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第190首 君を待つ間
ありつつも きみをばまたん うちなびく わがくろかみが しものおくまで(磐姫皇后)
このままここに居続けて、あなたのことをお待ちします。
いつまでも、いつまでも、ずっと。
あなたのいる方向から吹く風に、わたしの黒髪がうちなびく。
この黒髪が霜のようにすっかり白くなるまで、あなたを待っています。
【ちょこっと古語解説】
○をば……動作・作用の対象を表す助詞である「を」を強調した言い方で、訳自体は、「を」と変わらない。
○む……意志を表す助動詞。「~しよう」くらいの訳。
○霜……白髪のたとえ。
ありつつも君をば待たむうちなびく我が黒髪が霜の置くまで(万葉集2-87)




