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第180首 来る世の闇
ゆめにだに あいみぬなかを のちのよの やみのうつつに またやしたわん
夢でさえ一緒になれない仲。
来世ではまた、闇のような現実の中、あの人を恋い慕い続けることになるのだろうか。
【ちょこっと古語解説】
○だに……「~でさえ」の意。
○ぬ……元の形は「ず」で、打消を表す助動詞。「~ない」くらいの訳。
○闇のうつつ……古歌を踏まえた表現だが、ここでは、暗闇のようなこの現実、ということ。
○や……疑問を表す助詞。「~か」くらいの訳。
○む……推量を表す助動詞。「~だろう」くらいの訳。
夢にだにあひみぬ中を後の世の闇のうつつにまたやしたはむ(新続古今和歌集)




