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飾り扉の使い方  作者: へたすん
24/55

午後の1番

更新は五時台としております!(建前)

書き溜め出来ていないので間に合いません(本音)

「お疲れ様でした」

黒い髪をなびかせて颯爽と舞台から降りるフェリールにブロードが声をかける。

「大して疲れてはおらんがな」

汗すら見せずにおわらせたのだから、本当にそうなのかもしれない。

「かなり相手を怒らせていたみたいですけど、なにか理由があるんですか?」

「理由か?戦いにおいては特に意味は無いぞ」

「意味が無いのに嘲笑ってたんですか?!」

「優れた戦士というものはあの程度で感情を出さぬものじゃからな」

「じゃあ何のためにあれだけのことを?」

「なんじゃ、見ておらんかったのか?剣を落としたあの男、よい表情をしておっただろう?」

思い起こされるのは圧倒的な力量の差を実感し諦めにも似た落胆の表情をした姿だ。

「人が圧倒的力の前に屈する姿というのはいつ見ても楽しいものじゃ」

「そう、だったんですね」

ブロードはその感覚を納得はできないが理解はした。


「なんじゃ、可哀想とでも思うたか?」

「え、えぇ、一応……」

「つまらぬなぁ。これが魔物相手であればあやつの命は残っておらぬのだぞ?負けてなお立ち向かう勇敢さと強さを求め続ける向上心が無くては強くはなれんぞ」

「まぁ、そう言われてしまえばそうなんですがね?」

魔物相手って、あなたは人じゃ無いですよね?とは言えなかった。


「さて、早めの昼にするとしようかの」

「食堂は前回と同じ場所らしいですよ?」

「そうか!ではもう1度挑戦をしてやろうかの!」

「えっ!またですか?!」

「昨日は横着をしたからな。本来の形でやるのじゃ」

本来の形、すなわち1口食べる毎に次が入れられる定番の形だ。

「やってるかどうかはわかりませんよ?」

昨日は名物としての意味合いがあったのでもしかしたら、という所もあるのだ。

「なに、そのときはその時じゃ」

二人は対照的な足取りで食堂へと向かったのであった。




食堂には前の試合をしたであろう数名がいた。

「今日もやるのかい?」

フェリールの姿に気がつくと厨房の料理人はやや暗い顔をしていた。

「うむ。今回は纏めずに出して欲しいのじゃ。記録を狙うためではないからの、少しで十分じゃ」

「そういう事なら大丈夫だ。記録を狙うには在庫がなくてな、もしそうなら断らなければならんところだったんだ」

「では頼むぞ!」

「すぐに作るが百杯程度になるぞ?」

「十分じゃ」

「じゃあ少し待っててくれ」

当然、まるで作業のように淡々と飲み込まれていく姿を横目に、ブロードは焼き飯を頬張るのであった。



「さて、そろそろ時間みたいですね」

話をしながら水を飲み、寛いでいると呼出がかかった。

「うむ。では行こうかの!」

立ち上がって歩き出す2人には緊張の色は見えず、まるで散歩にでも出かけるかのような気楽さが漂っていた。


二戦目、準々決勝の対戦相手は予選で見た篭手を付けた男の人だ。

「あんたらが相手とは随分と運がねぇな……」

昨日とは違い篭手は肘までを覆っており、脚にもカドのある防具が付けられている。

「うむ。よろしく頼むぞ!」

ブロードが端から眺める中、2人は握手をして構える。

「言えた義理ではないんだが、素手でやるのか?」

男は警戒をしながら尋ねる。

「武器なら持っておる。簡単に負けてくれるなよ?」

フェリールが言いながら魔力を纏うと両手から肘までを覆う鎧状の防具が現れる。膝から下にも同じようにまとっているのでほぼ相手と同じ出で立ちだ。

「同じ武器で負かすってか?随分と余裕だな」

「遊びは楽しくなくてはな!」

開始の掛け声が上がると会場を埋め尽くしている観客から様々な声が掛けられる。

「ただの遊び、か……じゃあ少し、揉まれてやろうかな!!」

同時に踏み込んやだ二人の拳がぶつかり、戦闘は始まった。


男の戦い方は蹴って殴る、ただそれだけだ。相手の攻撃を弾きながら打撃を与える。内面的なダメージが主体だ。

男が繰り出す攻撃をフェリールは軸を逸らすことでかわしながら、隙あらば掴み投げ飛ばす。投げられた男は猫のように体をひねってダメージを減らす。

「やっぱつえぇな!」

一向に攻撃を当てることが出来ないまましばらくやりあった後、男は地面を転がってから楽しそうに口を開いた。

「早くせねばこのまま決めてしまうぞ?隠している場合ではあるまい?」

「準決勝くらいまでは残しておきたかったんだがな。仕方ない、とっておきを見せてやるよ!」

男が両手足を地につけて吼えると、身体が震え、赤い湯気のようなものが全身から現れる。

「獣化、じゃな。面白い技をもっておるな」

「知ってんのか。じゃあ遠慮はいらねぇって事だよな!」

身体から漏れる赤色の魔力は毛皮のように身体を包み、ひとまわりおおきな獣のように変わっていく。

その姿はまるで虎のようだった。

「いぐぜぁぁ!」

咆哮のような声を上げながら男が地を蹴り飛びかかると、フェリールは懐に潜るようにかわしていく。獣の容姿となった男の攻撃は石でできた舞台に傷跡を残すほどだ。

「まだまだァ!」

地面をえぐりながら速度を落とし、向きを変えて何度も襲いかかる。

戦いはまだまだ始まったばかりである。

戦闘回、もっと細かく描写した方が楽しいですかね?

試行錯誤の制作です

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