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第62首 血染めの袖
みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず
わたしの袖をあなたに見せてあげたい。
海水に濡れに濡れた漁師のそれのように、涙に濡れている。
それだけならまだいい。
いくら濡れたって漁師の袖なら色まで変わることはないでしょうけど、ほら、わたしの袖は真っ赤に色が変わってしまった。
あなたを想って泣く、血の涙で。
【ちょこっと古語解説】
○ばや……「~したい」の意。
○雄島……宮城県の松島群島の一つ。
○あま……漁師のこと。男女どちらのこともいう。
○だに……「~でさえ」の意。
見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色はかわらず




