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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
色色の歌
85/297

第84首 黒髪で涙を

おさうべき そではむかしに くちはてぬ わがくろかみよ なみだもらすな

 成らないあなたとの恋に、ふと流れる涙。

 その涙を抑えるために使うはずの袖は、昔むかしに朽ち果ててしまいました。

 どれだけの涙を流したことでしょう。

 そうして、これからどれほどの涙を流すことになるのでしょう。

 今はもう、袖の代わりにこの髪で、目元を抑えるしかありません。

 ああ、わたしの黒髪よ、どうか涙を漏らさないようにね。


【ちょこっと古語解説】

○おさう……押さえる。

○べき……元の形は、べし。「べし」は色々な意味があるが、ここでは「当然」の意。訳は、「~するはずだ」くらい。

○ぬ……「~してしまった」という完了の意を表す。

おさうべき袖は昔に朽ちはてぬ我が黒髪よ涙もらすな(続後撰和歌集)

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