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第67首 涙の手紙を
おもいがわ いわまによどむ みずぐきを かきながすにも そではぬれけり
うまくいっていないあなたとの仲。
それを思って泣くわたしの涙は川を作るほど。
その川によどむこの気持ちを水草のような字で書くと、手紙をしたためている間にも、どうしようもなく袖が濡れるのです。
【ちょこっと古語解説】
○思い川……福岡県中部、太宰府天満宮の付近を流れる御笠川のこと。
○いわ……「岩間」の「岩」と、「言わ」を掛けている。
○水茎……「水草」と「筆跡」の二つの意味があり、その二つを掛けている。
○袖……和歌で袖が出てきたら、涙を連想すること。袖で涙を拭うわけです。
思い川いわまによどむ水茎をかきながすにも袖は濡れけり(新勅撰和歌集)




