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1話

「・・・ん」

ゆっくりと起きる。

冒険者になって1ヶ月が過ぎた。

昨日は依頼を1つ終わらせた。

今日は森をメインフィールドにする依頼を探そう。


外を見る。

まだ朝焼けの時間だ。

まずは身だしなみを整える所から始めよう。

と言うわけで、わたしは完全に起きた。


-----


冒険者ギルドへ行く前に身だしなみチェック。

持ち物は殆ど無く、小物をリュックに入れる。

では行きましょう。

ガチャっとドアを開けて部屋から出て、宿から冒険者ギルドへ向かう。

行き掛けに果物とパンを買い、食べながら移動です。


-----


冒険者ギルドに着いた。

朝早い時間のためまだ人が居ませんね。

早速依頼票を見る。


「んー・・・んー・・・?」

昨日とあまり代わり映えの無い依頼票です。


「あっローズペタルさんっ

 朝早いですね、早過ぎますっ

 まだ昨日精査した依頼票を貼っていませんよ。」

声がした方を向くと昨日受付担当をしてくれたおねーさん ルフナさんが依頼票らしき紙を持ってこちらに向かってきていた。


「では、その紙が依頼票でしょうか。」

「はい。見ますか?では新人さんが受けられる依頼は・・・」

とルフナさんは持っている依頼票を幾つか選んで渡してくれる。


「どちらか受けられます?一部複数人推奨がありますが。」

「うーん」


-----

依頼票 No.203100100

ヌワラ橋周辺の警備と魔物退治

10-05日~10-06日固定

依頼主:とある商人

報酬:1日銀貨4枚

依頼内容:

荷運びをする道程の途中にあるヌワラ橋の保全をしてください。

もし橋が傷んでいた場合は戻って知らせてください。

-----


-----

依頼票 No.203100104

木の芽と葉の採取

依頼主:学園の学者

報酬:銀貨5枚+α

依頼内容:

この辺りでは見かけない白い幹の木を発見したと言う報告がありました。

ローゼンタールから北東の森で見かけたと言う報告です。

1.本当にあるかどうかを確認して報告

2.その木の芽を見つけて持ち帰った場合は銀貨+10枚

3.見つけた場合、葉と土を持ち帰ってください。銀貨+5枚

-----


「あっ、これを受けます」

木の芽と葉の採取の依頼票を差し出す。

望んでいた森での依頼が丁度降って湧いた状況です。


「こちらですね。承りました。森ですので、少しでも危険なりそうな場合は一度戻ってきてくださいね。期限はありませんので。」

「では頑張ってくださいっ!」

と言って、すぐにルフナさんは残った依頼票をボードに貼り付け作業に移る。


「行ってきます」

私は一言言い、すぐに冒険者ギルドで水と携帯食を買い森へ向かった。


-----


街から出て、歩きながら空を見ると雲ひとつ無い晴天で且つ朝という事もあり非常に気分良く歩ける事もあり、30分の道のりも苦にならずに森まで着いたのだった。

「やっぱり森はいいなぁ」

とつい独り言を言ってしまう。


さ、森に入って依頼の木を探しましょう。

森に入る時の日の傾きを確認し、木に印を付けて奥に入っていく。

森の入り口付近はまだ人が入るのか獣道っぽいものがあるが、5分も歩けばうっそうとした雰囲気になってくる。

それでもローズペタルは慣れたもので気にもせず歩き回っていく。

森の奥に入ると入ってきた方向と左右への移動で判らなくなるので、右へ移動する時は黄色の紐を吊るし左へ移動する時は赤色の紐を吊るしましょう。

最初に曲がるポイントはルーン文字で印を付けておけば安心。

まずは右へ。


・・・


暫く歩くと斜面が見えてきた。

小高い丘のようね。

「うーん、森かぁ、森ねぇ。どれ位の広さなのか聞くの忘れてた。斜面って事は山なのかなぁ。」

あれ?横穴がありますね。

斜面の上のほうを見ると横穴・・・洞窟らしきものが岩陰に隠れて薄っすら見える気がしたので様子を見に行ってみる事にした。

ぱっと見、岩を見る角度と太陽の光の加減と岩の色(白と黒)で洞窟らしきものが上手くカモフラージュされているように見えたのだ。


やっぱり洞窟が・・・

その洞窟らしき所につくと気持ち気配を探ってみる。

あくまで気持ちなので、当然そんなスキルは持っていないが。

やっぱり気配なんて判らないので奥の方へ言って見る事にする。

「光が」

入り口では気付かなかったが、太陽光が乱反射して奥まで光が届いているようだ。

光のおかげで奥まで暑い、と言うか熱い。

「・・・自然ではなく人工物?っあっ」

段差があり足元を踏み外す。

そして転ぶ。

そして滑る。

奥の壁にぶつかる事なく、そのまま擦り抜けてしまった。


「いったっー」

擦り傷ができたので取り敢えず簡単に湿布してから辺りを見渡すと四角く切り出された部屋に居る事がわかった。

「ここは・・・奥には・・・」

警戒しながら奥へ進むとドアらしきものが見える。

ドアノブのようなものも無いが明らかに壁と違う材質だ。

触って確かめようとしたら、くるんっと壁が回転して隣へ移動していた。

単純に回転扉のようなものだったらしい。

暗かったがパッと明かりが灯る。

「通路ね。灯りは魔法?」

安全を確かめてから戻れるか回転扉を押してみる。

「あれ?開かないですね。閉じ込められた!?」

少し調べて見たが何も無いので諦めて奥へ進む事にした。

人工物であれば出口は必ずあるはずです。

しかし少し曲がっているが非常に奥が深く通路の終わりが見えない。

1時間は歩いただろうか、長い一本道、いえ廊下を。

「やっと奥が・・・また回転扉ね」

押すと扉が回転して次のエリアへ進む。


「本?棚?図書館?机に椅子もある」

少し警戒して様子を伺っていたが何も起こらないので椅子を引いて座ってみる。

ぶっちゃけ疲れただけです。

今の時間も解らないけど、どれだけ時間が経っているのかも解らないので水分補給する事にします。

「ふーっ、少し本を読んでみましょうか」

立ち上がり本棚へ向かい、本棚から本を取り出し開いて見る。

「何?この文字。読めないわね」

他の本も手に取って開いてみるが、全て読めない。

本棚を変えて本を手に取り開いてもやはり読めない。

色々と見て回って気付いた事がある。

「本の背表紙に何も書かれていない?」

本を開く事をやめ、本棚を回り背表紙を確認していくが何も書かれていない。

20分程だろうか、歩き本棚の本を確認しながら端まで行くと上へ登る階段があった。

次の部屋行くための扉も見当たらないので階段を登りましょうか。


上階も同様に本棚だらけだった。

同じように本の背表紙を確認していきます。

最後の本棚の列に差し掛かり1冊の本に気付く。

「あ、背表紙に文字が」

小走りでその本がある本棚へ向かいます。

「始まりの書・・・読めますね」

早速手にとって開いて見る。

開くと何も書かれていない白紙のページがずっと続いていた。

「何よこれ」

最後のページを開いた瞬間「ガコっ」と言う音が後ろから聞こえたので、びくっっと光の速さで振り返る。

振り返ると、そこにはドアがあり開いている。

手に取った本とその横にあった本をリュックに入れドアに向かい、ドアをくぐるとまた部屋でした。


ただこじんまりとした部屋。

そこには台座とその上に箱が置いてあります。

罠を警戒し周りを調べてみるが解りません。

そんなスキル無いので当然ですね。

どの道出口も見当たらないため箱を開けて見る事にする。

出るための何かがそこにあるはずだと言う判断である。

箱を開けると指輪が2つ、イヤリングが1対入っていた。

手にとってみる。

指輪はリングは細くシルバーの台座に白い宝石が1つ、同じくシルバーの台座に黒い宝石が1つの2種類。

「シンプルね。宝石は・・・何だろう?」

イヤリングは小さくゴールドだが殆ど宝石であるため目立たず宝石も白っぽい何かの1対。

「何となくカワイイわね」

鑑定なんて無いし、外に出るためのキーだと思い指輪を嵌めてみる。

2つ嵌めた瞬間意識が途絶えるのだった。


-----


気がつくと辺りが暗い。

ルーン魔法で灯りをつけ周りを見ると、どうやら最初に転んだ地点のようです。

指輪を思い出し指を見てみる。

指輪もついているので転んで意識を失ったわけでもなく、夢でもない事が解った。

「夜の森かー、ここで朝まで休んでましょう」

一人ごちる。

リュックに本を入れたことを思い出し、リュックの中を見るが本が無くなっていた。

「本が消えた?」

急に転んだ時に素通りした壁が気になり調べて見る。

「どこも通り抜けない?壁になっている?」

変なの。

おかしな事だらけで説明もできないが、一応ギルドに伝えておく事にしよう。

壁を素通りできたけど今は素通りできなくなっている事を、遺跡っぽい何かがあった事を。


翌朝、他の回っていない地点も周り、最初のルーンで印を付けたポイントを左へ移動した方向に白い木が生えている事が解り、土と葉を採取してギルドへ戻った。


-----


「ただいま戻りました」

とルフナさんに話しかけます。


「おかえりなさい!一昨日戻らなかったのでどうしたのか心配になりましたよっ!」

「色々ありまして・・・」

とあった事を簡単に伝えて言い訳をしてみました。


「・・・」

ルフナさんが黙って聞いているが、どちらかと言うと唖然としているようで。

あの付近には過去調査済みで何も無い事が解っていて、あの洞窟の事も知っていました。

ただ、現物証拠として指輪とイヤリングを見せると鑑定をしたいと言い出したので了承する。


「あれ?外れない?どう言う事?」

「ぇ?呪われてる?」

ルフナさんが不吉な事を言う。

不安になります。


「危険かもしれないので、調べるために鑑定士を呼んで来ます!」

と言って奥へ走っていきました。どうしよう。

程なくして鑑定士が来て鑑定して貰いましたが、鑑定できなかったようです。


「危険かもしれないので監視を付けますね。大丈夫です。監視は女性の職員にしますので」

と言って有無も言わせず監視される事になりました・・・

個人のプライバシーと周りへのリスクを天秤にかけると、仕方ないですね・・・


片道切符だった所から帰還できただけでも良かったと思うべきか。

どうなんでしょうね。


その後、ギルドから情報提供を求められて情報提供をしたら、銀貨10枚貰えました。

過去の調査で何も無い所だったので、安く見積もられたようです。

外れない宝飾品が不安を掻き立てますが、疲れたので今週は何もしないで過ごしましょう。そうしましょう。

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