対戦よろしくお願いします
こんなカードゲームは嫌だ。
山札は40枚。最初にメインとなる駒を場にセットする。
山札をシャッフルし、相手に数回カットしてもらう。
山札の上から5枚を引いて、それを手札にする。
マリガンは1回だけ。今回は良い手札だ。
「よろしくお願いします。」
「お願いします。」
俺たち対戦者は紳士…礼に始まり礼に終わる生き物だ。
「「バトルスタート!」」
戦いの合図と共にメインユニットを公開して縦向にする。
「《バトルヒーロー レッド》!!」
「《アイアンメイデン エイダ》です。」
相手のデッキは『メイデン』か…俺の『ヒーロー』と双璧を成す環境トップのデッキだな…!
「ドローフェイズ。1枚ドローする代わりに"レッド"の効果を発動。自身を横向させて山札からランク1の《バトルヒーロー》1体を登場させる!」
「どうぞ。」
「《バトルヒーロー ブルー》を登場!!登場時の効果で手札を1枚捨てて1枚ドロー!」
「"エイダ"の効果を発動します。便乗で1枚ドロー。」
「メインフェイズ。《バトルヒーロー イエロー》を登場!」
「手札の《アイアンメイデン ジェシカ》の効果を発動します。登場した駒を横向させて自身を登場します。」
しまった…通常の登場に反応する"ジェシカ"が手札にあったか…!
『アイアンメイデン』は妨害を得意とするデッキで、構築のセンスが問われる玄人向きのテーマだ!
「手札の《バトルヒーロー ピンク》の効果!場の《バトルヒーロー》1体を横向させて自身を登場させる。"ブルー"を横向させて登場!」
「どうぞ。」
「"ピンク"の効果!場に"レッド"が居るなら場の"レッド"以外の駒1体を山札に戻して手札の《バトルヒーロー》1体を登場できる。」
「どうぞ。」
「"イエロー"を山札に戻して《バトルヒーロー ブラック》を登場!」
「どうぞ。」
「"ブラック"の効果!場に"レッド"と"ピンク"が居るなら"レッド"を退却させて"ピンク"を自身の隣のゾーンに移動させる。」
「はい。」
「"ブラック"と"ピンク"が隣同士なので"ピンク"の兄である"ブルー"は2人の関係を詮索するが、妹の"ピンク"にウザがられてしまい"ブルー"は退却する。ドロップゾーンで再会した"レッド"と"ブルー"は飲みに行く。」
「はい。」
「"ブラック"の彼女である"パープル"が"レッド"たちの話を聞いてしまい、ドロップゾーンから復活!"パープル"と"ピンク"は言い争いになる。2人が喧嘩している隙に"ブラック"は"ジェシカ"をナンパしてコントロールを得る。」
「…はい。」
「その"ブラック"の態度に怒りを覚えた"パープル"は"ブラック"にキツい一撃を与えて横向させ、"ピンク"と共に退却する。」
「手札の《アイアンメイデン ドロシー》の効果。自分の場の《アイアンメイデン》が移動した時、自身を登場させる。」
「それなら…!横向している"ブラック"を見付けた"ホワイト"が手札から登場!"ブラック"を介抱して縦向させる!普段は軽薄な態度を取る"ブラック"だが幼馴染みの"ホワイト"の前では強く出る事ができず、調子が狂う。」
「はい。」
「他のグループに迷惑を掛けたと知ったOBの"グリーン"が山札から登場!"ブラック"を謝罪させて"ジェシカ"のコントロールを戻す。」
「はい。」
「尊敬する"グリーン"の噂を聞き付けた"レッド"と"ブルー"が戻ってくる。しかしそこには"ホワイト"が居た。数日前、"レッド"は"ホワイト"に告白されていた!」
「…」
「"ブルー"は"ピンク"の事が心配になって"ブラック"を連れて繁華街へ探しにいく。場の空気を察しての行動だった。"ピンク"と"パープル"がナンパされていたのを助けるが、"パープル"は"ピンク"と"ブラック"が仲良さげに話しているのに耐えられず山札に戻ってしまい"ブラック"はそれを追い掛ける。"ピンク"の目には涙が浮かんでいた。」
「やめろぉぉぉっ!」
「な、何だよ急に…」
「フレーバーがトレンディすぎるんだよ!何だよコレ!」
「自作のカードゲーム。」
「こんなの売れる訳ないだろッ!」
・自分…大学2年生。所属するボドゲ研究会で自作のカードゲームを売り出そうと画策していた。
・相手…同じサークルのメンバー。
バトルヒーロー
・レッド…21歳。優しくて面倒見のいいリーダー的存在。
・ブルー…22歳。冷静沈着で頼りになる存在。妹であるピンクの事になると冷静さを失う。
・ピンク…20歳。天真爛漫で純粋無垢なヒロイン的存在。兄であるブルーにだけは少し辛辣で、ブラックの事が好き。
・ブラック…20歳。好きなものは酒と女とギャンブル。独善的な振る舞いもイケメンだから許されている。幼馴染みのホワイトには頭が上がらない。
・ホワイト…20歳。誰にでも優しい聖母のような存在。ブラックの幼馴染みで、レッドに想いを寄せている。
・パープル…21歳。その美貌でミスコンのグランプリを取った美女。ブラックにストーカーを撃退されて以来、恋人を自称している。
・グリーン…25歳。在学中に書いた論文がその分野で認められるほど優秀なグループの前リーダー。慈善活動にも積極的に参加していてメンバーからも尊敬されている。
・イエロー…26歳。グループの最年長。自称チームの頭脳。クールだと思っているのかボソボソと小声で喋る。ネットに詳しく、メンバーが誹謗中傷されている事を詳細に知っている。
アイアンメイデン
・エイダ…推定10代。幼い顔付きに似合わないギロチンが背景に描かれている。
・ジェシカ…推定10代。ギャルっぽい見た目に大鎌を身に付けている。
・ドロシー…推定20代。お色気ムンムンって感じのイラスト。このままではキッズが目覚めてしまうのでデザインを変更しなければならない。




