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第182首 霜夜に一人
なげきつつ ひとりやさねん あしべゆく かものはがいも しもさゆるよに
あの人から色よい返事が得られない。
そのままに夕暮れを迎える。
嘆きながら一人で寝ることになるのだろうか。
葦辺を泳ぐ鴨の翼に寒々と霜が降りる、こんな夜に。
【ちょこっと古語解説】
○や……疑問を表す助詞。
○さね……元の形は「さぬ」で、寝る、こと。
○む……推量を表す助動詞。「~だろう」くらいの訳。
○葦辺……葦が生えている水辺。
○はがひ……鳥の左右の翼が重なり合う部分。転じて、鳥の翼。
○さゆる……元の形は「さゆ」で、冷え込む、こと。
嘆きつつ独りやさねむ葦辺ゆく鴨のはがひも霜さゆる夜に(新葉和歌集)




