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第213首 恋心つのり
しらとりの とばやままつの まちつつそ わがこいわたる このつきごろを
(笠郎女)
白い鳥が飛ぶ、飛羽山の、緑の松のもと。
あなたの訪れを待って、恋しさをつのらせ続けています。
そうして、もう数カ月。
今日もまたあなたをお待ちしています。
【ちょこっと古語解説】
○白鳥の……羽毛の白い鳥のこと。
○飛羽山……現在の奈良県奈良市にある三笠霊園のあたりにある小峰。
○渡る……元々は「移動する」という意味だが、動詞の後に付けると「~し続ける」という意味を動詞に添える。
○月ごろ……何カ月もの間。ちなみに、「年ごろ」で「何年もの間」、「日ごろ」で「何日もの間」という意味になる。
白鳥の飛羽山松の待ちつつそ吾が恋ひ渡るこの月ごろを(万葉集4-588)




