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第134首 暮を待つ間
くれをだに なおまちわびし ありあけの ふかきわかれに なりにけるかな
あの人には、また夜に会える。
しかし、その夕暮れを待つことさえ耐えがたい。
有明の月の輝き。
その下でなされた別れは、とても辛いものになってしまった。
【ちょこっと古語解説】
○だに……「~さえ」の意。
○待ちわび……元の形は「待ちわぶ」で、「待ちくたびれる」の意。
○し……元の形は「き」で、過去を表す助動詞。
○有明……まだ月が残っているうちに夜が明ける、その夜明けのこと。
○に……元の形は「ぬ」で、完了を表す助動詞。
暮をだになほ待ちわびし有明のふかきわかれになりにけるかな(続千載和歌集)




