1/2の幸運
1/2の幸運
約95分前まで、私は100%世界で一番の勝者だった。
誰もが羨む一流企業のエリートで、年収は私の五倍。
長身で気配りができて、俳優のように整った容姿。
まさに「スパダリ」を絵に描いたような彼との結婚が決まってからというもの、友人たちから向けられる視線は常に、強烈な嫉妬と羨望に満ちていた。
私自身、人生最大のボーナスステージを引き当てたのだと確信し、♪ランランとスキップするような思いで今日という日を迎えたのだ。
降り注ぐ光と祝福のフラワーシャワー。
最高のウェディングになるはずだった。
それなのに、披露宴も中盤に差し掛かった今、高砂に座る私に向けられる友人たちの視線は、昨日までのそれとは全く異なっていた。
「ドンマイ」「強く生きて」
そんな声すら聞こえてきそうな、慈愛と、明らかな「同情」を帯びた瞳。
時折スッと目を逸らす気まずげな彼女たちの態度に、私は引きつる笑顔を必死にキープしていた。
無理もない、と心の中で頷く。
彼のお母様は、元モデルのように美しく華やかな人だ。
隣で微笑む彼は間違いなくお母様の子供だ。間違いなく。
新郎側の親族席、そこに集う男性たちは皆、とても陽気で優しそうな紳士たちだった。
社会的に成功を収め、グラスを片手にニコニコと笑い合う姿は、非の打ち所のない素晴らしい一族に見える。
だからこそ、間違いがあって欲しいと痛切に願う私。
そこだけが神々の祝福を受けたであろう輝きを放っていた。
ひとりの例外もなく・・・。
メンデル先生、せめて1/2であってください。
ボーナスステージに隠し裏MAPもあるなんて聞いていません。
高思考モードのAIは騙せたけど人間には通じないかな。
追記:AIに読ませるとよくある結婚式の禿頭ネタと返すのです。
でもちょっと違うんですよ。もっとずっと黒いのです。




