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第98首 空しい想い
なぐさめし つきにもはては ねをぞなく こいやむなしき そらにみつらん
彼女のことを思うとき、月を見る。
そのたび、月がぼくをなぐさめてくれていた。
でも、今ではもう、この気持ちをどうすることもできなくて、泣き出してしまうほどだ。
彼女に寄せた思いは、報われないままどこにも行くことができず、虚空を満たしているだけなのだろうか。
【ちょこっと古語解説】
○音をぞ泣く……「音を泣く」で、声を出して泣く、の意。「ぞ」は強調。
○や……疑問を表す助詞。
○らむ……現在推量を表す助動詞で、「~しているだろう」の意。
なぐさめし月にも果ては音をぞ泣く恋やむなしき空にみつらむ(続古今和歌集)




