見て。わたしだけ。
わたしを見て。
わたしより傷を負っている人は、ここにはいない。
わたしを見て。
わたしより弱々しい人は、ここにはいない。
優しいはずのあなた。こっちを見て。
規約された優しさであっても、いい。
ここで、この衰弱の許された世界で、わたしは瀕死を宣言する。
わたしは、あなたの差し伸べる手が欲しい!
平淡な道でさえ、わたしの薄幸の足取りで、断崖の景色。
わたしは、あなたの慈しむ声が欲しい!
温かい食事でさえ、わたしの絶望の涙で、最後の晩餐。
わたしは、あなたたちの慰めの言葉が欲しい!
わたしを見て。わたしだけを触れて。
この世界で、わたしより動けない人はいない。
この衰退が許された部屋では、慈悲の声だけが腹を満たす。
わたしだけを見て。
あなたの手を振りほどき、優しい言葉に耳を塞ぐとき、あなたの見せかけの愛に、無償の愛の快感が憑依する。
わたしを見て。わたしだけを慰めて。
あなたの慈愛が食えるなら、あなたの前でだけ、わたしは瀕死の天使に成りすます。




