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第47首 はらむ別れ
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな
「きみを愛しているこの気持ち、絶対に忘れないよ」
その言葉がこの先ずっと続くことを、信じることは難しい。
人の気持ちは変わるもの。
いっそ、その言葉をもらった今日という日を最後に、死んでしまえたらいいのに。
【ちょこっと古語解説】
○じ……「~しようとしない」の意。
○行く末……将来。
○かたければ……「かたけれ」は、「かたし」の変化で、「難しい」という意。「ば」は、「~なので」という原因・理由を表す。
○もがな……「~であればなあ」という願望を表す。
忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな




