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ヤンキー巫女と五月病神  作者: 月見里 藍璃
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第壱話

初心者なので分かりづらい表現があると

思います。そこは目を瞑って温かく見守って

下されば何よりです。

【神】

人知を越えてすぐれた、尊い存在。

宗教的信仰の対象としても、威力のすぐれたものとしても考えられている。


【巫女】

神に仕える女性。神楽・祈祷を行い、また、

神託を伺い口寄をする者。




「わー!寝坊したーーっ!!!」

敷き布団から跳ね起き、部屋を飛び出す。


ここまでは普段よくある風景でしょ?

ここから要注意。


「おい絢香ぁ~朝から五月蝿いぞ~…」

目を擦りながら襖を開けたのは

金髪に獣耳、九本の尾を持つ人外の男。

普通じゃないでしょ。うん。

「遅刻しそうなのっ!邪魔しないでよ」

バタバタと玄関に向かう私に、

「チコク?そんな事より飯だ飯~」

この呑気野郎め。

「ご飯はテーブル!行ってきまーす!」

家を勢い良く後にした。


なんで家にあんな狐が…?!


発端は1週間前に遡る。

私の家は花皇神社と呼ばれる高台の神社で

土地神様を祭っている。

私は今高校生で巫女見習いなのだ。面倒くさ。

学校では青春という青春は送れていない。

何故なら私は底辺の不良JKだからだ。

不良といっても大層な事はしない。

無断欠席、深夜外出etc…で補導されるだけ。

私は不良グルでも比較的良い子だったのか、

グループを追い出されてしまった。

家には祖父母と私しかいないし、

これを機に不良を卒業しようかと思う。

だが喧嘩腰や口調、外見をなおすのは

時間が掛かりそうだった。


私はその日、祖母の言いつけで裏山にある

御神木に祈祷に来ていた。

いつもなら祈祷の祝詞を唱え、御神酒を供える

だけなのだが何故かその日は違ったのだ。


御神木に妙なお札が付いていた。

見た事もない赤いお札…誰かが貼ったのか?

剥がそうと思い手を触れた瞬間だった。

赤い札が光り出したのだ。

「うわっ!」

光は辺りを飲み込んだ。光が収まり、

現れたのが、そう。

あの狐の男なのである。


狐はホノカと名乗った。

そいつの話だと大昔に祓い屋に封印された

という。非現実過ぎて信じ難かった。

しかしここは神域。封印される程やばい奴が

なんでここに?


「なあ絢香、コレは何だ?」

ホノカが指差したのは、テレビであった。

「…それはテレビ」

「箱の中に人が居るぞ?てれびは不思議だな!」

ニコニコしながら家の中を歩き回る彼は

本当に何者なのか更に疑いが深まる。

「なあこれって絢香?」

「あ?」

次に持ち出してきたのは写真だった。

しかも中学の時の私の巫女装束と不良仲間の

ヒドイ写真。私にとってはグレー歴史である。

「見るな!ひでーやつだから…」

「何故だ?おい絢香ぁ?」

「とにかく!これは没収!」

私は写真を取り上げた。

「絢香、巫女装束嫌いなのか?」

「ああそうだよ!文句あるか!?」

少々キレ気味で言いよった。

あ、口調なおすの完全に忘れてた。

「…ッ、キレてごめん」

「気にしないぞ?それよりアレやりたいぞ!」

「アレって…?」



狐がテレビとにらめっこしている。

手元にはコントローラが握られており

ガチャガチャと音を立てて指が動く。

更にはジュースとお菓子も側に待機している。

こんな風景見た事あるだろうか?

それが面白くて私はずっとニヤニヤしていた。


「…上手いじゃん」


この後、狐の五月病はリズミカルに

進行していくのであった。

私の不良卒業への道はだらだら

進行していった。

巫女嫌いは日々変化したが。


読んで頂きありがとうございます。

いかがだったでしょうか?続編も書いているので

応援よろしくお願いします。

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