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第152首 恨みとなる
たがちぎり たがうらみにか かわるらん みはあらぬよの ふかきゆうぐれ
もうすぐわたしは死ぬだろう。
そのとき、誰と交わした約束を思い出すだろう。
その約束を破られた恨みの念に、この身は変わるだろう。
わたしの目の前で、夕暮れが、暗く広がっている。
【ちょこっと古語解説】
○誰……現代語と同じ意味だが、読みが「だれ」ではなく、「た」なので、注意。
○が……ここでは、「の」の意味。
○らむ……本来は現在の推量を表し、「今頃~しているだろう」くらいの訳となるが、ここでは単なる推量(未来の推量)を表し、「これから~するだろう」くらいの訳。
誰が契り誰が恨みにかかはるらむ身はあらぬ世のふかき夕暮(風雅和歌集)




