一之巻
初めて書きました。運転中に思いついたものを自分なりに書き起こしてみました。気に入っていただけたらありがたいです。そうでなくてもありがたいです。良くも悪くも評価してもらえたらすごくうれしいです。
澄みきった星空が輝く夜、少しばかり欠けた月の下を2つの光が駆けた。
翌朝
「おい佐ノ助!てめぇは基本的な忍法、壁駆けもできやしねぇのかい?落第だ!けぇれけぇれ!」
俺の目の前にる腕組みをした強面の男が強い口調でそう言ってきた。
めっちゃ怒ってるし。
でも俺だっていままで何もしていないわけじゃあねぇ。
練習は人一倍してきたつもりだ。
「先生!まだやれます!少し壁を歩けました!次こそ!」
「だめだ!おめぇは不合格!一生掃除でもしてやがれ!」
と、俺は忍者学校を蹴りだされた。目の前には見慣れた高い門
こいつを見上げるのも何回目だろう・・・
俺は忍法を使えない忍者
いや、忍者もどきといった方が正しい
俺は小さいころから影の仕事に憧れていてそれが将来の夢だった。
20歳を迎えた今もその夢はかなっていない
本来ならば既に忍者になっていて任務をたくさんこなしている予定だった
実際に同期はたくさんの任務をこなしていることだろう
基本的な忍術壁駆けですらまともにできないでいる・・・。
「はぁ・・・また不合格・・・」
もう半分わかっているのだ。
なりたいものには努力しても才能がなければなれない。
夢がないことを言うが俺の場合これが現実
俺は服についた土ほこりをはらいしっかりとした足取りでとある場所へいく
「さぁ!張った張った!それではみなさん丁半駒出そろいました!」
「四六の丁!」
丁半博打だ。俺はクズ、全うな人にもなれない。
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あぁ・・・終わった・・・終わった
所持金50円だった。時間にして30分、2万円相当が瞬殺だった
(家にあるものでなんとかしのぐしかないな・・・)
もうこの世の終わりだった。いいことなんて一つもない。
ふらふらと魂が抜けたかのように家路につく道中
たくさんの町の雑踏の中ある商人たちが話している声が不意に耳に入ってきた
「おいおい、なんでも最近夜になると牛がこのあたりを徘徊するようでよ」
「そいつぁその牛飼いの管理が悪いねぇ。ちゃんと繋いでおかないと」
「それがそうじゃねぇんだよ、なんでも体が牛で顔は醜い人間の顔なんだとよ」
「お前さん冗談はやめてくれよ!そんなことあるわけないだろうよ」
「それでそいつに予言されるとその通りになるんだってよ!この間の大通りの焼死体は
そのせいだって専らの噂で・・・」
くだらねぇ、実にくだらねぇ。もしそいつがいるなら金が増えると予言してもらいたい
一生楽して暮らしてぇものだ。そうこうして家についたわけで。
「ただいま」
まぁ誰もいやしないんだけどさ
!?
ちょっと待ってくれよ。おいおいおいおいどうなってんだ?
いつもそこにあるはずのボロボロの見慣れた天井をみて驚いた。っていうか見慣れてたのがなかった
見知る見知らぬの前に天井がないよ!父さん!
穴からはきれいな青空がにっこりしていた。
「不幸すぎるでしょ!なにこれ!なおせないやつだよ!」
勢いよく独り言がでた。家くらい普通であってほしかった。
深いため息をついて家に上がると足に何かがあたった。
これが屋根を突き破ってきた原因かと拾い上げると
このあたりではあまり目にしない重厚感のあるきらきらとした塊だった
(なんだこりゃ)
いくつか突起がある。
おそらく押せばなにかしらのからくりが作動するのだろう。
まぁ押しても何も起きていないが。
これは西洋から渡ってきたものだと思った
そしてこれを一瞬で質にいれちまおうとも思った。
でもそれはとりあえずあと、今はこの家に唯一ある食糧の大福でも食って寝ることにしよう。
天井とこの塊はそれから
大福をとろうと戸棚に手をかけた瞬間、天井の穴から現れた何かが大福をとっていった。
目で行方を追うと窓の下に大福を咥えた野良狐がこっちをみてる。
「うわぁ!何してんの!返してよ!じゃないときつねうどんにするぞっ冗談だよ~ルールルルル♪」
まずは警戒をといて仲良くなってからだと俺は瞬時に狐を手なずけようと声を発した。
しかし野良狐は俺の忠告を無視して
というよりかさらに煽るように大福を丸呑みにした。
大福が逝った。さよなら食糧、さよなら世界。僕は死にます。
『へっきつねは食べてもはうまくねぇぞ』
ん?いま声が聞こえたような。
首から何か下げている?
そんなことを考えているうちに狐は障子をぶち破って外に出て行った
「あっ!まちやがれ!これ以上壊すのはやめてぇ!」
障子まで破りやがった。
もう家がぼろぼろすぎてほぼ屋外みたいなものだった。
とにかく追って捕まえる
というか狐ってまずいのだろうか。