致し方なく三人分くらいは作ってきた。


「ナッシュ様に一応、渡しますけど。あくまで昼食用ですからね?万が一私がお昼時間に間に合わなければ、先に食べておいて下さいね」


 ナッシュ様がバスケットの包みを受け取って満面の笑みを浮かべた。


「何々?それ何?」


「いいだろう~お前にはやらんぞうぅ~~アオイの手作りの昼食なのだ!」


「うっそ!?どんなの見せてくれよっ!」


 ジューイとナッシュ様、二人がじゃれているのを横目に私は軍部の詰所に向かった。


 詰所で応接室の一室を借りて制服の搬入業者と、普通に商談をしてしまった。しかも軍部のおじ様がいる前で商品の値引き交渉をして、自身の制服のデザインに物申したり、張り切り過ぎた。


 でも成果は勝ち取った、搬入価格を二割カット出来たし、デザインを大幅に変えて男性用の軍服も自分の案を盛り込めた。


 来季からの新規軍服を見ていろよ!スタイリッシュで女の子にモテモテに大変身だぁぁ!


 お昼のサンドウィッチはやっぱり、ナッシュ様とジューイに食べ散らかされていた。あんなに注意したのに、あんなにすぐ食べるなと言ったのにさ。


 朝議の後、軍部の備品庫に行って留守だったフロックスさんにもちろん告げ口した。凍らされてしまえっ!


 パーテの向こうでナッシュ様の悲鳴が聞こえるが知るもんか!私は明日からの討伐に向けて一月の献立を考えつつ、初の遠征に思いを馳せていた。



牛乳も滴る皇子様

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ