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第138首 夢に会う人
みずもあらで さめにしゆめの わかれより あやなくとまる ひとのおもかげ
見ていないわけではないけれど、ほんのちらりと見えただけ。
そんな風にして、夢から覚めた。
それ以来、夢で見たあの人の面影がとどまってしまう。
分別のないことだと分かってはいるのだけれど。
【ちょこっと古語解説】
○で……打消接続を表す助詞で、「~ないで」くらいの訳。
○あやなく……元の形は「あやなし」で、理由が分からない、の意。
○とまる……消えずに残る、こと。
○面影……顔つき・面ざし、のこと。
見ずもあらで覚めにし夢の別れよりあやなくとまる人の面影(続千載和歌集)




