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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
色色の歌
91/298

第90首 破局後の生

われながら しらでぞすぎし わすられて なおおなじよに あらんものとは

 雑踏の中にあの人の顔を見つけて、心臓が止まる思いだった。

 昔の恋人。

 あの人と別れて、捨てられて、どのくらい経つんだろう。

 離れたら死んでしまうに違いないと、そんな風に思っていたあの恋の終わりから、時は移り、その移り変わりの間、わたしは知らないで過ごしてきてしまったんだ。

 いまなお、わたしが、あの人と同じ世界に生きていたということを。

 

【ちょこっと古語解説】

○で……打消(うちけし)接続を表す接続助詞で、「~しないで」の意。

我ながら知らでぞ過ぎし忘られてなおおなじ世にあらんものとは(続後撰和歌集)

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