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第122首 筆に宿る心
ものおもえば はかなきふでの すさびにも こころににたる ことぞかかるる
ちょっとした書きものをしていてハッとした。
まるで今のわたしの気持ちを書いたみたい。
あの人のことを思っていると、文章にまで思いが表れてしまうのかな。
【ちょこっと古語解説】
○ば……「~すると」くらいの訳。「~ならば」という仮定の意味ではないので注意。
○はかなき……元の形は「はかなし」で、「ちょっとした・取るに足らない」くらいの訳。
○筆のすさび……気の向くままに書くこと。気の向くままに書いたもの。
○たる……元の形は「たり」で、存続を表す助動詞。「~ている」くらいの訳。
○ぞ……強調を表す助詞で、訳には表れない。
○るる……元の形は「る」で、自発を表す助動詞。「自然と~てしまう」くらいの訳。
物思へばはかなき筆のすさびにも心に似たることぞ書かるる(玉葉集)




