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第175首 勇気の理由
われはただ こんよのやみも さもあらばあれ きみだにおなじ みちにまよわば
ぼくとしては、もう来世の闇なんか、どうでも構わない。
何も怖いものなんてないのだから。
君がいれば怖くない。
どんな道に迷っても、ただ君さえ同じ道に迷ってくれるなら。
【ちょこっと古語解説】
○来ん世……来世のこと。
○さもあらばあれ……どうなろうともかまわない、の意。
○だに……「~さえ」の意。
○ば……「~ならば」という仮定の意。「ば」は、他に、「~するので」(原因・理由)と、「~すると」(偶然条件)の意がある。
我はただ来ん世の闇もさもあらばあれ君だに同じ道に迷はば(新続古今和歌集)




