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第197首 雨への嫉妬
あをまつと きみがぬれけん あしひきの やまのしずくに ならましものを(石川郎女)
わたしを待って濡れてくださったとのこと。
あなたを濡らした雫が羨ましい。
あなたに触れることができるのだから。
その雫がわたしだったらよかったのに。
【ちょこっと古語解説】
○吾……わたし。
○けむ……過去の推量を表す助動詞。「~ただろう」くらいの訳。
○あしひきの……「山」に関連する言葉を導く枕詞。枕詞とは、それ自体は意味を持たず、ある特定の語を導入するために置かれる飾りの言葉のこと。
○ましものを……「~だったらよかったのに」の意。
吾を待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくに成らましものを(万葉集2-108)




