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第249首 想いの確認
よるひると いうわきしらず わがこうる こころはけだし いめにみえきや
(大伴宿禰家持)
今が夜なのか昼なのか、それさえも分からないほど、あなたのことを恋い慕う。
強く想えば、想った相手の夢に現われると言う。
きっと、わたしの姿もあなたの夢に現われたのではないか。
どうだろう、わたしの想いはあなたの心に届いただろうか。
【ちょこっと古語解説】
○わき……区別のこと。
○けだし……ひょっとすると、の意。
○きや……「き」は、過去の助動詞で、「や」は、疑問を表す助詞。合わせて、「~だったか」ほどの訳になる。
夜昼といふわき知らず我が恋ふる心はけだし夢に見えきや(万葉集4-716)




