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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
色色の歌
62/297

第61首 命絶えても

たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする

 わたしの命。

 なくなってしまうなら、なくなってしまえばいい。

 生きながらえることによって、秘め隠そうとする気持ちが弱ってしまうことが怖い。

 この恋は誰にも知られてはいけないのに。

 

【ちょこっと古語解説】

(たま)の緒……本来は「玉を貫いた緒」のことだが、「(たま)を身体につなぐ緒」の意に転じ、命を表す。

○絶えなば絶えね……「な」と「ね」は、ともに「ぬ」の変化で、「完了」を表す。「ね」は命令形。「ば」は、「~ならば」という仮定を表すので、全体で、「絶えるなら絶えてしまえ」くらいの訳。

○ながらえば……「ながらう」は、「生きながらえる」の意。「ば」は「~ならば」を表す。全体で「生きながらえたら」くらいの訳。

○忍ぶる……「忍ぶ」の変化。「我慢する」の意。

○よわりもぞする……「もぞ」は「~したら困る」という心配の気持ちを表す。全体で、「弱ったら困る」くらいの訳。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらえば忍ぶることのよわりもぞする

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