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飾り扉の使い方  作者: へたすん
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それからの話

街の地下に張り巡らされた地下水道を1人の男が駆けている。

その場所は元々あった洞窟を改良したものであり未だ未整備の横穴も多く残されている。


「次の分岐を右に…」


目指すは最速での脱出。

本来使うはずのなかった非常用の逃げ道を全力で走り抜ける。


お世辞にも綺麗とは呼べない場所を走る男は小綺麗な格好、それも上流階級と呼べる装飾のある服装ではあるがその肩周辺には切り傷があり、押さえつけた指の隙間から赤い血がじんわりと溢れている。


次の分岐が最後でありその後は出口まで一本道があるはずだ。

地下の整備計画に手を加えわからぬように残した道は知る人がおらず、安全に抜けられるはずだった。


「馬鹿な!」


思わず叫んでしまったのも仕方がない事であろう。

崩落や埋め立てといった道を塞ぐような事案は無かったはずなのだ。

たどり着いたのは行き止まり。

それまでは壁を補強していたレンガが積み上げられ、完全に封鎖されているのだ。


「クソっ!」

もしやと思い壁を蹴るもビクともしない。

どれだけ厚く埋められているかわからぬ以上別のルートで抜けるしかない。


「分岐はかなり前だったはず……間に合うか?」

モタモタしていると隠し扉に気付いた追っ手と鉢合わせてしまうだろう。

踵を返した男は動き始めた足を止め立ち竦む。


「予想通りの道で助かりました」

男の前には全身を黒に統一し革鎧を纏った茶髪の青年が腰に下げた剣に手を掛けて油断なく見つめていたのだ。


「この世界にお別れを済ませましたか?」

口調だけは軽やかに、青年は男を逃がさないように集中して話しかける。


「わ、私が誰か分かっているのか!?このような事をして無事であると思うなよ!」

男は壁側へ後退りながら震える声で虚勢をはる。


「えぇ、あなた方がこの世界に対して喧嘩を売ってることは知ってますし、お仲間は順次追い出していきますから安心してください」

男の中に眠っている外の神の因子を処理するためにブロードは夜の襲撃という形で追い詰めて居るのだ。


「それに、証拠は残らず消えるのでご心配無く。あぁ、代わりの死体も用意しているので不運な出来事として処理されるよう手配してあります」


「何を言って……?」

男が混乱している最中、ドンッと地響きが洞窟の奥からひびいてきた。


「屋敷の処理が終わったみたいですし、手早く終わらせましょう【ゲート】」


男の背後に現れた扉は刑執行人の元へと繋がる特別なものだ。


「まだ、このような所デッ」

魔法を使うために力を込めた男の脛に、足元の壁から飛び出したレンガが直撃をした。


「では、さようなら!」

ここぞとばかりに駆け出したブロードは蹲る男の首元をつかむと全力で扉の中へと放り込む。

扉を閉じてゲートを消すと地下洞窟には静けさが訪れる。


「ラビ、さっきはありがとね」

道を閉ざしていたレンガは宙へ浮かびながら崩れていき、元あった道の壁へと収まっていく。

壁の裏側から現れとラビと呼ばれた毛玉のような生き物は兎のように飛び跳ねてブロードの胸元へと収まるとキュッキュと声を上げて喜びを表現している。


「次は西方諸国連合だったかな?とりあえず報告に戻ろうね」

白色の毛玉は日頃の手入れにより触り心地もよく、ブロードは頬擦りしながら新たな【ゲート】を開き扉を潜る。


悪巧みをする外の神々を全て追い出すために、ブロードは黙々と出来ることをこなしていくのであった。

以上でブロードのお話はおしまいです。

機会があれば作中の隙間話やその時誰が何をしていたかなどを付け足していく予定です。

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