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第94首 僕色になれ
いろならば いづれかいかに うつるらん みせばやみばや おもうこころを
もしもこの気持ちが色であるとしたら。
そんな仮定をしてみたんだ。
どこを染めるのだろう、どれくらい濃く染めるのだろう、なんてね。
鮮やかなこの気持ちを、君に見せたいな。
自分でも見てみたい。
【ちょこっと古語解説】
○うつる……染まる、の意。
○ばや……願望を表す助詞で、「~したい」の意。
○見……元の形は「見る」で、この和歌では、そのまま「見る」の意。しかし、多く、「男女が関係を結ぶ」意で「見る」が用いられるので、注意。
色ならばいづれかいかにうつるらむ見せばや見ばやおもう心を(続古今和歌集)




