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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
色色の歌
58/297

第57首 心体の違い

おもいわび さてもいのちは あるものを うきにたえぬは なみだなりけり

 きみに冷たくされて、思い悩む。

 そうして悩んでも体はどうにもならないようだ。

 命はある。

 その代わりに心が狂おしい。

 辛さに耐え切れずに、ほら、涙が浮かぶ。


【ちょこっと古語解説】

○思いわび……「思いわぶ」は、好きな人に冷たくされて悩む気持ちを表す。

○さても……そうであっても。

○ものを……「~なのに」という逆接を表す。

()き……憂鬱な状態のこと。

○たえぬ……「たえ」は、耐えるの意。「ぬ」は、「ず」の変化で、「~ない」という打消の意味。全体で、「耐えない」くらいの訳。

思いわびさても命はあるものを憂きにたえぬは涙なりけり

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