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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
色色の歌
49/297

第49首 忘れない人

ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする

 山に近い笹原に風が吹いて、笹の葉がそよそよと鳴る。

 思い切って言いますが、それと同じことなんです。

 あなたから連絡があれば、わたしの心は高鳴るもの。

 どうしてあなたのことを忘れることなんてあるでしょうか。


【ちょこっと古語解説】

○有馬山……現在の神戸市北区有馬町あたりの山。

猪名(いな)の笹原……今の伊丹市から尼崎市あたりの平野。

○いで……人を何かに誘うときや、自分が何かをしようとするときに発する語。

○そよ……笹の葉が「そよそよ」と鳴る音を表すとともに、「そのことなんですよ」という意味も表す。

○人……「大好きなあなた」の意。和歌の中で、「人」と来たら、そのように解釈して大体OK。

○忘れ……恋人を捨てる、という意味。和歌の中で、「忘る」と来たら、そう解釈できることが多い。

○やは……「~だろうか、いや~ではない」という「反語」という用法。

有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする

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