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第127首 自省の心を
よそにのみ ひとをつらしと なにかおもう こころよわれを うきものとしれ
自分ではないあの人のことばかり、薄情だと思ってしまう。
そんなわたしだって、あの人のことばかり言えやしないのに。
わたしのこのわがままな心にちゃんと分かって欲しい。
わたし自身がめんどうな存在なんだってこと。
【ちょこっと古語解説】
○よそ……「別の人・他人」の意
○人……和歌の中で「人」と出てきたら、「恋しいあの人」の意でとらえるのがよい。
○つらし……薄情である、の意。
○憂き……わずらわしい、の意。
よそにのみ人をつらしと何か思ふ心よ我を憂きものと知れ(玉葉集)




