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第12首 衣を着る時
しののめの ほがらほがらと あけゆけば おのがきぬぎぬ なるぞかなしき
(詠み人知らず)
東の空がしらじらと明けてゆく。
あなたの寝顔を見つめるわたしは昨夜のまま。
もうすぐ二人それぞれに服を着ないといけない。
それが別れのとき。
悲しいよ、もっと一緒にいたいのにな。
【ちょこっと古語解説】
○しののめ……明け方。
○ほがらほがらと……夜明けに空がしだいに明るくなる様子。しらじらと。
○きぬぎぬ……衣衣で、衣服のことを表すのだが、単なる衣服ではなくて、夜を共にした男女が翌朝別れるときに身につける衣服のことを指す。この別れのことも、衣衣という。後朝とも書く。
しののめのほがらほがらと明けゆけばおのがきぬぎぬなるぞ悲しき
(古今和歌集)




