我、久々に更新
とても、とてもとてもお久しぶりです。
諸々落ち着いたので更新再開します。
週に一度は更新したいと思ってます!
シュノーバンはシロの治療を受け片膝をつけるまでには回復していた。
だがそれは、万全に動けるという事をしめしたものではない。げんにシュノーバンは肩で息をしていた。それでも彼は大きく息をすい、話しかける。
「回復はもういい……。それ、よりも……、グヒンの、加勢してやれ……」
「え!? でも……」
シロはグヒンの戦いを気にしながらも逡巡する。シュノーバンはそれに対し首を横に振って答えた。
「こ……のままだと、……彼も、危ない。……それに、この状態じゃないと……、できないこともある。…………二人で、時間を稼いでくれ」
その言葉にシロはためらいつつも、やがてぐっと頷く。
「……わかった。陸君の加勢に行く。おじさんも無理しちゃ駄目だからね」
そう言ってシロは手に持った茶碗を刷毛ですくい、今度はグヒンに向けて白粉を振りかける。
「天の下、すでに覆いて降る雪よ――ハクヘキ」
シロの言葉と共に、白粉は雪の結晶となりグヒンに降り注ぐ。
それを見てシュノーバンは、破れたマスクから覗く口元を、困ったように歪めた。
「俺は……、まだおじさん……、じゃない。……それと、ヒーロー名で……よんでやれ。だが……」
シュノーバンはぐっと息をつき、つばを飲み込む。
「さあ……、今度はこっちの……ターンだ。二人そろったそいつらは……、強いぞ」
《そうだぞ、シュノーバンはまだおじさんじゃないぞ》
《反応するところ、そこ!?》
《確かアラサーだろ? もうおっさんじゃねぇか》
《アラサーは! おじさんじゃ! ない! お兄さんだ!》
《必死すぎて笑うわ》
《センシティブな年齢なんだ、気をつけろよ!》
《わからないな、まだ十代だし》
《気にするな、40越えるとどうでもよくなる》
「いや、おっさんじゃろ」
そんなコメントに対し、モナは無慈悲な一言を放つ。
しかも手に持った干菓子をポリポリとかじりながらだ。
《ちょおっ》
《言い方ァァア!!》
《無慈悲すぎる》
《でも実際おっさんなんだよなぁ》
《アラフォー男はおっさん呼ばわりされるのに、アラフォー女はおばさん呼ばわりされない。不平等だ!》
《ぁあ!?》
《ぉおん!?》
《おいお前、命知らずだな》
《そここそセンシティブな所だろう》
《と、とりあえずその話は置いておいて、動画の方を見ようよ》
《そうだな、どうでもいいから、もっとヒーロー達に注目しようぜ》
《それもそうだね~》
若干コメント欄に不穏な空気が漂ったが、それはさておいてグヒンと牛若、二人の戦いは続いていた。
今もグヒンの伸ばした腕に牛若の剣閃が走る。
攻撃後、牛若はとんと大きく間合いを取って欄干の上に立ちグヒンを見下ろした。
「さすがにもう限界でしょ。諦めたらどうかな?」
視線の先、グヒンの黒いスーツには幾本もの赤い線が走り、まさに満身創痍の体だ。
だが狼面から覗く眼に諦めはなかった。
「……なに言ってやがる。まだまだこれからだっての。お前の方こそもう疲れたのか? 見た目通りでスタミナが足りてねえな」
「…………へぇ」
グヒンの言葉に牛若はすっと目を細める。
「本当に口だけは達者だね。……なぶるのはもうやめだ。殺すよ」
「はっ。力が足りなくてなぶるしかできねえだけだろうが。それに――」
グヒンと牛若のあいだに雪の結晶がひらりひらりと舞い落ちる。
それを見てグヒンはちらりと後ろの二人に目を向けた。
牛若も同じようにそれを見て、いぶかしげな顔をする。
「それに……、なんだい? どうやらこの雪は後ろの治療師が作りだした物らしいけど……、それだけで勝てるとでも思っているのかな?」
「さあてな、そいつはわからない。だけど――」
グヒンは槍の穂先を牛若へと向けた。
「――シロの援護があるんだ。少なくともさっきまでの俺じゃないぜ」
ぐっと足を踏み込む。狙うは欄干にたたずむ牛若の心の臓。
「ふん、何をしようが無駄だとわからないのかな? それに君のような猪武者の首を落とすのに力なんていらないよ」
迫り来るグヒンを迎え撃つように牛若も欄干から降り立ち刀を構える。
がむしゃらに向かってくるグヒンをあざ笑うように、その口元はゆがんでいた。
そうして二つの影が交錯する。
キィィンと何かが砕ける高い音が響いた。
《おおっ、すげー》
《雪が敵の攻撃を防いでるな》
《こうげきみえねー》
《キンキンキンキンいってるのはわかる》
《そりゃみんなわかってるんだが》
《牛若が刀振ってるけど、はじかれてるっぽいね》
《防御を雪の結晶に任せて、攻撃一辺倒だ》
《よし、そこだ!》
《そこでフェイントきかせて》
《あー、惜しいっ》
《胴体を狙うと見せかけて、手足から削ろうとしているな》
《基本に忠実だねー》
《とはいえ相手の方が上手のようだ》
《おいおいすげーな、なんであんなの避けれるんだ》
《ブラックも頑張ってるんだけどな。強いな牛若》
《そりゃそーだろうがよ!》
《うーん、これぞ千日手》
《なーに有識者っぽいこと言ってんだ、この雪みたいなのずっと続くわけないだろ》
《明らかにシロちゃんのスキルっぽいよな》
《スキルが消えたときが、事態が動くとき、か……》
《だからなに有識者ぶって……、って牛若がひいた?》
《あの構えは……、平突き》
《なるほど、振るよりも突く方が雪に邪魔されないと》
《あ、あれは、かの土方歳三が考案した平刺突!》
《それ、牙○や、まんま牙○の説明や》
《牛若のやつ、なんてやべー技を》
《って、牙○いったー》
《はじ――、かれない!》
《刺さったーーー》
《おいおい、牛若のやつそのまま横に刀振ろうとしてないか》
《やばいやばいやばい》
《ああ! 身体真っ二つーーー》




