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第251首 夢の微笑み
おもわぬに いもがえまいを いめにみて こころのうちに もえつつそおる
(大伴宿禰家持)
昨夜、あなたが夢に出てきました。
あなたは夢の中で笑っていた。
その花咲くような笑顔を見てから、
わたしの心にあなたへの恋の炎が燃え続けています。
【ちょこっと古語解説】
○思はぬに……思いがけず。
○妹……男性が、配偶者や恋人など、親しい女性に呼びかける語。
○が……「の」の意。
○笑まひ……笑い。
○つつ……動作の継続を表わす助詞。「~し続ける」ほどの訳。
○そ……強調を表わす助詞。訳には表れない。
思はぬに妹が笑まひを夢に見て心の内に燃えつつそ居る(万葉集4-718)




