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第140首 再会の祈り
こいしなば またもこのよに めぐりきて ふたたびきみを よそにだにみん
この恋に苦しんでついに死んでしまったらの話。
また君のいるこの世の中に生まれてきたい。
君に親しく会えなくてもいい。
もう一度、遠くから眺めるだけでもいいから。
【ちょこっと古語解説】
○よそ……離れたところ、の意。
○だに……「せめて~だけでも」と最小限の限度を表す。
○見……元の形は「見る」で、ここでは、単に見るの意味だが、「男女が交際する・結婚する」の意味もある。
○む……意志を表す助動詞。「~しよう」くらいの訳。
恋ひ死なばまたも此の世にめぐりきて二たび君をよそにだに見む(続後拾遺和歌集)




