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第93首 新しい気持
きみにより おもいならいぬ よのなかの ひとはこれをや こいというらん
世界の中心に君がいる。
君が微笑めばそれだけで僕は嬉しくなって、君が悲しい顔をすれば僕は先んじて涙を流す。
何事も君なしではうまくない。
こんな気持ちは初めてだ。
君のおかげで、気がついたことが一つ。
世間の人はこの気持ちを恋と呼んでいるのかなってね。
【ちょこっと古語解説】
○思いならい……元の形は「思いならう」で、「習い覚える」の意。
○ぬ……完了を表す助動詞で、「~した」の意。
○らむ……現在推量を表す助動詞で、「~しているだろう」の意。
きみにより思いならいぬ世の中の人はこれをや恋というらむ(続古今和歌集)




