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はじまり

主人公ローズペタルの最初の話し。

Gemini.48 ではある程度発展を遂げた多数の国家点在しており、その中でも影響力のある7カ国が世界を支配していた。

お互いが牽制し合い、バランスを崩さず、ある時は敵対しある時は手を取り合い、その結果100年も続く仮初の平和が続いていた。

そして、この流れからお察しの通り、このバランスが崩壊する時が迫っていたのである。

その激動の世の中で、数多の人々の冒険譚や生活、生き様があり、それぞれに大なり小なりの物語が存在した。


・・・


バランスが崩壊する事の15年前にある女の子が誕生した。

国は1小国で[大国[オレンジペコ]の都市は[ローゼンタール]]の衛星的な立ち位置の名も無い村に。

国境を越えて国家間は自由に行き来できていた。

その子供の冒険譚がこの時から始まった。

その後名も無い村の外れの山林で育ち、幼い頃からこっそりとひっそりと才能が目覚めていったのであった。



「んぎゃー!!!」

「よく頑張りましたね!女の子です!!」


・・・zzz・・・


それから5年経ち、少女は斧を持っていた(親の現在きこり)。

将来は、かつての父と同じ冒険者になり、世界を見聞するために。


更に9年。

その間の期間は家業を手伝いながら色々な事を習得していく下積みの期間だった。



現在14歳、冒険者になる日から物語は綴られていく。

-----


1.会話から~

生まれ育った村からゆっくり歩いて1日ほどの距離の都市ローゼンタール。

(日が昇ってから次の明け方まで程度)

今わたし・・・ことローズペタルはこの街の冒険者ギルドにいる。

冒険者として登録するためだ。

冒険者ギルドの受付で担当しているのは[ルフナ]さん。


「はい、登録終わりました。ちゃんと注意事項は守ってくださいね。本日から依頼は受けられます。」

「では早速受けてみたいと思います。そちらに貼られている依頼票から選べばいいのですよね?」

「あ、1年未満と1年以降とで基本分けられています。暫くは1年未満から選んでください。それとパーティーは組んだ方が安全ですが如何でしょうか?」


ルフナさんはそう提案してくる。

少し考えて・・・


「少し不安もありますが、一人で経験してみないと解らない事もあると思いますので、、、最初は一人で受けてみたいです。」

「承知しました。では1年未満のボードから採取系か配達系の依頼を選んで持ってきて頂けますでしょうか。一人でもある程度は安全に進められると思います。」


と言うので、席を立ち1年未満のボードに貼られている依頼票を見ていく。


探していると不満そうな声で冒険者がドアを開けて入ってきた。

3人パーティーのようだ。


日焼け少年

「なんだよこれ!不完全燃焼だよ!」


少女

「うるさい。黙って入れ。」


フードを被った色白少年

「・・・」


騒いでいる少年に対して少女は端的に言う。

フードを被った色白少年はどうでも良さそう?にボーっとしている。判断が難しい。

日焼け少年は「報告にいく!一日を気持ちよく終えるために依頼を選んでおいてくれ!」と少女に言う。

少女は見向きもせず無言でわたしと同じく1年未満のボードへ依頼を探しに近づいてくる。

ボーっとそのやり取りを眺めていたが、「依頼を選ぶ」と言うキーワードで依頼探しを再開する。

山で育ったこともあり、何となく無意識に山林へ赴く採取系の依頼を探していた。


依頼票No.202100101

森に自生する薬草と山菜の採取求む!

依頼主:滋養料理店月ヶ瀬 ナラ

報酬:銀貨5枚

依頼内容:

急遽新鮮な薬草と山菜が必要となり、その薬草と山菜を急ぎで摘んで来ていただきたく。

詳細は店舗にてご説明します。

依頼は本日 夕刻までに完遂が必須

<店舗住所>

ローゼンタール 大通り5-20-41


と、縛りはあるが簡単そうで報酬の良い薬草と山菜を採取する依頼を見つけ手を伸ばした・・・ところ、ボードに来ていた少女と同じものを選んでしまった。

「あっ」とベタな声を上げてしまった、、、

少女はにらみ返して


「これ、あたし達も受けたいんだけどっ。」


と張りの良い声で言ってくる。

うーん、主張が強い人だ、声的に。

何となくお互い平行線になりそうだと判断する。

めんどくさいのでこう提案してみる、半強制的に実行するけど。


「採取系の依頼なので複数パーティーで受注できるか受付のおねーさんに確認してきますね。」


と言い、サッと依頼票を取り受付へ向かう。

後ろで少女は少し間を置いて「はっ?」と発していた。

受付では丁度依頼完了の手続きが終わったようだった。

そして受付へ着くか着かないかの所で日焼け少年とすれ違い、逆に少女は小走りで追いかけてくる。

少女を待たずに受付のおねーさんことルフナさんに聞いてみた。


「この採取の依頼ですが、急ぎのようですし確実を求めるなら複数パーティーで受けた方が良いと思います。あちらのパーティーと共同で受けても良いでしょうか?」

「あ、これですね。有名な料理店ですので変な依頼ではないと思いますし、報酬額は記載から変わりませんが減るでも良ければ問題ございません。」


とビジネスライクに答えてくれた。


「では、初依頼として受けますね。」


それを例のパーティーメンバーの2人が横で聞いていた。

当然日焼け少年と少女である。

日焼け少年と少女が話しかけてくる。声が大きい。


「俺たちは1週間前に冒険者となりパーティー ラッキービルドを組んだアッサムだ!」

「あたしはディンブラ。」

「わたしはローズペタル」

「話しは聞いていた。早々に揉めるのも嫌だし、共同で依頼を受けよーぜ!」

「ちょっと?」


少女の言葉と言うか思いは無視して都合の良い言葉だけ受け入れることにする。

当然のことです。


「では、ローゼンタール 大通り5-20-41へ向かいましょう。」


と言って、覆らないようにさっさと行ってしまう事にする。


・・・


依頼主との渉外はわたしが行なった。

きこりの親の手伝いでクライアントの窓口の真似事を行なっていたからだ。


依頼主と話しをした結果、以下のような流れとなった。

・夕方には材料がないと困るため、ギルドへよらずに直接持っていく事

・採取前にギルドへはその旨を伝えておく事

・渡された麻袋に山菜7:薬草3の割合で分けていれる事

・指定した場所近辺で採取する事

・依頼物を引渡し後にギルドへ報告に行く事

である。


幾つかリスクがあるが、ギルド側へ伝えておけば良い事として、目を瞑る事にする。

時間が無いしね。

指定された場所はローゼンタールから東へ1時間歩いた所にある林だ。

帰りの時間を考えると3時間程度しかない。

急いで林へ向かう事にした。


・・・


道中は何事も無く指定された林に到着した。

日焼け少年は騒がしい-ではなく声が大きい。


「うぉっし!やってやるぜー!」


と言って林へ走っていく。大丈夫なのかな?

他のメンバーはその行動に慣れているようで普通に歩いて追っていく。

個人的にはある意味勝手にトラップに引っかかってくれる生贄と考えれば良いと言う打算もあるし、特に何も言わないことに決める。

頑丈そうだし、ディンブラやゴール(道中で名前を聞いた)もそんな感じだ。

さぁ採取を開始しよう。


「わたしは林のあちら側を中心に採取していきますね。何かあった時はココまで戻って声を上げてください。」


と言って、大き目の石にルーン魔法で目印を浮かび上がらせる。光る文字を石に書いただけだ。<目印>と。


「ぇっ!?ルーン魔法?・・・わかったわ。そうしましょう。あなたは一人だけで大丈夫なの?」


そう言えば、道中で自分の事は一切話をしていなかった。

時間が無いので「接近戦の方が得意なので大丈夫です。」とだけ伝える。


「帰ったら色々聞かせてね。」

と、少女。


・・・


さぁ開始しよう。

慣れているので、すぐに薬草と山菜を見つけて採取していく。

ついでに、護身用の武器として持ってきた手斧も確認しておく。


3時間経過


何事も無く採取が終わり、反対側で採取しているパーティー ラッキービルドの量が少なかった場合を考慮して少し多めに採っておいた。

目印の場所に付近に行くとラッキービルドメンバーが交戦中だった。

何と?

林の中で出会ったと思われる狼's。

6匹位の群れだ。

わたしは慣れているが、ラッキービルドの面々は慣れていないようだった。


アッサムはところどころ引っかかれ、たまに咬まれたりしながら3匹程度を引き付けている。

うまく挑発しながら前衛としての役割を担っている。

ただ残りの3匹がディンブラとゴールに攻撃をしているため、結果として防戦一方だった。


端的に言えばスピード負けと経験不足で3人と言う人数も防戦となっている要因の1つだろう。

数でも負けていて乱戦となっていた。


急ぎ気付かれないように近づきルーン魔法で重力を操作し狼6匹を纏めて鈍くさせる。


「ディ・グラビティ」

ルーンが6つ浮び上がり狼へ飛んでいって効果を及ぼす。


そして駆けて行き、ゴールを攻撃している狼を後ろから手斧で首を刈る。

動きが遅くなったのを見て、一瞬戸惑ったもののすぐにアッサムがディンブラに纏わりつく狼1匹を狩り、距離をとったディンブラが弓で1匹仕留めていた。

「・・・ファイアストーム」

余裕のできたゴールが狼が遅くなった所を3匹纏めて精霊魔法で仕留めて終了となる。

火と風の精霊をつかった精霊術だ。制御もできている。才能あるなぁ。

パーティーを組んでるだけありアッサムも良くわかっている。


「危なかった?」

と声をかけてみる。


「ちょっとなっ!」

声大きいって。


「たすかったわ」

とディンブラ。


ゴールは何も言わない・・・と言うか、何か別の方向を見ている?

何か見えているのだろうか。

気にしないことにする。


「袋の中を確認して問題なければ時間も無いので急いで帰りましょ」


戦闘で採取した草に傷みができたか、すぐに袋の中を確認してみる。


「では帰りましょう」

問題なし、と言うことだ。


・・・


帰りも何事も無かった。

魔法を使ったので帰りに色々聞かれた。

ルーン魔法を使ったのが原因だ。

父が使えたこともあり、普通にしていたが、かなり「希少」らしい。


説明:

ルーン魔法はルーンが制御できること、魔力が制御できること、そしてコモン以外の魔法は自身が理解している世の現象を元にオリジナルの魔法を作り出すことができるのだ。

何らかの世の現象を理解できていなければコモンのルーン魔法しか使えないことになる。


「そう言えば接近戦が得意とか言ってなかった?」

「うん接近戦のほうが得意よ」

「でもルーン魔法使えるよね?」

「うん」


オリジナルの魔法については「いろんなモノの重さを変えられるよ」とだけ話しておいた。

ディンブラが「重くなったから狼の動きが鈍くなったのね。」と言った。


そして今習得しているスキルについての話だ。

「いつごろから練習してたの?」

「うちってきこりやってて斧使い方は5歳くらいから教わってたんだ。」

「そうなんだ」

「でもルーン魔法なんてどこで?」

「親が使えたんだ。で、教えてもらったの。」

「なるほど、いいですね。」


と簡単な身の上話をしながら帰路についていた。


・・・


ローゼンタールに着いても、何処にも寄らず一直線で[滋養料理店月ヶ瀬]へ向かう。

依頼主へ夕方前に袋を渡し、中身を確認してもらい、満足してもらったことを見てからギルドへ帰った。


「初依頼お疲れ様でした。有難うございました。」

「色々と経験させていただきました。狼も狩ったので討伐系の依頼も視野に入れてもいいでしょうか。」

「狼?出たのですね。何匹でしたでしょうか。」

「6匹です。ラッキービルドと共同で狩りました。」


「なるほど。」

ルフナさんはそう言って、アッサムの方を見る。


「あぁ、強かったぜっ!」

何処でも、どんな時でも声が大きい。


「その子、ローズペタルが来なかったら危なかったかも。急所を一撃で」

と、少女も言う。


「ふーん。そういう事なら許可します。ただし簡単な討伐系と無理をしないこと。判断はお任せになりますが、危ない時は逃げてくださいね。」

「ありがとうございます。」

「明日からは討伐系も対象にして選ぶことにしますね。」


「では本題ですが、報酬の銀貨5枚です。受領証にサインをお願いいたします。ここにです。」

とルフナさん。


「はい。ラッキービルドさんは必要ないですか?」

「俺たちは実績と報酬が貰えれば不要だぜっ!」

う。うる・・・いえ、もういいです。


「では以上です。また宜しくお願いいたします。」

「はい」

「おうっ!」


以上で初依頼は終わりました。


・・・


その夜、ラッキービルド側から依頼成功の簡単な食事会への誘いがあり、参加していた。


「おつかれさーしたっ!」

「かんぱいっ!!!!」

「・・・」

皆で乾杯し・・・できなかった。あれです、ゴールはこの時でも黙っているので。

この人って実は声が出ないのではないか、と思ってしまう時がある。

宴みたいなのは初めてのことではあるが、非常に良いものであり、小さい頃の話しを聞かれていた。


「ねー、小さい頃から色々修行していたんでしょう。どんな所でどんなことをしていたの?」

「え、うーん、そうですね。5歳の頃から斧を持って木を切っていたわ。その延長で父親から武器の扱いを教わり始めたの。」

「5歳?!」


そう、5歳の頃からである。

今日はわたしの小さい頃から今に至るまでの話しをするのことになったのであった。


要約:

父親が冒険者で、剣士でありルーン魔法の使い手だった。

運動が得意山を走り回っていた。

5歳の頃から手斧を持ち始めきこりの真似事をはじめる。

10歳の頃に算術を教わりお金の計算をさせられる。

12歳一人立ちの準備として読み書きの勉強をしつつ、父親のきこりの事務作業兼受付を始める。

その頃からルーン魔法も勉強をする。

14歳一人立ちして街=ローゼンタールへ


「あたし達のパーティーに入らない?」

そう提案された。


「うーん」

どうしよっかなぁ。


・・・


その頃、[滋養料理店月ヶ瀬]は閉まっていた。

どうやら新鮮な食材は特別な顧客のために用意したものであり、特別な対応をするためにお店を閉めたのだ。

お店に人の気配が無いので別の場所で料理をしているのではないかと思われる。


・・・

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