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ワカコイ ~恋の和歌~  作者: coach
万葉の歌
195/297

第194首 大雪の自慢

わがさとに おおゆきふれり おおはらの ふりにしさとに ふらまくはのち(天武天皇)

 わたしの里に大雪が降りました。

 一面見事な雪景色ですよ。

 あなたの古びた里である大原はどうでしょう。

 残念ながら、もう少し後になるでしょうね。


【ちょこっと古語解説】

○り……完了を表す助動詞。「~た」くらいの訳。

○大原……今の奈良県高市(たかいち)明日香(あすか)村の地。

()り……元の形は、「()る」で、「古びる」の意。

○にし……「に」は、元の形は「ぬ」で完了を表す助動詞、「し」は、元の形は「き」で過去を表す助動詞。全体で、「~た」くらいの訳。「~た」の訳に関しては、過去でも完了でも、この「にし」のように過去のある時の完了でも同じ訳になってしまうが、過去と完了を語の上で区別しない現代語の都合上やむをえない。

○まく……「~だろうこと」くらい訳。

わが里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後(万葉集2-103)

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