表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あの回路

作者: マダナイ

僥倖だと言ってよいだろう。

息子の乗艦がこの中立コロニーに寄港したのも、私の生存を知り訪ねてきてくれたことも。

自慢の息子だ。いまや軍のトップエース、いや、ウルトラエースだ。旧世紀のハルトマンとかルーデルに比肩すると思うのは親の贔屓目ではないはずだ。

しかも、私が設計開発に大きく関わった機体でだ。

誇らしい。

だが、私の所見ではあの機体の性能の底がみえはじめている。早晩息子の技量頼りになるだろうし、いずれ息子の操縦操作についていけなくなる。

そもそもカテゴリーごと黎明期の機体だ。陳腐化は早い。

目先の改良ができるエンジニアに心当たりがある。優秀な後輩だ。

機体制御にパイロットの思考を読み取り反映させる機構のアイデアも持っているし、なんなら回路設計までできている。

だが、私が直接乗り込んで紹介したり改修の指揮をとることはできない。

今ここで生き延びているのは私が酸欠症で思考、判断能力を損なっていることになっているおかげだ。

もし、私の頭脳が正常を取り戻していると知られれば。敵は私のヘッドハントや拉致を試みるだろうし、母国はそれを許すくらいなら私の暗殺処分も辞さぬだろう。なんなら、いまこのときですら両陣営の諜報員がここを見張っている。

私は一計を案じた。

旧式の記憶モジュールに改修案とそれを実践できるエンジニアのリストを記録し、息子にたくすのだ。

息子の機体のコンピューターに接続すれば、機体制御系のプログラムを更新すると同時にハードウェアの改修案とエンジニアリストも読み取る。

試作機をエース機体として運用できる優秀なメカニックならすぐに気づくだろう。




「こんなもの!」

ぽーい


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ファーストのテムさんですか? [気になる点] 監視者に回収されて、ばれて拉致されて、ライバルの新型を作るのですね。
[一言] お久しぶりです。 親の心子知らずですね。 終戦後の再会した時の会話はどうなりますか。(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ