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第117首 思い頼りに
おもいねの こころのうちを しるべにて むかしのままに みるゆめもがな
あの人と会えない日々が続く。
次はいつ会えるのだろうか。
せめて夢でだけでもと思い、想いながら眠りにつく。
会いたいという気持ちを頼りにして、夢の中へ。
昔はよくあの人の夢を見たんだ。
そのときのような夢を、また見ることができたらなあ。
【ちょこっと古語解説】
○思ひ寝……恋人を思いながら寝ること。
○しるべ……道の案内をすること。また、道案内をしてくれる人やもの。
○もがな……願望を表す助詞で、「~があればなあ」くらいの訳。
思ひ寝の心のうちをしるべにて昔のままにみる夢もがな(新後撰和歌集)




