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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
万葉の歌
202/297

第201首 別れのおと

ささのはは みやまもさやに さやげども われはいもおもう わかれきぬれば

(柿本人麻呂)

 風が吹いて、笹が、葉ずれの音を立てる。

 さわさわ、さわさわ、と美しい山を震わせている

 わたしの心も震えているのは、彼女のことを考えているから。

 別れて来て、次にいつ会えるか分からない妻のことを。


【ちょこっと古語解説】

小竹(ささ)……竹類のうち、小形で茎の細いもの。

○み山……山の美称。

○さやに……さやさやと。

○さやげ……元の形は「さやぐ」で、(草木の葉などが)さやさやと音を立てること。

(いも)……男性から見た親しい女性のこと。妹だけではなく、妻や恋人も含む。

○ぬれ……元の形は「ぬ」で、完了を表す助動詞。「~た」くらいの訳。

○ば……原因・理由を表す語。「~なので」くらいの訳。

小竹の葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば(万葉集2-133)

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