お誘い
本日は短めです。
赤土の団長リロ・テッドが求めているのは組織への加入であった。
「武闘大会で優勝するくらいだから強さは間違いない。まぁ無理にとは言わないよ。強い人って結構群れることを嫌うことが多いからね」
猫毛な髪に爽やかな笑顔、可愛らしさの溢れる穏やかな雰囲気の男だ。
そんな彼の横には前髪を下ろして少しだけ顔を見づらくした赤髪の女性が俯き加減で彼の袖を引いている。闘技場で見た雰囲気とは違い、随分としおらしい感じになっている
「まぁ考えぬこともないが我らはもうすぐ旅に出るのでな、役に立たぬやもしれんぞ」
フェリールからの回答はどちらでもいいように聞こえた。
「なら3日後にある一斉討伐には参加するのかい?君達が居てくれると随分と楽になると思うんだけど」
「何じゃ?それは」
「この街から迷宮都市へ向かう道の途中に森があるんですが、平和祭の時は手薄になるので魔物が多く産まれるので国が依頼する形で大規模な討伐作戦があるんですよ」
「それが3日後か。それくらいなら参加しても良さそうじゃな」
ブロードの説明を聞いたフェリールはブロードの方を見ながら呟いた。どうやら戦闘訓練と称してブロードを使うつもりらしい。
「そう、か。無理にお願いするつもりは無いし、3日後に来てくれそうなことが分かっただけでも十分かな?」
「あの、強いの、教えてください」
置物のように口を閉じていたリヴィがそんなことを言った
「リヴィ、お願いならちゃんと言わないと伝わらないよ?ごめんね、彼女人見知りが凄くて初対面の人にはこんな感じなんだ。で、彼女が言いたかったのはもっと強くなりたいから指導を願えないかってことなんだ」
リロは肩を抱き寄せながら説明してくれる
「指導と言うてものぅ…流石に暇では無いのでなぁ…」
ちらちらと見ながらフェリールが答える。
「少しなら大丈夫だと思いますよ。タダでとは言いませんが」
「なっ!なんでお前が答えるのじゃ!」
「おや?たのめるのかい?それで僕らは何を出せば良いのかな?」
「むむ…そこはじゃな…そう簡単に出来るようなものではなくてな…」
「基本は美味しい飯があれば大丈夫ですよね?」
ブロードはフェリールを見つめながら確認する。
「うぐっ…む、ぬ、そ、それはそうであるが…もっとこう強気に要求を通しても良いのではないか?」
「お金には困ってないですよね?それに今までの行動で食欲以外に求めた事ありました?」
「うぬぬ……」
「と言うことで、美味しい飯を頂けるなら1日2日くらいは指導出来そうです」
「そうかい?じゃあ日に2食分、美味しいところを紹介するからそれで頼めるかい?期間は明日明後日かな?」
「あぁもう!それで良いのじゃ!」
「なら明日の朝、ここに来るから短いけど宜しくね」
「お願い…です」
「はい。お願いします」
「仕方ないのじゃ」
どこか不貞腐れたようなフェリールは根菜を煮た汁物を食べ始めた。今日の朝食である。
腕を組んだ2人が立ち去るのを見ながら、ブロードは戦場での姿とのギャップに戸惑いを隠せないでいた。
「それで、勝手に決めちゃいましたけど良かったんですか?」
「まぁ良い。お前さんにもしっかりと手伝って貰うでな」
フェリールはニッコリと微笑むが目はあまり笑っているようには見えない。
「はは……お手柔らかに…お願い、します、ね?」
「うむ。任せておくのじゃ!」
ブロードは後悔しながら自分も朝食を食べるのであった。
深い森の奥、人が訪れるには過酷すぎる場所。
そこでは儀式が行われていた。
「今年もまた駄目であったか」
老人は呟いた。
儀式の失敗を知ってしまったからだ。
「残された時は少ない」
「いつまで持ち堪えるものやら……」
「万が一のことも考えねばならぬやもしれぬ」
彼らは存亡の危機を迎えている。
「次が最後の儀式となろう。巫女よ、分かっておるな?」
「はい。必ず、我が身に変えても」
巫女と呼ばれた少女の目には強い意志が宿っている。
彼らは森の隣人。
森とともに生きている。
森には年々闇が広がっていた。
伏線を張り巡らせるって大変ですよね。
私は諦めています。




